新NISAの投資資金1,800万円
新NISAを使い始めて誰もが考えることは、非課税保有限度額の1,800万円をいかに早く使い切るかということです。
この理由は、株式投資に課税されない非課税運用期間を長く取ることができるからですね。
年間非課税投資枠成長投資枠と積立投資枠の合計が360万円であることを考えると、最も早く使うのであれば、5年(4年と1ヶ月)で新NISAの非課税保有限度額を使うことができます。
しかし、このような使い方は多くの投資家にとって現実的ではないですね。年間360万円でも非常に難しい金額ですが、それを5年続けて、投資元本の1,800万円というお金を捻出するは限られた方にしかすることはできません。
しかし、属性的に優れている方の中にはすでに1,800万円という金額に目途がついている方もおられます。
・現時点で1,800万円の現金を確保できている
・現時点で1,000万円の現金を保有しており、残りの800万円は数年で用意できる
このような金銭的状況の方もおられるということです。
しかし、このような状況は効率の良い資産形成という観点から見ればよい状況ではないですね。
得ることができる利益を取り逃している可能性があるということです。
・新NISAの投資元本が確保できている状況ですべきこと
・資産形成において大切なことはチグハグな投資をしないこと
今回は新NISAの投資元本を確保できている状況ですべきことについて触れてみたいと思います。
新NISAの投資元本が確保できている状況ですべきこと
まず、結論から言えば、新NISAの投資元本が確保できている状況ですべきことは、「その投資元本を特定口座で運用する」ということです。
・現時点で1,000万円の現金を投資元本として確保している
・1年で200万円の貯金を確保することができる(4年で800万円)
このような状況であれば、年初に新NISAに360万円を一括投資して、残りの640万円は特定口座で運用する必要があるということです。
・新NISA 360万円
・特定口座 640万円
・来年の1月に特定口座の金融商品を売却して新NISAで360万円一括投資
・貯金で増えた200万円を特定口座で運用
このように余剰資金は全て株式投資に充てる必要があるということです。
こうすることによって、株式投資によるリターンを最大化する必要があるということです。
この背景にあるのは、株式は長期的に見て右肩上がりに成長していくという考え方です。
VTの過去15年のチャートを確認するときれいな右肩上がりであることがわかります。
このようなことから、資産を現金で保有しておくよりも株式で保有しておく方が効率よく資産を増やすことができることは明らかです。
もちろん、株式投資には波があります。価値が大きく下落する場面も少なからずあります。
それは、VTのチャートでもわかるとおりです。
しかし、その価値が大きく下落する場面がいつ訪れるかをピタリと言い当てることは不可能です。
そのため、株式が長期的に右肩上がりであるという前提を信じて資産運用をするのであれば、より多くの資産を株式として保有しておく方が資産増加効率としては優れているということです。
YOHの考え
今回は、新NISAの投資元本を確保できている状況ですべきことについて触れてみました。
・新NISAの投資元本として現金として1,000万円が確保できている
このような状況であれば、新NISAに360万円を一括投資して残りの現金は特定口座で運用する必要があるということです。
そして、これは投資元本として多くの現金があるケースだけではありません。
・つみたて投資の資金として毎月40万円が確保できる
このような状況で資産クラスとしての現金が確保できているのであれば、新NISAで月30を積立投資をして、残りの10万円は貯蓄にあてるのではなく、特定口座での運用に充てる必要があるということです。
このような考えの前提条件として挙げられるのが、自分の投資対象が長期的に右肩上がりに成長していくということです。
・長期運用の株式投資は絶対に損をしない
・全世界株式インデックスファンドに投資していれば必ず資産が増加する
このような考え方をもっているのであれば、投資で余剰資金を抱えることは非合理的だということです。
取ることのできるリスクを取らなかったことによって、得ることができたリターンを取り逃がしてしまっていることになるからですね。
資産運用の鉄則は自身の限られた資産を効率的に増やすことです。
もちろん、投資元本として現金が確保できている状態で現金を保有し続けることは悪いことではありません。
しかし、「株式に投資していれば必ず資産が増加する」と考えているにも関わらず、過剰に現金を持ち続けていることは、一貫性のない資産運用をしていることになるということです。
私自身、現金比率を50%以上保つようにアセットアロケーションを構築しています。
新NISAの年間非課税保有限度額360万円の資金が確保できていたとしても、特定口座で買付をすることなく現金で保有しておく選択をするということです。
その根底にあるのが「株式投資をしていれば必ず資産が増加わけではない」と考えているからです。
・コツコツと積立投資をする
・何十年と株式投資をする
このようなことをしても、報われない可能性があるのが株式投資であると考えているということです。
その理由は、株式自体の成長を信じていないわけではありません。
・全世界株式インデックスファンド
・全米株式インデックスファンド
このような幅広い銘柄に分散された低コストのインデックスファンドを長期的に投資をしていれば資産は必ず増加すると考えています。
しかし、自分自身がそれをすることができるかはわからないということです。
・過去に経験したことがない暴落
・人生における思わぬ金銭的トラブル
このようなことによって、自分が信じている投資ができなくなる可能性があることを考えると、「株式投資をしていれば必ず資産が増加わけではない」ということです。
しかし、「自分はどのようなことがあっても投資スタンスがぶれることはない」と考えているのであれば、余分な現金を持たずに運用できる資産は全て株式に投資することが効率よく資産を増加させることに繋がると私は考えています。
ご覧いただきありがとうございました。
新NISAで資産形成するにはそもそも大きなお金を自分で用立てる必要があります。それができる世帯でなければ新NISAで大きな資産を構築することはできません。
新NISAで大切なことは、金融商品選択ではなく積立金額の設定です。ここを誤ってしまうと投資が難しいものになります。
資産形成における適切なリスクの取り方にについてはこちらで記事にしています。