節約
資産形成と言えば、収入を上げることや投資といったことを連想するのが一般的な感覚です。
・平均よりも高い収入を得る
・株式投資などの資産運用をする
このようなことに目が行きがちだということです。
しかし、このようなことは誰しもが取り組めることではありません。ずばり言ってしまえば、人を選ぶということです。
・年収の業界水準が350万円
・株式投資をしようにもタネ銭の捻出が難しい
このような環境下で生活しておられる方は少なくないからですね。
しかし、平均的な年収でありながら、株式投資などの資産運用で積極的に資産形成に取り組んでいるという世帯も少なくありません。
そのような世帯が取り組んでいるのが、「支出を減らす」ということです。もっとわかりやすい言葉で言えば、節約をするということですね。
しかし、節約というのはただ単純に生活にかかるお金を減らすことだけでは不十分です。
・月20万円かかっていた生活費を18万円にする
・月5万円かかっていた食費を4万円にする
このようなことは節約には間違いないのですが、これだけでは資産形成における十分な節約とは言い難いということです。
節約にはお金とそれ以外の概念を合わせて考える必要があるからです。
・節約におけるお金以外の概念とは
・節約に取り組むことの大切さについて
今回は資産形成の観点からこの2点について触れてみたいと思います。
節約におけるお金以外の概念とは
節約におけるお金以外の概念とは時間です。ずばり言ってしまえば、かけた時間に金銭的価値が伴わない節約というのはするべきではないということです。
・数十円安い食材のために遠くのスーパーに行く
・数百円の違いで最安値を1時間かけて探す
このようなことはよい節約とは言い難いということです。かけた時間に対する金銭的なリターンが極めて少ないからですね。
もちろん、物の値段を比較することは多くの世帯にとって欠かすことができない節約です。
私の世帯でも大型家電などを買い替える時は、必ず数店舗の家電量販店を回って相見積を取るようにしています。
・20万円の冷蔵庫が30%ディスカウントされる
複数店舗で競争してもらうことによって、このようなことはありふれているからですね。
しかし、多くの場合ある程度の値段になると頭打ちになります。
・14万円が13.9万円になる
・14万円とポイントが3,000ポイントつく
このようなことのために、さらに店舗を回ったり、ネットでの値段を比較することはかけた時間と得ることのできる金銭的価値が割に合わないということです。
そして、節約には努力の方向性というものが非常に大切です。
・家計が苦しいので夫のお小遣いを減らす
・本当に必要なものすら代替品ですます
こういったことは、節約の努力の方向性としては間違っているということです。
・日用品はふるさと納税を活用する
・不要な保険を見直す
・携帯電話は格安SIMを使う
・こういったことに目を向ける必要があるということです。
YOHの考え
今回は節約とお金について考えてみました。
特別な世帯を除いて節約に取り組んでいない世帯というのはない、というほど節約というのはありふれたお金の捻出方法です。
・好きなものを好きなだけ購入する
・欲しいものを全て所有する
このようなことを望むのであれば、お金というのはそれこそ無限に必要です。そして、ある分だけ使ってしまうという生活を送っていても、お金というのは貯まることがありません。
しかし、今の日本というのは普通に働いて普通の生活をしていても金銭的に行き詰るようになっているということです。
図表1-8-2 平均給与(実質)の推移(1年を通じて勤務した給与所得者)|令和2年版厚生労働白書-令和時代の社会保障と働き方を考える-|厚生労働省
厚生労働省の資料によると、日本の平均給与は400万円~450万円がボリュームゾーンです。
年収450万円であれば、手取りはだいだい350万円ほどになります。貯蓄などをするのであれば、月20~25万円で生活していく必要があるということです。
ひとり暮らしであれば月20~25万円というのは十分な金額ではありますが、夫婦であったり、こどもを育てるということになれば生活費だけでカツカツになるということです。
そうなれば、投資などの資産運用はもちろんのこと、貯蓄も十分にすることができないということは当たり前と言ってよいですね。
・日常生活 > 貯蓄 > 資産運用
お金の使い方というのはこのような優先順位であることが資産形成では鉄則です。
この貯蓄や資産運用のお金を捻出するためには、多くの世帯は節約を心がけて何とかお金を作り出す必要があるということです。
しかし、ただただ何でもかんでもお金を使わないということは節約としてイマイチだと私は考えています。
・かけた時間に金銭的価値が見合わない
このような節約というのはしないようにしているということです。
節約をしているにも関わらず、お金が貯まらない世帯というのは少なからず存在します。
そのような世帯というのは効率の悪い節約をしている可能性が非常に大きいですね。
・スーパーで半額セール品しか買わないが、通信費は3大キャリア
・電気を過剰なまでに使わないが、家電製品は相見積を取ることなく即決する
このようなことは、節約のアプローチの仕方や努力の方向性が不適切だということです。
・お金
・時間
この2つを勘案して、最安値を求めずそれなりの妥協点で満足する。
このような節約をする必要があると私は考えています。
ご覧いただきありがとうございました。
節約というのは、どのような資産クラスにいても必要なことですね。
年収が低くても創意工夫をすれば豊かに暮らすことは十分に可能です。
投資は余剰資金で行う、というのは鉄則ですが、給料から生活費を差し引いた金額は余剰資金とは言い難いですね。