SBI・i シェアーズ・米国バランスファンド
2月18日にSBI証券から新たなファンド「SBI・i シェアーズ・米国バランスファンド」の募集開始が発表されました。
・2022年3月7日から買付開始(予定)
・ブラックロック社のETFを活用
・2資産均等型(i シェアーズ・コア S&P500 ETF、i シェアーズ・コア米国総合債券市場 ETF)
・資産配分は米国株式50%、米国総合債券50%
・均等割合投資
・経費率は0.0978%~0.0998%
SBI・i シェアーズ・米国バランスファンドの主な概要はこのようになっています。SBI・Vシリーズと同様に、ETFを投資信託として購入できる金融商品と考えておいてよいですね。
中身のETFの「i シェアーズ・コア S&P500 ETF」はIVV、「i シェアーズ・コア米国総合債券市場 ETF」はAGGですね。これに時価総額均等荷重ではなく、単純に50%ずつ資産投下していく投資信託ということです。
相性は「まるっと米国」とされているとおり、この投資信託を購入すれば、米国大型株式と米国総合債券に資産投下することができるということです。
i シェアーズ・コア S&P500 ETF
SBI・i シェアーズ・米国バランスファンドが資産投下対象としている「i シェアーズ・コア S&P500 ETF」ティッカーIVVについて触れておきます。IVVは米国大型株式ETFです。
・運用会社 ブラックロック社
・設定日 2000年5月
・ベンチマークはS&P500
・総資産額 3165億ドル
・直近5年リターン 15.13%
・配当利回り 1.37%
・経費率 0.03%
主な概要と組入れ上位10銘柄はこのようになっています。細かな違いはありますが、バンガード社が販売するVOO、ステートストリート社が販売するSPYと同様のETFと言ってよいですね。
オレンジ色がIVV、青色がVOO、赤色がSPYの直近5年間チャートとなっています。3つの違いは無いと言ってよいですね。
・時価総額
・ベンチマーク
・組入れ銘柄
・チャート推移
・経費率
これらのことから考えて、非常に優良で資産投下に値するETFと考えてよいですね。
i シェアーズ・コア米国総合債券市場 ETF
次に、もうひとつの資産投下対象である「i シェアーズ・コア米国総合債券市場 ETF」について触れてみます。i シェアーズ・コア米国総合債券市場 ETFのティッカーはAGGで米国大型債券ETFです。
・運用会社 ブラックロック社
・設定日 2009年5月
・ベンチマーク バークレイズ米国総合指数
・総資産額 877億ドル
・直近5年リターン 2.64%
・配当利回り 1.76%
・経費率 0.01%
主な概要はこのようになっています。ベンチマークのバークレイズ米国総合指数というのが聞きなれないですね。
バークレイズ米国総合指数とは、バークレイズ・キャピタルが提供する米国債券指数で、米国において投資適格の格付け基準を有している債券などを対象としています。
・国債
・社債
・政府関連債
このようなものに資産投下しているということですね。
AGGの直近5年のチャートはこのようになっています。優良債券をベンチマークとしているだけあって、暴騰率は104%から120%の間で推移しており、値動きの少ない安定性が魅力のETFと考えてよいですね。
YOHの考え
SBI・i シェアーズ・米国バランスファンドの魅力は、この投資信託を積み立てていれば、米国大型株式と米国大型債券の両方に均等に資産投下できることにあります。
・株式 50%
・債券 50%
この割合はトリニティスタディの4%ルールの資産配分と同様ということで、非常に安定性があり、普遍的ということです。しかし、SBI・i シェアーズ・米国バランスファンドに資産投下するかと考えれば、しないというのが私の考えです。
・すでにS&P500を中心に資産投下している
・現時点で債券をポートフォリオに組み込む必要性がない
この2点から、SBI・i シェアーズ・米国バランスファンドには資産投下しないということです。
すでにS&P500を中心に資産投下している
投資を全くしていない方にとっては、SBI・i シェアーズ・米国バランスファンドは非常に有力な投資対象と考えることができます。
しかし、ある程度米国株式に資産投下している方にとって、さらに投資信託を購入してS&P500の割合を増やす必要性があまりない場合が多いのですね。
自身のポートフォリオに債券を組み込みたいのであれば、生債券やAGGなどの債券ETFを個別にトッピングした方がよいというのが私の考えです。
債券をポートフォリオに組み込む必要性がない
SBI・i シェアーズ・米国バランスファンドに資産投下しないもうひとつの理由は、「現時点で債券をポートフォリオに組み込む必要性がない」ということです。
オレンジがAGG、青色がIVVのチャートです。このチャートからわかるとおり、債券の暴騰率は株式に大きく劣後しています。
資産を守る段階になっているのでならば、債券をポートフォリオに組み込みことはあるかもしれませんが、資産形成段階であれば、債券をポートフォリオに組み込む必要性は低いというのが私の考えです。
資産形成段階においては、株式比率を高めにしてひたすら値上がり益を求めて行く方が資産増加効率がよくなる場合が多いのですね。そのための安全資産として保有するのは、債券ではなく現金のみでよいというのが私の考えです。
しかし、SBI・i シェアーズ・米国バランスファンドは非常に優良な投資信託であることに間違いはないですね。投資対象としているETF、IVV、AGGからみてもそれは明らかです。長期的に見て資産増加させてくれることは間違いないといってよい投資信託です。
ご覧いただきありがとうございました。
4%ルールについてはこちらで記事にしています。私は4%ルールについては懐疑的です。
安全資産は現金が最もよい、というのが私の投資方針です。
債券についてはこちらで記事にしています。