SBI・Vシリーズ
SBI証券から発売されている投資信託にSBI・Vシリーズがあります。
・SBI・V・S&P500
・SBI・V・全米株式
・SBI・V・米国高配当株式
・SBI・V・全世界株式
現在のラインナップはこの4つで、どの投資信託もETFをベンチマークとしていることが大きな特徴です。
・SBI・V・S&P500 → VOO
・SBI・V・全米株式 → VTI
・SBI・V・米国高配当株式 → VYM
・SBI・V・全世界株式 → VT
基本投資割合はいずれも100%なので、これらのETFを投資信託で購入している形になります。
SBI・Vシリーズは商品ラインナップが追加されていっており、一番新しいものは2022年1月に販売開始されたSBI・V・全世界株式インデックスファンドです。
そして、SBI・V・全世界株式インデックスファンドの2023年3月時点での時価総額は203億円となっています。
投資信託で時価総額が203億円と言えば、非常に大型であることは間違いないのですが、他のSBI・Vシリーズと比較すると見劣りしてしまいます。
・SBI・V・S&P500 8,118億円
・SBI・V・全米株式インデックスファンド 1,371億円
この2つと比較すると人気の面では大きく見劣りするということです。
そして、長期投資には不向きとされているSBI・V米国高配当株式インデックスファンドにも時価総額では劣後しています。
ずばり言ってしまえば、SBI・V・全世界株式インデックスファンドはSBI・Vシリーズの中で最も不人気であるということです。
しかし、不人気であるから商品設計が他のSBI・Vシリーズと比較して劣っており、資産投下に値しないかといえば、そうでは無いと私は考えています。
・SBI・V・全世界株式インデックスファンドについて
・SBI・V・全世界株式インデックスファンドは資産投下に値するか
今回は、この2点を中心に、SBI・V・全世界株式インデックスファンドについて触れてみたいと思います。
SBI・V・全世界株式インデックスファンド
SBI・V・全世界株式インデックスもすでに発売されているSBI・Vシリーズと同様に、ETFをベンチマークとした投資信託です。
・投資対象のETFはVT
・ベンチマークはFTSEグローバル・オールキャップ・インデックス
・経費率0.1338%(運用管理費用0.0638% 管理報酬0.07%含む)
・為替ヘッジ無し
・分配金再投資型
特徴としてはこのようになっています。
ベンチマークとしているFTSEグローバル・オールキャップ・インデックスは、全世界の大型株から小型株までを網羅しており、値動きに対して時価総額荷重平均型の株式指数です。
ETFのVTもこのFTSEグローバル・オールキャップ・インデックスをベンチマークとしています。
そして、同様のコンセプトで販売されている投資信託が「楽天・全世界株式インデックスファンド」です。
楽天・全米株式インデックスファンドもFTSEグローバル・オールキャップ・インデックスをベンチマークとしています。
・SBI・V・全世界株式インデックスファンド
・楽天・全世界株式インデックスファンド
・VT
これら3つは名称が異なっているだけで、中身は全く同様と考えておいてよいですね。
どれに資産投下しても、ほぼ同様のリターンを得ることができるということです。
わずかな違いを上げるのであれば、経費率に差があることです。
・SBI・V・全世界株式インデックスファンド 0.1338%
・楽天・全世界株式インデックスファンド 0.162%
・VT 0.08%
経費率はこのようになっており、VTを購入するのが、投資信託よりも0.05%ほどお得ということです。
SBI・V・全世界株式インデックスファンドの基準価格、時価総額の推移についてはこのようになっています。
基準価格はボックス相場の展開が継続しており、1万円~1.1万円を行ったり来たりしていますが、時価総額については順調に増加させていることがわかります。
・2022年3月 55億円
・2023年3月 203億円
このように、1年間で約148億円増加させており、順調な成長を続けていることがわかります。
YOHの考え
SBI・V・全世界株式インデックスファンドはSBI・Vシリーズの中では最も時価総額が低い投資信託です。
・SBI・V・S&P500 → 8,118億円
・SBI・V・全米株式 → 1,371億円
・SBI・V・米国高配当株式 → 220億円
・SBI・V・全世界株式 → 203億円
2023年3月時点での時価総額はこのようになっています。
上の3つとは販売開始時期が違っているので単純な比較はできませんが、最も人気のあるSBI・V・S&P500の時価総額が8,000億円以上であることを考えると、SBI・Vシリーズの中で人気があるとは言い難いですね。
しかし、SBI・V・全世界株式インデックスファンドはSBI・V・S&P500と遜色がないほど優れた投資信託だと私は考えています。
その理由は、分散性と安定性です
・S&P500
・全米株式インデックスファンド
