厚生年金
公務員・会社員は厚生年金に加入しています。
・年収600万円(標準報酬月額44万円)
・厚生年金掛金48万3210円/年
・65歳からの受給額約121万円/年
平均的な公務員はこのような掛金と支給額になりますね。厚生年金は国民年金とは異なり、年収が多ければ掛金は多くなり、支給額も多くなります。そして、厚生年金の最大の特徴は労使折半ということです。
厚生年金は労使折半
厚生年金は雇用主と従業員が半分ずつ掛金を負担しています。
労使折半していることから、厚生年金は得と考えられています。厚生年金は払い損と言われていますが、内部収益率で考えれば、80歳でプラスになります。
・国民年金よりも手厚い保障
・労使折半
このことから、厚生年金はメリットの大きい保険商品であると考える方も少なくありません。しかし、これは本当に得なのか?ということです。
公務員・会社員は税と社会保険料の負担が大きい
公務員・会社員は大金持ちになれないと言われています。実際に働いていると、確かに大金持ちにはなれないと感じます。その理由は、税と社会保険料の負担が非常に大きいからですね。国民年金は収入に関わらず掛金と支給額は一定です。
・支払総額810万円(40年間)
・平均寿命で約1,500万円受給
国民年金はこのように、極めて高いリターンが期待できる保険商品です。これは、国民年金は納めないという選択が可能であるからですね。そのため、どのような状況になっても、確かなリターンが出るように保たれることは間違いありません。
国民年金がお得な保険商品であることを保つには、厚生年金で補填する必要があるということです。厚生年金は公務員・会社員は強制加入なので、加入者はどうすることもできないのですね。
この社会保険料は公務員・会社員にとって非常に大きな負担で、蓄財が進まない原因の1つであると言えます。
労使折半をどう考えるか
厚生年金の労使折半分をどのように考えるかで、年金制度に対する見方は変わってきます。
・労使折半の会社負担分は人件費の一部
・労使折半分は本来もらえる給料から引かれている
このように考えると、厚生年金は保険商品として優れているとは言い難いものになりますね。毎月8万円の社会保険料を払っているとすると、4万円は雇い主が払ってくれていることになっています。しかし、雇い主が払っている4万円は本来は従業員がもらえるものではないのか、ということです。
社会保険料があるせいで、従業員の給料が本来よりも下がっていると考えることもできるのです。
年収600万円の公務員・会社員の実質税負担
労使折半分を本来もらえる人件費と考えると、税負担の考え方は変わってきます。
・所得税
・住民税
・社会保険料
公務員・会社員はこの3つを給料から負担しています。年収600万円の公務員・会社員で考えてみます。
・年収600万円
・社会保険料86万円(雇い主負担86万円)
・所得税、住民税29万円
・負担合計115万円
年収600万円の公務員・会社員で考えると、所得税、住民税の負担は少なく、社会保険料の負担が大変大きいことがわかります。年収の約20%が社会保険料ですね。
そして、労使折半分を自分の人件費として考えると、社会保険料はさらに増加します。
・年収686万円(会社負担分が給料支給と考えるので年収は増額する)
・社会保険料172万円
・所得税、住民税29万円
・負担合計201万円
こう考えた場合、年収の30%が社会保険料と考えることができるのです。
公務員・会社員の社会保険料は8,230万円
公務員・会社員の生涯年収は2億円~3億円と言われています。平均年収650万円で38年間働いた場合、生涯年収は2億4700万円です。実質の社会保険料を30%と考えると、生涯で納める社会保険料は8,230万円になります。(20%と考えると、4,940万円です)
いずれにしろ、公務員・会社員は非常に高額な保険商品に強制加入しているということです。大切なことは、このことを自覚する必要があるということです。
・厚生年金という高額な保険加入しているのにさらに民間保険に過剰に加入する
・社会保険制度への理解が著しく乏しい
このようなことは、人生設計する上でイマイチですね。新築一戸建マイホームに匹敵するお金がかかっている厚生年金についてよく考えて、理解を深めることが蓄財する上ではかかせません。
公務員・会社員は膨大な社会保険料を納めているということをしっかりと受け止めなくてはならないのですね。ご覧いただきありがとうございました。
年金法改正についてはこちらで記事にしています。
高年収会社員や公務員の税金についてはこちらで記事にしています。