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【ファスト思考とスロー思考】長期投資が上手くいかない人に欠けている思考能力とは

ファスト思考とスロー思考

 人が物事を判断する際には大きく分けて2種類の方法があります。

 ・直感的に判断するファスト思考

 ・理論的に頭の中を整理して判断するスロー思考

 どちらか、あるいは両方を合わせて使い分けているということです。どちらの思考力が高い方が優れているということはありません。しかし、場面によって使い分けることは非常に大切です。

 ・傷病者の状態を見た瞬間に緊急度が高いと判断する

 このようなことを行うには、ファスト思考を磨いておく必要があります。時間をかけて判断する暇がないからですね。

 ・会議などで発言をする

 このような場合は、スロー思考で対応する必要があります。数字やエビデンスに基づいた意見は万人を納得させる力があるからですね。

 そして、ファスト思考とスロー思考は株式投資などの資産運用においても非常に大切です。

 今回は、ファスト思考とスロー思考の使い分けについて考えてみたいと思います。

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出典 manager life

ファスト思考

 ファスト思考は物事を直感的に判断する思考です。

 ・判断に時間がかからない

 ・考える労力が少なくて済む

 このようなメリットがファスト思考にはあります。時間と労力がかからないので、使いがちですが、デメリットも存在します。

 ・どんな場面でもファスト思考を使ってしまう

 ・直感が自分の考えだと錯覚してしまう

 ・自分出した直感的な意見を正しいものだと錯覚してしまう

 このようなデメリットが存在します。物事というのは、あらゆる事項が複雑に絡み合って成り立っていることが一般的です。しかし、ファスト思考で導き出すのは、原因に対する答えのみということです。

 とにかく結果を早く求める場合にはファスト思考は非常に効率がよいのですが、物事には、結果と同様に課程が大切なことが数多くあります。ファスト思考ばかりを使っていると、課程が抜け落ちた思考しかできなくなってしまうということです。

 ・微分積分などは日常で使わないから学習する必要がない

 ・英文の仮定法過去と仮定法過去完了の使い分けは使わないから意味が無い

 行き過ぎたファスト思考に陥ってしまうと、このような考え方しかできなくなるということです。

スロー思考

  スロー思考は理論的に頭の中を整理して判断をする思考です。

 ・正しい答えを導き出しやすい

 ・複数の選択肢が生まれる

 ・判断中に間違いに気づきやすい

 スロー思考にはこのようなメリットがありますね。スロー思考最大のメリットは正しい答えを導き出しやすいということです。自分の考えや周囲の状況を総合的に勘案して判断できるので、思考中に様々な選択肢が生まれて、その中から最も適している答えを導き出すことができるのですね。

 ・思考するのに労力がかかる

 ・答えを導き出すのに時間がかかる

 一方でこのようなデメリットも存在します。最大のデメリットは答えを導き出すのに時間がかかることです。私のような救急隊員はどちらかと言えばスロー思考が得意な方が多いのですね。

 ・直感的なものではなく、機器を使って出た数字によって容態把握する

 ・解剖生理学に基づいた容態把握を第一に考える

 このような思考は典型的なスロー思考ですね。しかし、これでは適切ではない現場も少なからずあります。

 ・バイタルサイン測定する暇がないほど容態が悪い

 ・数秒の遅れが予後に大きな影響を及ぼす可能性がある

 このような場合でスロー思考をすることは不適と言えるのですね。とにかく現状に素早く対応することを求めるファスト思考を使う必要があるということです。

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長期投資においてはスロー思考が大切

 ファスト思考とスロー思考両方を適切に使い分けることが最もよいのですが、全ての人がそれをできるわけではありません。

 ・ファスト思考が得意

 ・スロー思考が得意

 多くの方はこのようにどちらかに偏っているのですね。どちらが優れているというわけではありませんが、物事によっては、どちらかの思考の方が向いていることがあります。そして、長期投資はスロー思考で考えることが非常に向いているのですね。

 ・1時間早く決断してもリターンが変わらない

 ・スロー思考に使えるだけの十分な資料や過去のデータがある

 ・人によって答えが異なるので、選択肢が無数にある

 このようなことから、長期投資はスロー思考が向いているということです。

 ・直感的に積立投資信託を決める

 ・よい時の運用状況しか確認しない

 ・インフルエンサーが進めているという理由で資産等投下する

 このようなことをして場合、長期投資が上手くいかない可能性が高いということです。数字やエビデンスに基づいた自分自身の考えがなければ、何十年と同じ金融商品に資産投下するという選択肢を続けることはできないからですね。

 ・短期的に大きく含み益を出している金融商品が出てきた

 ・資産投下している金融商品が大暴落した

 このようなことは、長期投資では避けることができない事象なのです。結果だけを求めたファスト思考で長期投資していれば、これらのことに耐えて資産投下を続けることは難しいということです。

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ファスト思考とスロー思考を合わせてもつことが大切。どちらが何に向いているかを考えて使い分けよう。

YOHの考え

 私はファスト思考が得意ではありません。直感的に判断することが苦手といってよいですね。そのため、ファスト思考が得意な救急隊員が自分の部下になった時は助けてもらうことが多いですね。

 仕事では、誰かに助けてもらえるのでこれでもよいのですが、資産運用は自分だけでする必要があります。夫婦で取り組まれている方でも頼れるのは配偶者ぐらいというのが一般的ですね。

 そのような限られた人数で行う資産運用では、ファスト思考とスロー思考の使い分けを誤ってしまうことは、パフォーマンスに大きな影響を及ぼすということです。

 ・長期投資をファスト思考で取り組む

 ・FX取引にスロー思考で取り組む

 このようなことは、一般的に言って不正解となるのですね。FX取引などは数字やエビデンスによって判断することもありますが、相場が動きだしてしまえば、ファスト思考のみで対応することが求められます。

 しかし、長期投資においてはファスト思考はほとんど必要ありません。

 ・将来不足する金銭

 ・金銭を用意する時間

 ・金銭の量と時間から自分に合った金融商品を選ぶ

 ・金融商品の特性を理解する

 ・淡々と資産投下していく

 ここにファスト思考が入る余地は無いということです。問題と結果から、課程を煮詰めていけば、取るべき方法が導き出されるのですね。それを自分自身で行う必要があるということです。

 長期投資が上手くいかない方の原因のひとつは、長期投資にファスト思考を取り入れてしまっているということです。長期投資はスロー思考で考えた結果によって、取り組むことが大切だと私は考えています。

 ご覧いただきありがとうございました。

長期投資においても暴落は避けられません。その際に必要なのは過去の数字と現金です。

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