死亡保障の平均生命保険金額
保険というのは人生において欠かすことができないものです。
・万が一の事故
・不測の事態
このようなことが発生した場合、金銭面において手厚い保障を受けることができるからですね。
人生におけるセーフティーネットであるということです。
しかし、保険をかければかえるだけよいかと言えばそうではないですね。保険に加入するのであれば、掛金が発生するからです。
そして、保障内容が大きくなればなるほど掛金も高額になります。
しかし、生命保険の死亡保障に関しては大きな金額をかけておられる方は少なくないですね。
自分に不幸があった時を考えて残された家族のためにと大きな金額をかけるということです。
公益財団法人生命保険文化センターの2022年度生活保障に関する調査によると、生命保険加入金額(死亡保障)の平均は957万円となっています。
・男性 1,373万円
・女性 647万円
男女別の平均はこのようになっており、男性に女性の倍近い死亡保障がかけられていることがわかります。
この死亡保障をどのように考えるかは世帯の状況によって変わりますが、私自身は適切とは言い難いと考えています。
その理由は、生命保険に関しては女性に多くかけておいた方がよいと私は考えているからですね。
・生命保険の死亡保障は何を基準に掛金を設定すればよいか
・生命保険は男性ではなく、女性に多くかけておいた方がよい理由
今回は生命保険の死亡保障についてこの2点を中心に触れてみたいと思います。
生命保険の死亡保障は何を基準に掛金を設定すればよいか
生命保険の死亡保障について基準のひとつとなるのが遺族年金です。
遺族年金は国民年金か厚生年金保険の被保険者、または被保険者であった方が亡くなった時に、その方によって生計を維持されていた遺族が受け取ることができる公的年金です。
・国民年金加入・・・遺族年金
・厚生年金加入・・・遺族厚生年金
遺族年金にはこの2つがあり、加入状況によって、いずれかまたは両方を遺族が受け取ることができます。
老齢年金と同様に、基本的には掛金の高い厚生年金加入者の遺族厚生年金の方が保障内容が手厚いと考えておいてよいですね。
そして、遺族年金は厚生年金加入者の配偶者(妻)なら特に手厚い保障が受けられます。
・厚生年金を納めていること
・残された配偶者の年収が850万円以下であること
この条件を満たした上で、高校生以下の子どもがいる世帯と厚生年金加入者の夫に先立たれた世帯が支給対象です。
詳細な支給額は複雑な計算が必要なので割愛しますが、ざっくりと100~160万円/年です。
・遺族基礎年金 年間78万円
・遺族厚生年金 年間38万円
・合計 116万円
こどもの人数によって変わりますが、この金額が生命保険の死亡保障の金額を考えるベースとなるということです。
極端な話をすれば、配偶者が死亡する前に、年間116万円で生活が維持できていたのであれば、生命保険の死亡保障は不要だということです。高額な生命保険を受け取らずとも現時点での生活水準が維持できるからですね。
しかし、年間116万円で生活することは一般的に考えて非常に難しいですね。特に、子どもがいる場合は不可能といってよい金額です。
そのため、足りない分を生命保険の死亡保障で賄う必要があるということです。
しかし、過剰なまでの生命保険の死亡保障は不要です。
・死亡保障5,000万円以上
・月30万円が30年間支払われる
具体的にはこのようなものですね。保障内容が手厚い分、月々の保険料が高く、家計を圧迫してしまうデメリットの方が大きいからです。
配偶者(妻)が亡くなった場合の保険
公的年金である遺族年金は生命保険の死亡保障の目安になりますが、注意しておきたいのは、配偶者(妻)に先立たれた場合の保障が薄いことです。
会社員や公務員(男性)は自分に対しての保険については、手厚く保険を掛けますが、配偶者(妻)の生命保険に関しては無頓着な方が多いです。
しかし、実際に保険を手厚くする必要があるのは、配偶者(妻)への保険です。
妻が亡くなった場合、子どもが高校を卒業するまでは遺族基礎年金と遺族厚生年金が支給されます。
支給額は約150万円/年です。その後は、遺族年金は支給されず、中高齢寡婦加算もありません。
会社員や公務員で妻に先立たれた場合は金銭的な保障は薄いということです。
さらに、子どもが小さい間は仕事をしながら子育てをする必要があります。親族の協力が得られる場合を除くと、ベビーシッターやホームヘルパーを雇う必要がありますが、遺族年金だけでは賄いきれません。
仕事をして子育て、家事をすることは体力的に非常に負担がかかりますが、金銭的にも非常に負担がかかります。こうなった場合の備えとして、妻の死亡保障は自分よりも多めに見積もっておく必要があります。
私は、妻の生命保険は夫よりも1,000万円~2,000万円多くかけておく必要があると考えています。
・世帯の金融資産が1,000万円以上ある
・妻には2,000万円の生命保険をかけている
このような場合であっても、こどもの人数や世帯の状況によっては、保障内容を手厚くしておく必要があるということです。
YOHの考え
今回は生命保険の死亡保障金額について考えてみました。
公益財団法人生命保険文化センターの2022年度生活保障に関する調査によると、生命保険加入金額(死亡保障)の平均は957万円となっています。
・男性 1,373万円
・女性 647万円
男女別の平均はこのようになっており、男性に女性の倍近い死亡保障がかけられていることがわかります。
そして、生命保険の死亡保障金額の基準となるのは公的年金のひとつである遺族年金です。
・遺族基礎年金 年間78万円
・遺族厚生年金 年間38万円
・合計 116万円
こどもの人数などによって遺族年金の受給金額は異なりますが、遺族厚生年金であれば、この年間116万円がひとつの基準金額となります。
しかし、遺族年金は配偶者(妻)に先立たれた場合、保障内容は小さくなると考えておく必要があります。
そのため、生命保険の死亡保障金額は男性ではなく、女性の方に多くした方がよいというのが私の考えです。
そして、家計の資産形成が進んでいる場合であれば、生命保険の死亡保障は薄くしてよいですね。
・現在の資産と遺族年金受給金額で生活を維持することができる
・現在の資産だけで生活を維持することができる
このような状況であれば、生命保険の死亡保障で多くの金額を受け取る必要は無いということです。
そのように考えると、生命保険の死亡保障金額の目安は以下のようになると私は考えています。
・金融資産100万円以下 → 高額な死亡保障がある生命保険に加入
・金融資産2,000万円以下 → (夫は1,000~2,000万円の掛け捨て生命保険、妻は3,000万円の生命保険)
・金融資産が2,000万円以上 → 夫の民間保険は不要、妻に2,000万円の生命保険(残された妻の遺族年金は手厚い)
・世帯の金融資産が4,000万円以上 → 夫婦で民間保険は不要(妻に不慮の事故があっても、貯蓄と遺族年金で生計を維持することができる)
世帯の状況や考え方によって、金額は異なるでしょうが、いずれにせよ、金融資産が多いほど民間生命保険の意味が薄れていくということです。
死亡保障に限らず、生命保険は人生のセーフティーネットになりますが、それは無料ではありません。
生命保険加入者の年間払込保険料の平均は年間17.9万円(月約1.5万円)となっています。この金額というのは決して小さいものではないですね。
この年間17.9万円(月約1.5万円)を少しでも少なくすることは資産形成上、大きなアドバンテージになると私は考えています。
ご覧いただきありがとうございました。
生命保険加入で押さえておくべきポイントについてはこちらで記事にしています。
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