YOH消防士の資産運用・株式投資

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【金の値段が過去最高を突破】金をポートフォリオに組み入れることについて

金(GOLD)

 2023年8月末に金の値段が1万円を超えて、過去最高の高値がついていることが大きな話題となっています。

出典 

田中貴金属工業株式会社|月次金価格推移

 2018年に1グラム7,000円ほどだったのが、上下動を繰り返して2023年9月1日の価格は10,100円となっています。

 ・有事の金

 ・普遍的な価値がある

 金についてはこのように言われており、投資対象として一定の人気がありますね。

 今回、金の価格が上昇している要因は一概には言えませんが、上昇の起点となっているもののひとつが2020年から発生している新型コロナウイルスの蔓延です。

 ・世界経済は落ち込み停滞が続く

 ・株式や債券から資産を移す必要がある

 このような投資家に選ばれた資産クラスのひとつが金であるということです。

 実際に、2020年から金の価格は3割ほど上昇しています。また、円安による影響も少なくはないですね。

 ・物価上昇によるインフレ

 ・インフレによる円の価値の下落

 ・円建てで見た金の価格が上昇

 数カ月単位の短いスパンで見ればこのようなことも金の価格上昇の大きな要因となっているということです。

 このような金の価格上昇を受けて、金をポートフォリオに組み込んだ方がよいのか、と考えている投資家も少なからず出てきていると感じます。

 金というのは金融資産クラスとしては古くからあり、投資家にとってはある程度考えておく必要があるということです。

 ・金(GOLD)の資産的特徴について

 ・金(GOLD)をポートフォリオに組み込んだ方がよいのか

 今回は、この2点を踏まえて金が投資対象になるのか考えてみたいと思います。

金(GOLD)について

 ・埋蔵量が5万トン

 ・1年間で3,000トンが発掘されている

 ・発掘は中国で420トン、オーストラリアで330トンと多い

 ・我が国日本の埋蔵量は260トン、毎年7トンが発掘されている

 ・このまま採掘していけば、20年後には枯渇する

 金については、このように言われています。金の価値が高いのはこの希少性によるものですね。

 ・お金のように無尽蔵に作ることができない

 ・価値が0円になることがない

 このような性質を持っているということです。

 我々のような平和に暮らしている日本人にはピンときませんが、日本のような貨幣の価値が法律で担保されている国というのは多くありません。

 ・ドイツ

 ・ポーランド

 このような国でも過去にはハイパーインフレが起こっており、貨幣の価値が急落した経験があります。貨幣が無尽蔵に刷られると金の価値は相対的に高まることになります。

金(ゴールド)の値動き

 金の値段は基本的に上がり続けています。

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出典 楽天証券

 ・1897年(明治30年) 67銭

 ・1945年(昭和20年) 4円80銭

 ・1973年(昭和48年) 1160円

 ・2000年(平成12年) 1140円

 ・2021年(令和3年)  6897円

 ・2023年(令和5年) 10,100円 → NEW

 各年代の1グラムあたりの値段を確認すると、このように推移しています。1990年から2000年まではボックス相場のように値段が変わっていませんが、2004年あたりからははっきりとした上昇傾向にあります。

 金は安全安定の資産と言われていますが、チャートを見るとかなり値動きがあることがわかります。これは、インフレの影響を多分に受けているからですね。

金と株式の相関性

 次に、金と株式の相関性について確認していきます。

出典 Googlefinance

 GLD(金ETF)、VOO(米国株式)、TOPIX(日本株式)の直近5年間のチャートです。

 債券や金は株式と負の相関関係があると言われることがありますが、このチャートを見ると、GLDとVOOははっきりと相関関係があるとは言い難いですね。しかし、GLDとTOPIXは負の相関関係と言っても良いような値動きをしています。

 次にGLDについて軽く触れておきます。

 ・運用開始 2004年11月18日

 ・総資産 557億ドル(2024年9月1日時点)

 ・経費率 0.4%

 ・5年トータルリターン 9.67%

 ・分配金 無し

 主なデータはこのようになっています。公務員や会社員が金を投資対象とすると考えた場合、貴金属店で直接金を買い付けるよりも、このようなETFで代用する方がよいですね。管理面や流動性で優れているからです。

 金の最大の特徴としては、保有しているだけでは資産を生み出すことがないということです。

 ・需要と供給のバランスによってのみ値動きする

 ・金自体が価値を高めていくわけではない

 このような資産クラスであるため、分配金などを生み出すことはないということです。

投資家として価格の推移を確認しておく必要はあるが・・・

YOHの考え

 金への投資をGLDへの資産投下と考えた場合、属性によってはポートフォリオに組み込むことを検討してもよいかもしれません。

 ・一定の価値が担保されている

 ・経費率(0.4%)と許容範囲内

 ・管理、運用の手間がかからない

 このようなメリットがあるからですね。一方で、金投資自体にはデメリットも存在します。

 ・金自体が価値を高めることはない

 ・需要と供給のバランスによってのみ価値が上下動する

 ・配当金を生み出すわけではない

 ・思ったよりも値動きがある

 ・為替の影響を受ける

 このようなデメリットをどのように考えるかは個人の価値観によるところが非常に大きいということです。

 私は金をポートフォリオに組み込むことは、今のところ考えていません。

 ・金自体が価値を高めていくわけではない

 ・配当金を生み出さない

 ・極端な貨幣価値の下落は起きそうにない

 ・日本円をそれなりに信用している

 リスク資産と見た場合は、需要と供給のバランスによってのみ値動きするものであり、安全資産見た場合、日本円を基軸通貨としていることが資産投下しない理由となります。

 しかし、今後、金をポートフォリオに組み込むことは十分に考えられます。

 ・日本円の価値が下落していく

 ・極端なインフレ、デフレ傾向が見られる

 安全資産を現金のみとしていた場合、このようなことに対処できない可能性があるからですね。

 しかし、現在値段が高騰しているからと言って、リスク資産の一環として金に資産投下することはおすすめしません。

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出典 株式投資第4版 ジェレミー・シーゲル

 過去の値動きから見ても、リスク資産として適しているのは株式であることは明らかです。

 ・株式 > 債券 > 金 > 現金

 リスク資産の序列としては、このようになるということです。そして、安全資産としては、順序が逆になるということですね。(債券と金の順序は考えによってことなります)

 安全資産の一部としてポートフォリオに組み込む余地はある。このようなスタンスで金について考えておくべきだというのが、私の考えです。

 ご覧いただきありがとうございました。

 債券投資についてはこちらで記事にしています。私は資産規模が小さい間は債券をポートフォリオに組み込む必要はないと考えています。

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 株式以外のリスク資産としては不動産ですね。REITは分散投資の一角として持つことを検討してもよいですね。しかし、REITに投資することと、現物不動産投資は別物です。

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 GLD以外にディフェンシブなETFとしてVDCやVHTがありますね。こちらも分散投資として検討してもよい銘柄ですね。

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