住宅ローン
住宅購入をする際、ほぼ全ての人はローンを組むことになります。
・年収を遥かに超える金額
・一括で用立てることが難しい
住宅購入にかかるお金というのは、このような特性があるためですね。
そして、住宅ローンでよく言われるのが、年収の○倍までなら返済することができるということです。
倍率は組む方の仕事や属性によって異なるのでしょうが、会社員や公務員であれば、6~8倍と考えている方が多いですね。
・収入が安定している
・月々ローンを返済してもそれなりに生活することができる
このようなことから、6~8倍の住宅ローンを組むということです。
しかし、住宅ローンを組む際には考えておく必要があることがあります。
住宅ローンを組む際に考えておくことは以下の2点です。
・住宅ローンは債務だということ
・現在の状況がそのまま続くわけではない
順番に触れていきます。
住宅ローンは債務だということ
住宅ローンを組む際に考えておくことのひとつ目は「住宅ローンは債務である」ということです。
・住宅ローンを組んで一人前
・住宅ローンは必ず返済できる
・住宅ローンを組んで購入した家は資産
このような考え方をされる方が一定数おられますが、これは必ずしもそうではないということです。
もし、これが正しいのであれば住宅ローン破綻する人はいなくなるからですね。しかし、現実では住宅ローンで困っている人というのは少なからず存在しています。
その大きな理由は住宅が資産となるケースが少ないからですね。
金銭的な面において資産になるものとは明確に定義されています。
・保有しているだけでキャッシュフローを得ることができるもの
・購入した時よりも価値が上昇するもの
この2つが金銭的な面における資産の定義ですが、住宅というのはこの2つのケースに当てはまることが非常に少ないということです。
特に、新築一戸建てにおいては購入時よりも価値が上昇することはほとんど無いと考えておいてよいですね。
それは、住宅を建てて購入するまでに様々な業者の利益が上乗せされるからです。
・不動産会社の仲介手数料
・建築業者の施工費用
・下請け、孫請けの利益
・建材業者の利益
他にも挙げるとキリがないですが、このような様々な利益が上乗せされた分を購入者が負担する必要があるからです。
そのため、購入した直後に売却しても買値で売ることができないというケースが大半であるということです。
このように考えると、住宅購入というのは現在の資産保有額では購入することができないものを借金をして購入する、という行為であるということです。
現在の状況がそのまま続くわけではない
住宅ローンを組む際に考えておくことの2つ目は「現在の状況がそのまま続くわけではない」ということです。
住宅ローンというのは一般的に30年以上の返済期間を取ることになりますが、組む際には現在の状況というのをベースにして考えることになります。
・現在の年収が500万円
・ボーナスは年間100万円
・定年退職までは既定路線となっている
このようなケースであれば、3,000万円~4,000万円の住宅ローンを組むことをおすすめされるということですね。
しかし、どのような職業や属性であっても現状がそのまま続くことは保証されていないということです。
・会社や自治体が破綻する
・怪我や病気によって働けなくなる
・離婚する
このような誰にでも起こり得ることによって、仕事における収入や家庭の支出というのは簡単に変化するものだということです。
YOHの考え
今回は住宅ローンを組む際に考えておくべきことについて触れてみました。
・住宅ローンは債務だということ
・現在の状況がそのまま続くわけではない
住宅ローンについては、考えておくべきことは非常に多いですが、この2つは特に考えておいた方がよいですね。
私自身は公務員として15年以上働いていますが、定年退職まで身分が保障されているとは考えていません。
・病気
・仕事上のトラブルに巻き込まれる
このようなことがあれば、職を失うことは十分に考えられるからですね。そして、このようなことは給与所得者であれば、どのような仕事においても同じであるということです。
そのため、自分の収入や貯蓄額を超えるような大きな買い物をする際には、慎重に慎重を重ねて行う必要があるということです。
その最たるものが住宅ですね。
・借入金額 3,500万円
・金利 0.45%
・返済期間 35年
このような住宅ローンを組んだ場合、毎月返済額と総返済額は以下のようになります。
・月々 9万円
・総返済額 3,800万円
これなら、年収が500万円あれば無理なく返済できそうに感じますが、「現在の収入が35年間継続する」という前提条件をクリアしておく必要があります。
当たり前ですが、現在の収入状況が35年間保障されているような仕事というのは存在しません。
そして、人生においてかかる支出というのは一定ではありません。
・思わぬ形で支出を増加させる必要がある
・大きな金額を一括して用立てる必要がある
このようなことが、人生において往々にしてあるということです。
住宅を所有するということは、人生を豊かなものにしてくれる可能性があります。
しかし、人生を不幸にしてしまう可能性があるものでもあるということです。
・住宅ローンを返すだけの人生
・常に住宅ローンのことを考えて生活をする
このようなことが不幸かどうかは人それぞれでしょうが、人生における選択肢を狭めてしまうことは確かです。
・病気を押してまで働く
・嫌な仕事を定年退職後も続ける
このようなことにならないために、住宅ローンを組むのであれば、慎重に慎重を重ねて行動する必要があると、私は考えています。
ご覧いただきありがとうございました。
住宅展示場に行った際の違和感についてはこちらで記事にしています。
公務員であっても、長期に渡って収入が保証されているわけではないですね。
住宅購入=新築一戸マイホームというのは過去のものとなっていますね。