- SBI・V・米国高配当株式インデックスファンド(年4回決算型)「SBI・VYM(分配重視型)」
- SBI・VYM(分配重視型)について
- SBI・VYM(分配重視型)とSBI・V米国高配当株式インデックスファンドの違い
- YOHの考え
SBI・V・米国高配当株式インデックスファンド(年4回決算型)「SBI・VYM(分配重視型)」
2024年1月30日にSBI証券からSBI・Vシリーズに新しい投資信託が加わりました。
それは、SBI・V・米国高配当株式インデックスファンド(年4回決算型)、通称「SBI・VYM(分配重視型)」です。
通称からわかるとおり、米国高配当ETFのVYMに投資する投資信託です。
しかし、SBI・VシリーズにはすでにVYMに投資している投資信託である「SBI・V米国高配当株式インデックスファンド」が存在します。
SBI・V米国高配当株式インデックスファンドは2021年の6月に運用が開始され、2024年1月29日時点で時価総額249億円を集めている投資信託となっています。
そのため、SBI・VシリーズにはVYMに投資をする投資信託が2本取り扱われることになります。
そして、この2本は同じものをベンチマークとしており、投資対象も同じですが、性質は異なっていると考えておいてよい投資信託です。
・SBI・VYM(分配重視型)について
・SBI・VYM(分配重視型)とSBI・V米国高配当株式インデックスファンドの違い
・SBI・VYM(分配重視型)が向いている投資家とは
今回は、SBI・VYM(分配重視型)についてこの3点を中心に触れてみたいと思います。
SBI・VYM(分配重視型)について
SBI・V・米国高配当株式インデックスファンド(年4回決算型)、通称「SBI・VYM(分配重視型)」は米国株式市場の高配当銘柄の動きを捉えることを目指す「FTSEハイディビデント・イールド・インデックス」に連動する投資成果を目標とする投資信託です。
FTSEハイディビデント・イールド・インデックスの特徴として挙げられるのは、REITを除く米国株式市場の高配当銘柄を時価総額平均加重で構成されていることです。
このように、ファミリーファンド方式をとっていますが、実質的な投資対象はバンガードが運用を行う「バンガード・米国高配当株式ETF」であるVYMとなっています。
SBI・VYM(分配重視型)大きな特徴としては、名称にあるとおり、分配金を重視していることですね。
分配金の払い出しは2月、5月、8月、11月の4回設定されています。
分配金の払い出しで注意しておきたいのは、VYMの分配金の払い出し方法と同じではないことです。
この図のように、投資信託の純資産を取り崩して分配金の払い出しが行われることになります。
そのため、投資対象のVYMの運用成績が振るわなくとも、分配金を出し続けてくれる可能性が高いということです。
これが、名前に分配重視型と付けている所以ですね。
しかし、投資信託の純資産を取り崩して分配金の払い出しが行われるということは、分配金を払い出す度に純資産が減少し、基準価格が下落するということです。
・投資対象の成績に関係なく分配金を出し続ける
・純資産が取り崩されるので、基準価格が下落する
SBI・VYM(分配重視型)はこのような特徴がある投資信託であるということです。
SBI・VYM(分配重視型)とSBI・V米国高配当株式インデックスファンドの違い
SBI・VYM(分配重視型)と既存のSBI・V米国高配当株式インデックスファンドの2つで大きな違いがあるのは、分配金の払い出し方法です。
・SBI・VYM(分配重視型)・・・純資産を取り崩して年4回の分配金を払い出す
・SBI・V米国高配当株式インデックスファンド・・・毎決算時に収益を分配して払い出す
2つの投資信託にはこのような違いがあるということです。これ以外の違いはないと言ってよいですね。
・投資対象 VYM
・ベンチマーク FTSEハイディビデント・イールド・インデックス
・ランニングコスト(年間0.1238%)
これらに違いがありません。そのため、分配金の有無以外にこの2つの投資信託に違いはないということです。
そして、投資対象やベンチマーク、ランニングコストに違いがなければ、運用成績に大きな違いが出ることも考えにくいですね。
投資信託でVYMを運用してなおかつ年4回の分配金の払い出しを受け取りたいのであれば、SBI・VYM(分配重視型)、収益に応じた分配金を求めるのであればSBI・V米国高配当株式インデックスファンドを選択すればよいということです。
YOHの考え
今回は2024年1月30日に新しくSBI・Vシリーズに加わるSBI・VYM(分配重視型)について触れてみました。
この投資信託は名前のとおり、米国高配当ETFのVYMを投資対象としており、年4回の分配金が払い出されることが大きな特徴です。
すでにSBI・VシリーズにあるSBI・V米国高配当株式インデックスファンドとの違いは分配金が純資産を取り崩すのは収益性に応じたものであるかの違いです。
私自身がこのSBI・VYM(分配重視型)を投資対象とするかと考えると、「現時点では投資対象にはしない」ということになります。
その最も大きな理由は積立投資には不向きだからですね。これは、収益分配をするSBI・V米国高配当株式インデックスファンドでも同様です。
VYMは米国高配当株式ETFとしては非常に優れた金融商品です。その優れている理由として挙げられるのは、長期的に安定した利回りの高い分配金を出し続けていることです。
分配金の金額は株価によって増減していますが、利回りは概ね3%ほどを維持してます。これは、構成銘柄によるところが非常に大きいですね。
このような時価総額が高く安定して配当を出す企業を中心に構成されていることから、VYMは年3パーセントと高い分配金を出し続けることができているということです。
しかし、成長性による値上がり益はそれほど期待することはできません。
VOO(S&P500)やQQQ(Nasdaq100)と比較すると、成長性が劣後していることは明らかです。
これは、VYMが出し続けている分配金を考慮しても、VOOやQQQには大きく劣後しています。
このように考えると、VYMというETFは定期的な積立投資をしていく金融商品ではなく、タイミングを見計らって、割安な時に大きく購入するような投資をする必要があります。
そして、それはVYMを投資対象としているSBI・VYM(分配重視型)でも同様であるということです。
・分配金の利回りが高い
・長期的な安定した分配金が期待できる
このような理由だけでSBI・VYM(分配重視型)に投資をするのは、投資家としては利益を大きく取り逃してしまう可能性があるということです。
長期的に安定した高い分配金というのは非常に魅力的ではありますが、株式投資において大切なことは、分配金と成長性による値上がりの両方を勘案して、利益を最大化させることです。
分配金と成長性による値上がりの片方だけにフォーカスするのはよい株式投資とは言えないというのが私の考えです。
しかし、SBI・VYM(分配重視型)が投資対象として不適格な金融商品であるかと言えば、そうではないですね。
現在の資産額をリスクを取って増加させる段階を過ぎているような、資産形成後期を迎えている方にとっては十分に投資対象となる金融商品です。
純資産を取り崩して分配金を出すという仕組み上、投資対象のVYMのパフォーマンスが悪くとも分配金を年4回払い出す可能性が非常に大きいからですね。
しかし、繰り返しになりますが、月々決まった金額を定期購入するような積立投資には不向きです。
・リスクを取って資産を増加させる必要がない
・成長性による値上がり益よりも安定した分配金が欲しい
・割安なタイミングを判断して、大きな金額で買い付けすることができる
SBI・VYM(分配重視型)はこのような投資家に向いている投資信託であると私は考えています。
ご覧いただきありがとうございました。
SBI証券から販売されているSBI日本高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)についてはこちらで記事にしています。
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SBI・VシリーズがETFよりも優れている理由についてはこちらで記事にしています。