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VTI・VOOよりもSBI・Vシリーズが優れている理由とは

SBI・Vシリーズ

 SBI証券が投資信託で最も力をいれているひとつが、SBI・Vシリーズです。

 ・SBI・V・S&P500

 ・SBI・V・全米株式

 ・SBI・V・米国高配当株式

 ・SBI・V・全世界株式インデックスファンド

 2022年1月末にSBI・V・全世界株式インデックスファンドが積み立て可能になり、SBI・Vシリーズはこれらの4本がラインナップされています。特に人気があるのはSBI・V・S&P500で、時価総額は7,000億円を超えています。

 ・SBI・V・S&P500 7,142億円

 ・SBI・V・全米株式 1,190億円

 ・SBI・V・米国高配当株式 199億円

 ・SBI・V・全世界株式インデックスファンド 170億円

 2023年1月7日時点での各SBI・Vシリーズの時価総額はこのようになっています。2022年3月に4つの総時価総額が5,000億円を超えて話題になりましたが、そこからも順調に時価総額を拡大させて、現在は8,000億円を超えています。

 SBI・V・シリーズがこれほど人気がある理由のひとつとしては、ETFを投資信託として購入できることが挙げられます。

 ・SBI・V・S&P500 → VOO

 ・SBI・V・全米株式 → VTI

 ・SBI・V・米国高配当株式 → VYM

 ・SBI・V・全世界株式インデックスファンド → VT

 このように、人気のETFを投資対象としているということです。しかし、投資信託という性質上、ランニングコストはETFと比較すると割高です。

 同じベンチマークを対象としているのであれば、手数料の安いものに資産投下する、というのがインデックス投資の原則です。

 そのため、SBI・Vシリーズに資産投下するならば、投資対象としているETFを買い付けた方がランニングコストは低く抑えられます。

 しかし、SBI・VシリーズはETFに直接資産投下するよりも優れている面が少なからずあります。そして、私はETFよりもSBI・Vシリーズをおすすめしています。

 ・手数料の影響が少ない

 ・売却時手数料がかからない

 ・少ない資金で投資可能

 ・分配金再投資

 SBI・VシリーズがETFと比較して主に優れているのは、この4点ですね。

 今回は、ETFよりも手数料が高いSBI・Vシリーズをおすすめする理由について、この4点を中心に触れてみたいと思います。

SBI・Vシリーズのランニングコストと手数料の影響

 まずは、SBI・Vシリーズと各ETFの手数料の差について確認していきます。

 SBI・VシリーズはETFをそのまま投資信託として販売しているため、ETFの経費率に投資信託の信託報酬などが上乗せされたものが実際の経費率となります。上乗せされている信託報酬は4つのシリーズで共通して0.0638%となっています。

 ・VOO・・・0.03%

 ・VTI・・・0.03%

 ・VYM・・・0.06%

 ・VT・・・0.07%

 これらに0.0638%を上乗せされたものがSBI・Vシリーズの実質的なランニングコストになります。VOO、VTIで考えるなら、SBI・Vシリーズを購入することによって、ランニングコストが3倍になるということです。

出典 SBI・V証券

 しかし、このランニングコストは資産規模が小さいうちはそれほど高額ではありません。

 ・1,000万円 × 0.03% = 3000円(VOOを直接買い付けた場合)

 ・1,000万円 × 0.0983% = 9830円(SBI・V・S&P500を購入した場合)

 1,000万円分のVOOとSBI・V・S&P500を購入した場合、手数料の差は6,830円となります。それは、非常に差が少ないと考えてよいですね。

 ・手数料1%以上

 ・購入時に手数料として1%かかる

 このような投資信託を1,000万円購入するのであれば、初年度は20万円、そこから保有しているだけで10万円のランニングコストがかかることになります。そして、そのような投資信託は珍しくありません。

 そのようなことと比較すると、SBI・VシリーズとETFの手数料の差である0.0683%はは非常に小さいと言ってよいですね。これが、ETFよりも手数料が高いSBI・Vシリーズが優れている理由のひとつ目となります。

売却時手数料がかからない

 ETFよりも手数料が高いSBI・Vシリーズが優れている理由の2つ目が「売却時手数料がかからない」ということです。

 証券会社によって異なりますが、ETFは売却時に手数料がかかることがデメリットとして挙げられます。

 ・0.495%

 ・上限22ドル

 SBI証券であれば、これだけの手数料がかかります。上限の22ドルというのは現在のドル円レート(1ドル130円)で考えると2,860円になります。そのため、なるべく手数料をかけないようにETFを売却するのであれば、上限の22ドルを意識する必要があります。

 しかし、上限の22ドル(2,860円)の手数料を意識してETFを売却するには、ある程度高額になります。

 ・50万円 × 0.495 = 2,475円

 50万円分のETFを売却した場合、手数料は2,475円になり、上限の22ドルには届きません。そのため、手数料を意識して売却するとなると、1回で100万円以上のETFを売却することを考えておく必要があります。

