休みなく働くこと
現在、働いていて思うことは労働環境が改善されつつあるということです。
・年次有給休暇
・育児休暇
このような休暇を例に挙げても、国から取得が推奨されていることもあり、数年前と比較しても、格段に取得しやすくなっています。
・年次休暇・・・全く取ることができない
・育児休暇・・・上司に嫌味を言われて3日だけ
私は消防組織で働いて15年以上が経過していますが、過去を振り返ると休暇に関しては誰しもがこのような取得状況でした。
これが当たり前だったということですね。そして、勤務時間についてもサービス残業が横行していました。
・昼ご飯を10分で食べて、事務作業をする
・仮眠時間を削って訓練をする
このようなことが仕事の前提として成り立っていたということです。今でも、このようなことが全く無いとは言い難いですが、見直されつつあるということです。
そして、このような労働環境の改善はベテラン職員と若手職員の軋轢を生む要因にもなっています。
・自分が若い時は休みなく働いていた
・新人職員は勤務時間外でも仕事を覚えるのが当たり前
・用事もないのに年次有給休暇を取るなんて生意気
ベテラン職員でこのような感情を持つ方というのは少なくないということです。一方で、若手職員はベテラン職員に不満を持っています。
・仕事もしないのに口だけ出してくる
・仕事に来ていることが頑張っているということではない
・自分は年配職員よりも遥かに仕事をしている
若手職員の中にはこのような感情を持つ方も少なくないということです。その根本的な原因というのは、仕事に対する価値観や捉え方の違いです。
・休みなく働くことは悪いことなのか
・休みなく働くことで得ることができるもの
今回は、この2点について考えてみたいと思います。
ベテラン職員と若手職員は価値観が異なる
今回触れる、休みなく働くというのは勤務時間内で決められた時間をしっかりと働くということではありません。
・休みの日を削って何よりも仕事を優先して働く
・当たり前にサービス残業をする
このような働き方のことです。いわゆるブラック労働というやつですね。
私の職場で言えば、40歳代後半~50歳代の職員というのは、このような働き方をよしとして働いてきた世代です。
そして、今の20歳代前半の職員というのは、このようなことに強い抵抗があるというのが私の印象です。
・効率を何よりも重視する
・費用対効果を考えて行動する
・割に合わないことはやらない
もちろん、全ての20歳代前半の職員がこのような考え方や価値観を持っているわけではありませんが、このような傾向が強いということです。
一方で、このような考え方をすんなりと受け入れることができないのがベテラン職員です。
・自分のやってきたことを否定されている
・自分が積み上げてきたものの価値観が崩壊する
今の若手職員を見るとこのように感じるということです。
そのため、若手職員とベテラン職員は価値観が違い過ぎるため、上手く折り合いがつかない場合が往々にしてあるということです。
そして、このような事態に一番困るのがYOHのような40歳代の中間ポジション的職員です。
困る理由としては、両方を体験している世代だからですね。
・自分が新人の時はベテラン職員ほどではないが、休みが取りにくかった
・サービス残業はなるべくしないように言われている
このような両方のことを体験している世代だということです。
休みなく働くことは悪いことなのか
このような両極端な意見の中間的ポジションである私は、休みなく働くこと自体は悪いことではないと考えています。
・休みの日を削って仕事をする
・サービス残業を毎日する
このようなことをよしとしているわけではないですが、経験してみること自体は悪いことではないと考えているからですね。
私自身、ベテラン職員で気を許せる職員というのは、このような苦労をされてきた方々です。
そして、このような苦労を人一倍されてきた方ほど、労働環境の変化に柔軟に対応して、若手職員への理解があるということです。
・今は時代が違うのだから、年次有給休暇はできる限り消化しなさい
・仮眠時間を削ってまでするような仕事はする必要がない
このような言葉をかけてくれますね。一方で、このような苦労をしていないベテラン職員ほど、変わりつつある現環境に不平不満を口にします。
・自分が若い時は年次有給休暇を取れなかったのだから、若手が取るなんてとんでもない
・育児休暇なんて不要だ
このようなことを平気で口に出しています。自分が年を重ねてどちらの職員に成りたいかといえば、それは考えるまでもないですね。
そして、今の環境下で若手職員がそれほど苦労をせずに、自分の考えや権利だけを主張して年数を重ねていくと、苦労をしていないベテラン職員のようになってしまう可能性があるということです。
・自分が若い時は・・・
・新人職員なら・・・
今は若くとも、時代は常に変化していきます。自分が年を重ねた時にこのような職員にならないためには、ある程度の苦労はしておいた方がよい場合があるいうことです。
YOHの考え
今回は、休みなく働くことは悪いことなのか、ということについて考えてみました。
私自身のことを思い返せば、消防職員として働き始めた時は、それなりに上昇志向があり、休みなく働くことが当たり前と考えていました。
・休みの日に研修に行くのは当たり前
・仮眠時間を削って学習するのは当たり前
・勤務明けに残って報告書作成するのは当たり前
このようなスタンスで仕事に取り組んでいたということです。
今考えると恥ずかしいですが、このようなことをして頑張っている自分が仕事ができる消防職員だと考えていたのですね。
様々な経験があって、現在の仕事に対するスタンスは真逆のようになっていますが、若い時にある程度休みなく働いていたということは、よい経験として活かされてると考えています。
・過去に経験しているからこそ、間違っていることがわかる
・後輩が自分のような苦労や勘違いをしないように助言することができる
このようなことができるからですね。そして、このようなことというのは、自分が実際に経験しているからこそ、発言や行動にある程度の重みが出てくるということです。
組織に属して働いていると、必ず理不尽なことに遭遇します。
そういった時に、正論だけを主張しても上手く行かないことは多々あります。
・自分は間違っていない
・自分の考えが絶対に正しい
もちろん、正論が評価される組織というのが健全で理想です。しかし、多くの仕事組織では現実はそうではないということです。
正論を言い続けていると、自分こそ正義という価値観を生んでしまうことになります。
ある程度苦労をしておかないと、このような「自分こそ正義」という人になってしまう可能性があります。そうならないためには、自分が苦労をした、というバックホーンが必要だということです。
もちろん、限界を超えてまで働くことや、無茶な要求に応じる必要はありません。
しかし、効率や費用対効果ばかりを追い求めて、権利だけを主張しても、よい仕事をすることができないと私は考えています。
ご覧いただきありがとうございました。
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