YOH消防士の資産運用・株式投資

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投資信託の時価総額ランキングから見る長期投資のセンスについて

投資信託

 20年以上の期間をかけて資産を増やしていく長期投資では、資産投下する金融商品についてはある程度答えが出ています。

 ・投資信託

 ・ETF

 このどちらかということです。appleやMicrosoftといった個別株ではないということです。その理由は分散性ですね。

 ・1つの銘柄に集中投資することはハイリスクハイリターン

 ・リターンが同じならより分散されているものに資産投下する

 このような理由から、長期投資において個別株をコアに置くことは理にかなっていないということです。コアに置くのは投資信託かETFのどちらにするのかは好みによって分かれるところですね。

 ・資産投下のしやすさ、管理のしやすさは投資信託

 ・ランニングコストはETF

 多くの違いはありますが、大きな違いはこの2点だと私は考えています。そして、投資初心者には投資信託の方がよいですね。リアルタイムの値動きが無く自動で積み立てることができるからです。

 しかし、日本で購入できる投資信託は5000本近くあり、商品設計が非常に複雑なものが数多くあります。そんな時にひとつの指標となるのが、投資信託の時価総額です。時価総額が多い投資信託=人気がある投資信託と考えてよいからですね。

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出典 アセットマネジメントONE

日本で最も純資産額が多いファンドとは

 2022年3月末時点で日本国内公募の株式投資信託で時価総額1兆円を超えるものは4本あります。

 ・アライアンス・バーンスタイン・米国成長株Dコース・毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型・・・(1兆8000億円)

 ・eMAXSIS Slim 米国株式(S&P500)・・・(1兆1000億円)

 ・グローバルESGハイクオリティ成長株ファンド(為替ヘッジなし)・・・(1兆200億円)

 ・ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)・・・(1兆円)

 その4銘柄とはこのような投資信託です。1位の「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株Dコース・毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」は最も総資産額が多いということは、それだけ人気があり、多くの方が購入しているということです。

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出典 日本経済新聞

 しかし、1位の「アライアンス・バーンスタイン米国成長株投信・・・」は長期投資の観点で見ればおすすめできる投資信託ではありません。

 ・ランニングコストが高い(年1.727~1.9%)

 ・アクティブファンドで毎月分配型

 ・分配金利回りは高い(年利25%)だが、純資産を取り崩して還元している

 このような特徴があるからですね。アクティブファンドで毎月分配型だからおすすめできないのではなく、純資産を取り崩して分配金を出す仕組みを取っていることが長期投資には適していないということです。

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出典 アライアンス・バーンスタイン米国成長株投信目論見書

長期投資における優良な投資信託の条件とは

 20年以上かけて資産形成を行う長期投資において資産投下対象となる投資信託はいくつかの条件を満たしておく必要があります。

 ・ベンチマークが長期的に右肩上がりであること

 ・十分に銘柄分散されていること(少なくとも100銘柄以上)

 ・分配金再投資型を選択できること

 ・ランニングコストが低額なインデックスファンドであること

 ・償還リスクが低いこと

 ・時価総額が500億円以上

 ・つみたてNISA、iDeCoの選択可能商品、またはそれらと遜色がないこと

 基本的にはこれらの条件を満たしておく必要があると、私は考えています。そして、このような投資信託は非常に少ないということです。

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出典 日本経済新聞(一部編集)

 国内投資信託の時価総額ランキングを見て、これらの条件を満たしているのは、2位、12位、13位、19位の4つだけだというのが私の印象です。

 ・eMAXSIS Slim米国株式(S&P500) 1兆1,650億円

 ・楽天全米株式インデックスファンド 5,550億円

 ・SBI・V・S&P500インデックスファンド 5,496億円

 ・eMAXSIS Slim全世界株式(オールカントリー) 4,923億円

 それぞれの時価総額を確認するとこのようになっています。非常に高額ですが、1位のアライアンス・バーンスタイン米国成長株投信Dコースと比較すると見劣りすることが分かりますね。

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投資信託は時価総額が高いものがよいものとは限らない

YOHの考え

 投資信託の時価総額ランキングを見ると、優良な商品が最も売れているわけではないということがわかります。長期投資の観点から見れば、時価総額が高い投資信託の多くは長期投資向きではないことは明らかです。

 しかし、長期投資不適格な投資信託が資産投下に値しない投資信託ということではありません。

 ・短期的に見れば多くの分配金を出す

 ・短期的に見れば大きな値上がりが期待できる

 このような特性を持った投資信託が含まれているからですね。そのような特性を理解して、時価総額の高い投資信託を購入している分には何も問題もありません。目的と手段が合っているしっかりとした資産運用ができているということです。

 しかし、長期的に資産を増やす目的でそのような投資信託に資産投下しているとすれば、それはよい資産運用とは言えないということです。そして、多くの方がそのような目的と手段が一致していない資産運用をしている可能性があるということです。

 ・長期投資に適した優良な投資信託を見つけて資産投下する

 公務員や会社員投資家でこのような資産運用ができている方は非常に少なく、できている方は非常にセンスのある資産運用をしてているということです。

 ・長期投資において優良な投資信託を見つけることができている

 ・優良な投資信託に資産投下できている

 ・長期投資に置いて優良な投資信託の特性を理解している

 時価総額ランキングなどの派手な情報に惑わされずに、このような資産形成ができている方は、長期投資のセンスが非常にある、と私は考えています。ご覧いただきありがとうございました。

 長期投資ではコアサテライト戦略を取ってもよいですね。

fire-money.hatenablog.com

 金融資産が増加した際に長期投資家がすべきことについてはこちらで記事にしています。

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 長期投資とつみたてNISAは相性がよいですね。

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