 ・10万円分売却する

 ・20万円分売却する

 このような規模で売買を行うのであれば、運用パフォーマンスに占める手数料の比率が大きくなるということです。

 しかし、投資信託であれば、売却時手数料はかかりません。手数料は気にせずに、任意の金額を好きなタイミングで売買できるということです。

出典 SBI証券

少額から投資可能

 ETFよりも手数料が高いSBI・Vシリーズが優れている理由の3つ目が「少額から投資可能」ということです。

 ETFと投資信託の違いのひとつに販売方法の違いがあります。

 ・投資信託・・・口数で購入

 ・ETF・・・単位数で購入

 このような違いがあるということです。投資信託であれば、口数で購入できるため、最低100円から購入することが可能です。

 ・100円で購入できる分の口数を購入する

 ザックリと言ってしまえば、このような買い方ができるということです。しかし、ETFは単位注文であるため、1単位いくらといった決められた金額で購入する必要があります。

 ・VOO・・・356ドル

 ・VTI・・・194ドル

 ・VYM・・・110ドル

 ・VT・・・88ドル

 2023年1月7日時点であれば、各ETFを1単位購入するのにこれだけの金額が必要になります。最も取引単位が安いVTであっても、88ドルを準備する必要があるということです。

 このハードルというのは、資産運用をしていく上で決して小さな金額ではないですね。

自動で分配金再投資してくれる

 ETFよりも手数料が高いSBI・Vシリーズが優れている理由の4つ目が「自動で分配金再投資してくれる」ということです。

 ・VOOなど・・・分配金を年4回もらうことができる

 ・SBI・Vシリーズ・・・分配金再投資

 VOOなどのETFとSBI・Vシリーズ(投資信託)には投資の含み益に関してはこのような違いがあります。そして、税制面で優れているのは分配金を再投資する投資信託です。

 ・米国で10%課税

 ・日本国内で20.315%課税

 ・税引後の金額が入金される

 ETFの分配金はこのように2重課税された後、分配金として手元に入ってきます。1万円の分配金があれば、7,000円ほどになると考えてよいですね。しかし、投資信託はファンド内で再投資するため、国内課税が無いのですね。

 ・米国で10%課税

 ・残りの金額はファンド内で再投資

 1万円の分配金があれば、9,000円を再投資できるということです。手元にキャッシュは入ってきませんが、再投資という面で見れば、ETFよりも大きな金額を使うことができるということです。

ETFと投資信託の選択は人によって異なるが、経費率のみで判断しない方がよい。

YOHの考え

 私はETFとSBI・Vシリーズを比較した場合、SBI・Vシリーズの方が使い勝手がよく、資産投下しやすいと考えています。

 ・手数料の影響が少ない

 ・売却時手数料がかからない

 ・少ない資金で投資可能

 ・自動で分配金再投資できる

 この4つが主な理由ですが、その他にも、「ドル転する必要がない」、「為替レートを考える必要がない」などの理由もあるからですね。まとめると、以下の図のようになりますね。

出典 SBI証券

 手数料というのは、資産形成において重要な要素です。資産規模が大きくなれば、手数料の差は軽視できない金額となるからですね。

 ・5,000万円 × 0.0638%(ETFと投資信託の手数料率の差) = 3.19万円

 投下資産が5,000万円になれば、小さな手数料率の差であってもこれだけの差が出るのですね。年間3.19万円というのは、小さな金額ではありません。

 しかし、ETFに5,000万円を資産投下できる投資家がどれだけいるかを考えると、多くの投資家にとっては、心配する必要はないですね。会社員や公務員にとってはなおさらです。

 ETFと投資信託を比較する際に最も目が行くところはランニングコストですが、実際にはそれ以外の部分もしっかりと考える必要があります。

 ・投資のしやすさ

 ・投下資産額

 ・資産運用の目的

 手数料に加えて、このようなことを加味して考える必要があるということです。そのように考えると、SBI・Vシリーズは手数料の増加に見合った商品設計がされているということです。

 「同じベンチマークを対象としているのであれば、手数料の安いものに資産投下する」というのは、長期積立投資において大切なことですが、手数料に見合ったメリットがあるのであれば、手数料分は支払う価値があるということです。

 ETFよりも手数料が高いSBI・Vシリーズが優れている理由とは、手数料の金額がメリットに見合っているということです。

 そのため、ETFと比較して、SBI・Vシリーズの0.0638%の信託報酬は高くない、というのが私の考えです。ご覧いただきありがとうございました。

 SBI・V・全世界株式についてはこちらで記事にしています。時価総額こそ少ないですが、資産投下する価値のある投資信託ですね。

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 SBI・Vシリーズの中で、SBI・V・高配当株式だけは毛色が違っています。ずばり言ってしまえば、長期投資には向いていないということです。

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 SBI証券からは債券と株式に50%ずつ資産投下する投資信託も販売されています。債権と株式を50%ずつというのは4パーセントルールの前提条件ですね。

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