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【安全資産の一角】個人向け国債の特徴と実利回りについて

個人向け国債

 国債とは、国の発行する債券で、法律で定められた発行根拠に基づいて行われています。

 ・利子は半年に一度支払われる

 ・元本は満期時に償還

 このような特徴がある金融資産クラスです。そして、個人投資家向けに取り扱われているのが、個人向け国債です。

 国債には様々な種類がありますが、大別すると2つに分けることができます。

 ・固定利子型

 ・変動利子型

 さらに細分化することもできますが、大きく分けるとこの2つになります。

 そして、現在、個人向け国債の利率が上昇しており、国債をポートフォリオに加えることを検討される方が増加しています。

出典 個人向け国債窓口トップページ : 財務省 
以下の画像も同サイトから引用

 2023年9月時点での各国債の利回りはこのようになっています。変動金利型10年満期で適応利率が0.43%というのは、人によっては旨みを感じる水準まで上がってきているということです。

 しかし、国債を購入する際にはいくつか抑えておきたいポイントがあります。

 このポイントを抑えておかないと、資産形成において、国債が思ったような働きをしてくれないと感じることがあるからですね。

 ・国債の金利について

 ・国債はポートフォリオに組み込んだ方がよいか

 今回は国債についてこの2点を中心に触れてみたいと思います。

国債の金利について

 国債という金融商品の最も大きな魅力のひとつがその安全性です。

 ・元本割れしない

 ・最低金利が設定されている

 この2つが法律によって担保されており、確実に利益を出すことができる金融商品です。

 仮に、日本が北斗の拳のような世界になってしまえば別でしょうが、それ以外では国債が価値を失ってしまうということは無いと考えておいてよいですね。

 しかし、国債には、安全性と引き換えに利回りが非常に低いというデメリットがあります。

 国債の適応利率は基準利率によって決定されます。基準金利は個人向け国債の種類によって異なります。

 それぞれ微妙に異なっているということです。そして、固定5年、固定3年の金利は償還されるまでかわることはありません。

 しかし、変動10年の半年毎の実勢金利に応じて基準金利が変更されることになります。

 そして、各国債の適応利率は基準金利とイコールではありません。

 ・変動10年・・・基準金利に0.66を掛けた値

 ・固定5年・・・基準金利から0.05%を引いた値

 ・固定3年・・・基準金利から0.03%を引いた値

 各国債の適応利率はこのようになっています。この金利調整は中途換金ができるという国債の特性を考えるとなくてはならないものだということです。

 全ての人が満期まで国債を保有し続けるのであれば、基準金利と適応利率は同じでよいのでしょうが、そうではない以上、適応利率が基準金利を下回るように設定しておく必要があるということです。

国債の利子受取りシミュレーション

 国債で最も人気があるのは変動10年です。令和5年の各国債の発行額は以下のようになっています。

 変動10年の発行額は固定3年、固定5年と比較して飛び抜けて多いことがわかります。国債と言えば、変動10年と考えられていることは、この発行額からもうなずけます。

 それでは、令和5年9月に変動10年国債を購入した場合、どれぐらいの利子を受け取ることができるのかについてシミュレーションをしてみます。

 ・元本 100万円

 ・基準金利 0.59%

 ・適応利率 0.39%

 この条件でシミュレーションをすると半年ごとに受け取ることができる利子は以下のようになります。

 半年で支払われる利子は1,950円となります。そして、ここから税金を引いた金額が受取り額となります。

 ・1,950円 × 0.2315 = 451円

 ・1,950円 - 451円 = 1,499円

 税引後はこのようになり、これが年2回あるので、実際の利回りとしては0.3%ほどになるということです。

安全資産としては悪くはないが・・・

YOHの考え

 今回は国債の特徴と利回りについて触れてみました。

 国債は安全資産としては非常に優秀な金融商品です。

 ・安全性が極めて高い

 ・商品を自分の状況に合わせて選択することができる

 ・緊急時には中途解約可能

 ・一定の利回りが保証されている

 このような特徴を持つ金融商品というのは他にはないということです。

 しかし、国債が誰にとってもおすすめできる金融商品であるかと考えると、そうではないというのが私の印象です。

 その最も大きな理由は利回りが極めて低いことですね。

 ・変動10年で実質0.3%(令和5年9月時点)

 ・固定5年であれば、0.15%

 これぐらいの利回りしかないということです。銀行預金と比較すると高い利回りですが、銀行預金にはないデメリットが国債には存在します。

 ・基本的に満期まで待つ必要がある

 ・ある程度の期間資金拘束される

 このようなデメリットと比較すると、割に合わないというのが私の印象です。

 ・資産が数億円以上

 ・遊ばせている現金がある

 このような投資家であれば、国債を保有するメリットはあるのでしょうが、そうではない投資家にとっては、デメリットがメリットを上回っている可能性があるということです。

 国債というのは、利回りは銀行預金などの現金と比較すれば高いですが、完全に安全資産であるということです。

 そのため、利回りを求めるものではなく、安全性のみを求める金融商品であるということです。

 そして、安全資産として見た場合、国債は非常に優秀な金融商品です。

 ・現金以外で安全資産を持っておきたい

 ・ポートフォリオに現金以外を入れておきたい

 このような投資家にとっては価値のある金融商品です。

 私自身は現時点で、国債をポートフォリオに組み込むことは考えていません。資産規模がそれほど大きくないからですね。

 ・安全資産は現金のみ

 ・リスク資産は株式のみ

 このようなシンプルなポートフォリオを継続していくということです。

 しかし、資産規模が大きくなれば、国債をポートフォリオに組み込むことは考える必要があるとも考えています。

 ご覧いただきありがとうございました。

 債券をポートフォリオに組み込むことについては、こちらでも記事にしています。

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