野村総合研究所の調査結果
世帯の純金融資産保有額について最もわかりやすいもののひとつが、野村総合研究所が出している純金融資産保有額を階層別に表した図解ですね。
野村総合研究所、日本の富裕層は149万世帯、その純金融資産総額は364兆円と推計 | ニュースリリース | 野村総合研究所(NRI)
最新の調査結果(2021年版)が3月に公表され、各層の内訳は以下のようになっています。
・超富裕層 0.1%
・富裕層 2.5%
・準富裕層 6%
・アッパーマス層 13.4%
・マス層 77.8%
この内訳を見て分かるとおり、大多数の世帯は純金融資産保有額が3,000万円未満のマス層に属しています。
もちろん、自分の世帯の純金融資産保有額がマス層に属していることは悪いことではありません。
資産形成というのは誰もが0円からスタートさせることになるからですね。
しかし、ある程度の年齢に達している、資産形成に何十年と取り組んでいるにも関わらず、マス層に属し続けるというのはよいことではないですね。
マス層というのは、あくまでも資産形成の準備段階であり、資産形成をする以上、誰もがその上の層(準富裕層、富裕層)などにステップアップしていく必要があるからです。
各層にステップアップしていくために非常に重要なのが、いかにしてマス層から抜け出してアッパーマス層に上がるかということです。
そして、マス層からアッパーマス層に上がるためにはある程度の条件を満たしておく必要があると私は考えています。
・アッパーマス層について
・マス層からアッパーマス層にあがるために必要なこととは
今回は資産形成について、この2点を中心に触れてみたいと思います。
アッパーマス層について
アッパーマス層というのは、純金融資産保有額が3,000万円以上~5,000万円未満の世帯です。
全体に占める世帯数は726.3万世帯で割合としては13.4%となります。
この13.4%という割合を考えると、アッパーマス層に到達しないまま人生を終えるような世帯というのは少なくないですね。
・貯金残高が常に100万円未満
・常にお金の心配をかかえている
このようなまま年を重ねていく世帯というのは少なくないということです。
マス層が全体の約80%であることを考えると、世間一般における普通の暮らしをしているのであれば、到達することができない領域と考えておいてよいですね。
しかし、誰しもが到達できない領域かと考えるとそうではないですね。
アッパーマス層だけで13.4%、その上の階層を含めると、上位20%に入るような資産形成をすればよいということです。
このように考えると、少しだけ世間一般と異なることをしていれば到達できる領域であるということです。
・年収1,000万円以上
・不動産所得が月10万円ある
・副業収入が月5万円ある
このような属性に恵まれた人が得ることのできるキャッシュフローは不要だということですね。
少しだけ世間一般と異なることというのは、以下の2点であると私は考えています。
・節約
・長期のインデックス投資
この2つに取り組むことができれば、誰しもがアッパーマス層に到達することができるということです。
節約と長期のインデックス投資
マス層からアッパーマス層にあがるために必要なことは、節約と長期のインデックス投資です。
この2つについて、セットで取り組むことができれば、マス層からアッパーマス層に上がることができるということです。
節約というのは多くの世帯が取り組んでいることですが、意味のない節約というのは取り組む必要は無いですね。
・ネット閲覧や動画視聴しかしないが、3大キャリアを使っている
・使用頻度が低いにも関わらず車を2台保有する
このようなことをしていて、節約のために電気をこまめに消すというような節約というのは、典型的な意味の無い節約ということです。
世の中には意味の無い努力、無駄な努力というのは間違いなく存在します。そして、それは節約についても同じだということです。
節約の仕方というのは各世帯の状況や属性によって大きく変わりますが、大切なことは「費用対効果の合わない大きな支出を見直す」ということです。
・マイカーは本当に所有する必要があるか
・その飲み会は本当に金額の価値があるか
このような比較的大きな金額を見直すことができれば、節約というのはそれでよいということです。
仮に、月2回参加していた飲み会を1回にすれば月5,000円を節約することができます。
月5,000円というのは小さな金額と考えがちですが、それを長期のインデックス投資に充てることによって、大きなお金を作ることができるということです。
月5,000円を30年間積立投資(年利4%)で運用した場合、347万円になります。
30年間で347万円というのをどのように捉えるのかは人それぞれですが、大切なことは、節約の金額が大きくなれば、長期のインデックス投資に充てることができる金額も大きくなるということです。
・飲み会の参加頻度を減らして月5,000円
・通信費を格安SIMにして月3,000円
・サブスクリプションサービスを見直して月2,000円
・保険代を見直して月3,000円
このように各項目を少しずつ見直すことによって、月数万円捻出することができれば長期のインデックス投資による資産増加は飛躍的に加速度が上がります。
このような節約で月4.5万円と長期のインデックス投資(年利4%)を合わせることによってアッパーマス層に到達することは可能だということです。
月4.5万円というのは大きな金額ですが、いきなり捻出する必要はないですね。
・給料が上がっても生活レベルを変えない
・大きな支出を定期的に見直す
このような誰もが取り組むことができる努力によって、捻出することができる金額であるということです。
YOHの考え
今回は、野村総合研究所の図解を参考に資産形成について考えてみました。
多くの世帯というのは、純金融資産保有額が3,000万円未満のマス層に属しており、そこから抜け出すことなく一生を終えるのですね。
それは、マス層の割合が約80%であることからも明らかです。
しかし、資産形成をしている世帯にとっては、マス層というのはあくまでも通過点でそこからさらに上に目標設定をしておく必要があります。
今回はアッパーマス層をフォーカスしましたが、私自身は準富裕層(純金融資産保有額5,000万円以上~1億円未満)というのは誰しもが到達できる領域であると考えています。
・節約
・長期のインデックス投資
この2つについて正しく取り組むことをすれば可能だということです。
一方で、富裕層や超富裕層に属するためには、普通とは異なった属性であることが必要です。
・平均よりもかなり高い年収
・本業以外に大きなキャッシュフローがある
・長期のインデックス投資よりもリスクの高い投資手法を用いる
このようなことが必要だということです。しかし、どのような世帯も純金融資産保有額1億円以上の富裕層や超富裕層に属する必要があるかと言えば、そうではないですね。
・日々の生活に困らないだけのお金があればよい
・標準的な生活と老後資金の捻出ができればよい
このような世帯であれば、純金融資産は1億円も必要がないということです。3,000万円~5,000万円あれば事足りるのですね。
そして、純金融資産保有額3,000万円~5,000万円というのは、正しく資産形成に取り組めば誰もが捻出できる金額だということです。
そして、正しく取り組みことについては、特別な知識やスキルは必要無いということです。
誰しもが考えて行うことができる範囲内で取り組めばよいということです。
それだけで、純金融資産保有額の上位20%に属することは可能だということです。
ご覧いただきありがとうございました。
野村総合研究所の調査結果についての詳細はこちらで記事にしています。
マス層(純金融資産保有額3,000万円未満)は2つに細分化した方がわかりやすいですね。
現在、貯金が0円であっても焦る必要はないですね。純金融資産保有額0円でも平均よりも上に属しているのが現在の日本の状況です。