YOH消防士の資産運用・株式投資

消防士の資産運用、株式投資、仕事について紹介しています。

高所得世帯ほど資産運用をしなければならない

高所得者

 国税庁の統計データによると、日本の平均年収は461万円となっています。

 ・男性 567万円

 ・女性 280万円

 男女の差はこのようになっています。男女差があるのは、女性の中にはパートタイムジョブの割合が多いからですね。会社員、公務員などの給与所得者というくくりで考えれば、男女差は少なくなりますね。その中で、高年収の世帯は高所得世帯と言われています。

 高所得者とは、しっかりとした金額の定義がありません。私は、平均年収や税制、社会保険制度から考えて、年収850万円以上が高所得者と考えています。

 ・年収850万円 遺族厚生年金の支給対象外

 ・年収960万円 児童手当の支給対象外

 このようなことが年収によって制限を受けるからですね。

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出典 厚生労働省ホームページ

高所得者ほど支出が多くなる

 年収850万円世帯の手取りは属性によって変わりますが、概ね620万円~650万円です。生活費をボーナスで補填することを考えると、月に50万円以上使うことができますね。月に50万円使う生活というのは、一般的に見て、かなりの金銭的余裕がありますね。

 ・家賃15万円のマンション

 ・月に何度も豪華な外食

 ・ハイグレードの車を所有する

 ・最新家電を買いそろえる

 このようなことが可能な年収です。高価な住宅には高価な家具や家電、ハイグレードな車が求められるので、年収が上がることに比例して、生活水準が高くなるのが一般的です。

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出典 攻めの家計簿

 しかし、会社員、公務員のこの豪華な生活は、給料と言うキャッシュフローによって支えられているのです。定年退職して、このキャッシュフローがなくなれば、生活を維持していくのは、年金と預貯金が柱となります。

公務員・会社員高所得者の年金受給額

 年収850万円世帯の厚生年金受給額はどのような金額になるかについて触れてみます。

 【年収850万円・妻が専業主婦・65歳で年金受給の場合】

 ・年収850万円(手取り620万円、月51.6万円)

 ・国民年金 78万円

 ・厚生年金 152万円

 ・妻の厚生年金 78万円

 ・世帯合計年間308万円

 年収850万円世帯が定年退職した場合、年間のキャッシュフローは308万円になります。月に使える金額は25.6万円ですね。

 現役時に月に50万円以上使うことができていた世帯が、定年退職して給料のキャッシュフローが無くなると、半分ほどの生活費で暮らす必要があるということです。

 ・50万円(現役時の支出)-25.6万円(年金受給額)=24.4万円(不足金額)

 退職金を考慮しても、月に24.4万円が不足する生活は長く続けることは現実的ではないですね。日本人の平均寿命を考えると、亡くなる前に生活が破綻することは避けられそうにありません。

 ・24.4万円(月の不足金額)×12か月=292.8万円(年間不足額)

 退職時に2,000万円、退職金が1,000万円、計3,000万円の資産があったとしても、現役時と同じ生活をするなら、10年で資産が枯渇してしまいます。

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出典 厚生労働白書

年収が少ないと厚生年金受給額との差が小さい

 年収が少ない場合、現役時に豪華な暮らしをすることは難しいですが、厚生年金受給額で見た場合、定年退職後と生活水準の差は少なくなります。

 【年収400万円・妻が専業主婦・65歳で年金受給の場合】

 ・年収400万円(手取り315万円、月26.25万円)

 ・国民年金 78万円

 ・厚生年金 88万円

 ・妻の厚生年金 78万円

 ・年間受給額 244万円(月20.3万円)

 ・年金との差 315万円-244万円=71万円

 ・現役時と同じ生活をするなら、年間71万円、月5.9万円が不足

 年収400万円世帯の場合、年金受給後は月20.3万円で生活する必要があります。現役時の総支出が月26.25万円ということを考えると、現役時に月5万円貯蓄していれば、定年退職後の生活水準は、現役時とそれほど変わらないということです。

 まとめると、以下のようになります。

 ・年収850万円世帯

 ・現役時の手取り 年間600万円(月50万円) 

 ・厚生年金受給額 年間308万円(月25.6万円)

 ・月に24.4万円(年間292.8万円)のお金が不足する

 

 ・年収400万円世帯

 ・現役時の手取り 年間315万円(月26.25万円)

 ・厚生年金受給額 年間244万円(月20.3万円)

 ・月に5.9万円(年間71万円)のお金が不足する

 貯蓄などの資産形成を行わずに、収入を全て使うような生活をしているのであれば、年収の多い世帯の方が老後生活は苦しくなるケースが多いということです。

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年収が多い世帯ほど、資産を適切に管理しなければならないということ。

YOHの考え

 前述しましたが、年収の多い世帯ほど支出が多くなりがちです。会社員・公務員は年齢と比例して年収が上がるので、年収が低い時(若い時)に我慢していた浪費を40代~50代にかけてしてしまいがちですが、それはやめておいた方がよいということですね。

 ・若い時は収入の全てを生活費や浪費に使う

 ・40代からは貯蓄をしていく

 このように考えることも、おすすめはできません。年齢を重ねてからの資産運用は、若い時からのそれと比較して難易度が上がるからですね。

 ・若い時から貯蓄と投資をしておく

 ・40代で老後資金に目途がついたら、少しずつ贅沢をしていく

 会社員・公務員が金銭的に困らない人生を送るには、このぐらい保守的である必要があると私は考えています。そして、生活水準を上げることは段階を経て行う必要があります。誰しもがそうですが、一度上げた生活水準というのは落とすことができません。

 ・家賃15万円のマンションから家賃4万円のアパートに引っ越す

 ・保有していた車を手放してカーシェアリングを使うようにする

 このようなことは、多くの世帯にとって苦痛を伴うということです。そして、年金受給額についても注意が必要です。

 今回計算した年金受給額は現時点でのもので、今後、受給額や受給開始年齢が変更されることはほぼ間違いないからですね。

 ・年金受給額は現水準の70%

 ・年金受給開始年齢は70歳が基本

 このようになると私は考えています。それならば、今回のシミュレーションよりも、老後資金は厳しく見積る必要があるということです。

 人生において今の生活が一番大切なのは間違いありませんが、今を楽しむには、老後の憂いを無くしておくこともまた、大切です。

 大切なのは、数字とエビデンスに基づいた現状認識です。年金受給の現状認識をすれば、貯蓄と資産運用はしなければならないことだと、私は考えています。

 しっかりと資産構築して今と老後を楽しく生きる。そのためには今から準備しておく必要があると私は考えています。

 ご覧いただきありがとうございました。

 年金についてはこちらで記事にしています。おおよその年金受給額は頭に入れたおいた方がよいですね。

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夫婦での資産運用はこちらで記事にしています。老後生活を最も安定させる手段のひとつが夫婦で厚生年金を受給することです。

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 年金の3階部分としてiDeCoはやっておいた方がよいですね。制度変化はしていきますが、自分自身で年金を作ることができます。

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