米国市場の下落
1月中旬から米国株の下落が続いています。新型コロナウイルスが蔓延をはじめた2年前以来で最も低下しており、個別株単位で見てもネットフリックスやズームなどのハイテク関連株が売り込まれています。
・Nasdaq100
・S&P500
・ダウ工業30種
これらの指数は軒並み5~10%ほどの下落をしています。こんな時は長期投資を前提としていても心穏やかでいられない方は少なくないですね。
そんな時に冷静な判断をするために必要なのは、感覚や他人の意見ではなく、数字と過去のデータです。今回は、暴落時に抑えておくべき数字とデータについて触れてみたいと思います。
暴落時に抑えておくべき数字とデータ
・20年以上投資期間を取ればほぼ損はしない
・弱気相場で最高下落は60%
・株式は200年で60万倍に成長している
私は、株価が下がった時はこれらのデータと数字を考えるようにしています。
※これらの数字とデータは長期的に見て右肩上がりの優良な指数に資産投下した場合に当てはまることです。30年以上前の最高値を更新できない日経平均や過去30年の平均リターンが0.018%のTOPIXなどは当てはまらないということです。
20年以上投資期間を取れば損はしない
1950年から2017年の間で、どこか1年間で株式投資を開始した場合、投資開始時期によってリターンには大きな差があります。
この図が非常にわかりやすいですね。1年間だけ株式投資した場合、プラス52%~マイナス47%まで幅があるということです。資産が1.5倍になるかもしれないし、半分になるかもしれないということです。これだけを見れば、ハイリスクハイリターン、株式投資がギャンブルと言われる所以ですね。
しかし、期間を長く取れば、プラス幅とマイナス幅は少なくなっていきます。そして、20年後には非常に落ち着いたデータとなっています。
・最も相場のよい20年間に株式投資ができた プラス18%
・平均的な相場で20年間株式投資ができた プラス11%
・最も相場の悪い20年間に株式投資をした マイナス1%
ここから考えると、20年間株式投資をすれば、ほぼほぼ損はしないということです。損をしてもマイナス1%、そして、平均的なリターンはプラス11%もあるということです。
株式の投資リターンは期間を長く取るほどリターンのばらつきが小さくなり、平均に収束していくということです。
弱気相場で最高下落は60%
弱気相場とは、直近の高値から20%下落すると弱気相場入りとみなされます。弱気相場になると、投資家心理は冷え込み、株価は大きく上昇することはなくなります。
・株価はどこまで下がるのだろう
・株価下落はいつまで続くのだろう
弱気相場ではこのようなことが心配されます。実際に世界の株式市場は、1980年以降で8回の弱気相場を経験しています。
このグラフから分かるとおり、弱気相場では最高で60%の下落が見られます。そして、最長で30カ月続いているということですね。
・現在の日経平均 28,000円
・最も下落した場合の日経平均 16,800円
日経平均を例に見ると、これから30カ月の間に、この程度の下落は十分にあり得るということですね。弱気相場に入り、資産減少した場合、自分の資産が60%になることがあり得るということです。(レバレッジをかけていた場合は、もっと下落する可能性はあります)
株式は200年で60万倍に成長している
1802年に米国株式、長期国債、短期国債金に1ドル投資した場合の2001年時の価値の推移を見てみると以下のようになります。
・米国株式 59.9万ドル
・長期国債 952ドル
・短期国債 304ドル
・金 98ドル
以下のグラフから、このようになっていることがわかります。
実際には、米ドルが200年で0.07ドルになっていることから、インフレの影響が多分にありますが、それでも、株式の上昇度合は他の金融商品を圧倒しています。
これは、株式は自己増殖して価値を高めていく性質があるからですね。今から200年前は現代よりも不便な生活を送っていました。1800年と言えば、日本は江戸時代です。
・杉田玄白
・伊能忠敬
このような人物が生きていた時代ということですね。最先端医学は解体新書、日本地図作製は徒歩で行うといった時代です。
・5G通信の遠隔操作でロボットによる手術
・グーグルマップ
200年でこのような進歩を遂げているということです。そして、人の生活が豊かになっていくに連れて、経済は発展していくし、株式は自己増殖を続けて価値が上がっていくということです。
YOHの考え
私は米国株式の投資信託を中心に淡々と積み立て投資をしていますが、弱気相場がきても投資方針を変えるつもりはありません。
・積立額を減らすことなく
・毎月決まった額を資産投下する
このように考えていますが、実際に60%株価が下落すれば、どのような行動をとるのかはわかりません。頭で考えていることと、実際に体験することには大きな差があるからですね。
そんな時に、心の支えのひとつになってくれるのは、数字とデータ、それを消化する知識です。感情に流される自分を思い留めてくれるものになるのですね。
そして、暴落時に安心感を得る方法として、ある程度の現金を持っておくことも大切です。株式の価格が下がるということは、現金の価値が上がるということだからですね。
・株価が下がっても、将来困らないだけの現金がある
・現金がある程度あることで資産減少が緩やかになる
右肩上がりの指数に資産投下する以上、現金を持っておくことは非効率だと言われますが、下落時の大きな下支えになるということです。
ご覧いただきありがとうございました。
私の資産運用は元本毀損しないことが基本です
レバレッジをかけることは、右肩上がりの相場では大きな力を発揮しますが、下落局面やボックス相場ではデメリットになるということです。