家計簿にのらない家計負担増加となるもの
2022年に入ってから食品や燃料といった、生活必需品の価格上昇が連日のようにメディアで取り上げられています。しかし、生活に直結しないようなものの値上がりはそれほどメディアで取り上げられることはありません。
しかし、負担が増加する金額で見れば、生活に直結しないようなものの値上がりの方が家計の負担増加になる場合があるということです。ずばり言ってしまえば、社会保険料や手当に関するものですね。
・雇用保険料
・児童手当
・国民健康保険料
2022年に入って負担増加となるものとしてこの3つが挙げられます。今回は負担増加になるこの3つについて順番に触れていきたいと思います。
雇用保険料
2022年に入って負担増加となるもののひとつ目が「雇用保険料」です。これは主に会社員にとっての負担増加となります。雇用保険は労働保険のひとつで、公的保険には様々な種類があり、その中のひとつが労働保険です。
・労災保険
・雇用保険
労働保険の種類は大きく分けてこの2つです。労災保険は仕事中にケガや病気になって働けなくなった場合に保険給付を行う制度です。労働者災害補償保険を省略した名称ですね。
これは、労働者の金銭的負担はありません。会社が労働者のために加入する保険です。
一方で雇用保険は失業や休業をした場合に保険給付を行う制度です。
・求職者給付
・就職促進給付
・教育訓練給付
・雇用継続給付
大きくこの4つに分けられますが、一番馴染みがあるのが求職者給付ですね。求職者給付は失業給付と言われており、90日~360日給付を受けることができます。
2022年4月~9月までは会社負担割合が前年から0.5%増加して0.65%、そして、2022年10月からは会社負担がさらに0.2%増加して0.85%、労働者負担が0.2%増加して0.5%となります。
雇用保険料増加の理由は、コロナ禍によって雇用調整助成金の負担が増加したためですね。
・月収 20万円 → 400円/月(年間4,800円)
・月収 30万円 → 600円/月(年間7,200円)
ざっくりと言えばこのような負担増加となるということです。平均的な年収で年間5,000~7,000円の負担増加になると考えれば少ない金額ではないですね。
児童手当の減額
2022年に入って負担増加となるもののふたつ目が「児童手当の減額」です。児童手当とは、中学校卒業まで(15歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の児童を養育している世帯に対して支給される手当です。
児童手当の総額は1人あたり198万円になります(第3子以降は252万円)。子育ては非常にお金がかかるので、国がそれを支援してくれる制度ということです。しかし、一定の所得水準以上の方は支給額が減額されてしまいます。
今まではこのような所得水準であれば児童手当は月に5,000円支給されていたのですが、2022年10月からは夫婦いずれかの年収が1,200万円以上であれば、児童手当は支給対象外となります。
・夫 年収1,200万円 妻 専業主婦 → 児童手当給付対象外
・夫 年収800万円 妻 年収600万円 → 児童手当給付対象
世帯年収ではなく、収入が多い方が1,200万円を超えている場合なので、共働きで世帯年収が1,200万円以上でも支給対象となる場合があります。
国民健康保険料の増加(高所得者)
2022年に入って負担増加となるものの3つ目が「国民健康保険料の増加」です。これは会社員ではなく、自営業者の方の負担増加となるものですね。
・公務員、会社員・・・健康保険
・自営業者・・・国民健康保険
公的保険の加入状況はこのようになっており、今回負担増加となるのは国民健康保険料です。国民健康保険には様々な保険機能が備わっています。
・医療費が原則3割負担
・国民障害年金
・国民遺族年金
このような保険機能ですね。一方で、健康保険にある出産手当や傷病手当などの保険機能はありません。保険機能に関しては公務員や会社員の加入する健康保険の方が手厚いということです。
2022年度からは単身で年収1,140万円以上の世帯の年間保険料が3万円引き上げられることになります。医療分の上限が82万円から85万円に増額されるということです。この理由は国の医療費が増加しているためですね。
※実際には、市町村が改定しなければ実際の賦課限度額は変わらないので、来年度も医療分が82万円のままのところもあります。
しかし、いずれは遅かれ早かれ市町村が保険料を改定することは決定的です。そのため、自営業者の高所得者にとっての負担増加となるということです。
YOHの考え
2022年になって家計簿にのらない家計負担増加となるものについて触れてみました。
・雇用保険料
・児童手当
・国民健康保険料
この3つが家計負担増加となるものですが、このような負担増加に該当しない方も多くおられます。
・若い独身の公務員
・フリーランスで年収1,000万円ほど、こども無し
このような方は雇用保険、児童手当、国民健康保険料の制度改正の影響を受けることはありません。しかし、手当や社会保険料の負担額は年々負担が増加していくようになっています。
・介護保険料の増額
・年金保険料の増額
・他の手当の減額
このようなことは段階的に訪れることは間違いないということです。今は一部の高所得者が狙い撃ちされていますが、今後は年収制限がどんどんと引き下げられていくということです。
・給料は増えない
・社会保険料などの引かれる額は増加する
・生活必需品の値段が増加する
日本はこのような経済状態になりつつあるということです。しかし、わかりにくい箇所から徐々に負担増加しているため、負担増加を感じにくいのですね。
児童手当を例に見ても、もともとは0歳児から控除が認められていた年少扶養親族控除が廃止された代わりにできた給付制度です。
過去の年少扶養親族控除の方が家計の金銭的なメリットは大きく、こどもに関する手当は年々減額されているということです。
※それでも、YOH家は娘3人なので児童手当に関しては非常に助かっています。
社会人は、このこと対してしっかりと向き合う必要があるということです。そして、対策を講じていかなければならないと私は考えています。ご覧いただきありがとうございました。
2022年の年金法改正についてはこちらで記事にしています。
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