この2つと比較して、VTをベンチマークとしているSBI・V・全世界株式インデックスファンドは分散性において優れているのですね。
そして、安定性においても、SBI・V・全世界株式インデックスファンドの方が優れています。
黄色がVOO、青色がVTの暴騰率です。どちらも同じような動きをしていますが、動きとしてはVTの方が少ないことがわかります。
ボラティリティが他の指数よりも少ないことはインデックス投資においては非常に有効です。
しかし、成長性においては、VOOやVTIをベンチマークとしているSBI・V・S&P500やSBI・V・全米株式に劣後しているということです。
SBI・V・全世界株式インデックスファンドは大型株から小型株まで全てを含んでいるため、S&P500のような厳選された企業だけを集めた指数と比較すると、成長性では劣後する傾向にあるということです。
そして、株式投資をする多くの投資家が望んでいるのは、リスクを取ってでもリターンを得たいということです。
・VTの成長性では物足りない
・長期的に見ればVOOの成長性が優れている
このような投資家にとっては、SBI・V全米株式インデックスファンドは投資対象にはなり得ないということです。
しかし、VOOではボラティリティが高くそれよりも安定性を求めるのであれば、SBI・V・全世界株式インデックスファンドは資産投下対象になり得るということです。
そのような資産運用の別の選択肢として使うことができるのが、今回のSBI・V全世界株式インデックスファンドです。
SBI・Vシリーズの最も大きな特徴はETFを投資信託で購入できることです。
・為替手数料を安くするためには、ドル転する必要がある
・リアルタイムでの値動きがある
・分配金再投資は自分でする必要がある
・分配金で1単位購入するためには、ある程度保有する必要がある
・少額から購入することができない
ETFにはこのような特徴があり、これらをデメリットと感じる投資家は投資信託を購入しています。
※一部の証券会社にはETF自動積立がありますが、それでも投資信託積立よりは手間がかかります。
しかし、このSBI・Vシリーズを購入すれば、ETFを購入していることになるということです。
・ETFは購入にデメリットが多いけど、VTに資産投下したい
このような投資家は、経費率の差に納得できれば、SBI・V・全世界株式インデックスファンドに資産投下を考えてもよいということですね。
また、全世界株式インデックスファンドを購入していないが、積み立ててみたいという方にとっては、一番最初の選択肢になるといってよいですね。
ここまで紹介しておいてなんですが、私自身はSBI・V・全世界株式インデックスに資産投下する予定はありません。
SBI・V・全世界株式インデックスファンドが登場する前から、楽天・全世界株式インデックスファンドで定期積立を行っているからですね。
・SBI・V・全世界株式インデックスファンド 0.1338%
・楽天・全世界株式インデックスファンド 0.162%
この2つの経費率の差あってないようなものですね。1,000万円保有していて、年間数百円~数千円差が出る程度です。
この差をどのように考えるのかは個人の価値観によるところですが、私自身は乗り換える必要が無いと感じているということです。
・SBI・V・全世界株式よりも経費率の安い投資信託は今後販売されない
・楽天・全米株式インデックスファンドに3,000万円以上資産投下している
・乗り換え作業が手間ではない
しかし、このような投資家は乗り換えて購入を検討してもよいということですね。(楽天・全米株式インデックスファンドに3,000万円資産投下できるのならば、VTを購入する方がよいと考えられますが・・・)
いずれにせよ、SBI・V・全世界株式インデックスファンドは非常に優良な投資信託であることは間違いないということです。
最も人気のあるSBI・V・S&P500とSBI・V・全世界株式インデックスファンドは時価総額にすると40倍の開きがあります。
しかし、時価総額が大きい投資信託が優れているわけではありません。
そして、時価総額が大きい投資信託が自分にとって適切な投資信託であるかどうかもわかりません。
投資信託積立で大切なことは時価総額や人気といったことに惑わされることなく、自分の資産状況やリスク耐性にあった金融商品を選択することです。
そして、多くの投資家にとって、SBI・V・全世界株式インデックスファンドは資産投下対象になり得る投資信託だと私は考えています。
ご覧いただきありがとうございました。
手数料面においてSBI・VシリーズはETFに劣っていますが、私はSBI・Vシリーズを積み立てることをおすすめします。その理由については、こちらで記事にしています。
SBI・Vシリーズでおすすめの投資信託についてはこちらで記事にしています。
2022年4月からは人気のETFが買い付け手数料が無料となりましたね。QQQ(Nasdaq100)や不動産ETFのIYRなどですね。
SBI・Vシリーズの中でSBI・V・高配当株式インデックスファンドだけは他の3つと毛色が違っていますね。長期積立投資向きではないというのが私の印象です。