生命保険
生命保険で一定の人気があるのが、健康還付給付金付きの商品です。
健康還付給付金とは、健康還付給付金支払基準日の前日までに主契約の給付金の受取りがなかった場合、それまで支払っていた保険料が還付される仕組みです。
・40歳
・月々の保険料 5,000円
・保険加入期間 30年間(360カ月)
・総支払額 180万円
このようなケースで入院や手術で保険金を受け取らなかった場合、70歳になった時にそれまでの払込額である180万円を受け取れるということです。
保険会社によってはリターンボーナスと言われることもありますね。
そのような健康還付給付金付きの保険商品で人気があるのが楽天生命の「スーパー医療保険戻るんです」です。
・「スーパー医療保険戻るんです」の内容
・「スーパー医療保険戻るんです」の注意点
・「スーパー医療保険戻るんです」は得かどうか
今回はこの3点について考えてみたいと思います。
「スーパー医療保険戻るんです」の内容
楽天生命から販売されている「スーパー医療保険戻るんです」の最大のセールスポイントは前述した健康還付給付金付きの保険商品で、入院や手術で使わなかった分の払込額が全額戻ってくるというところですね。
・加入してから一度も入院や手術で給付金を受け取っていない → 全額還付
・手術によって30万円を受け取った → 払込金額から30万円を引いた金額を還付
このような仕組みが人気のある理由ですね。
使わなかった分の保険料が戻ってくる医療保険・入院保険「楽天生命スーパー医療保険 戻るんです」|楽天生命保険
保障内容としては生命保険としては非常にオーソドックスな内容です。
・基本プラン
・がんプラン
・三大疾病プラン
この3つから選択できるようになっており、基本プランを選択したとしても、特約などを細かくカスタマイズできるようになっており、自分自身に合った保障内容を作ることが可能です。
・入院給付金額
・8疾病入院支払限度額拡大特則
・健康還付金給付年齢
・通院給付金日額
基本プランに付帯されているこのような項目を自分自身のニーズに合わせて調整することができるということです。
・先進医療・・・通算2000万円まで
・骨髄ドナー・・・入院給付金×20倍(支払い日数制限なし)
・放射線治療・・・入院給付金×10倍(60日に1回で支払い日数制限なし)
他の保険商品であればオプションで付けるような特約も基本プランに組み込まれています。
40歳男性が加入した場合、月々の保険料は5,966円、健康還付金支払年齢を70歳にした場合の還付金は197.4万円となっています。
「スーパー医療保険戻るんです」の注意点
このように、ある程度保険内容が充実しており、使わなかった分の保険料が満額還付される仕組みの「スーパー医療保険戻るんです」ですが、注意点を抑えておく必要がありますね。
・保険料が割高
・長く付き合う必要がある
この2点を抑えておく必要があります。
保険料が割高
「スーパー医療保険戻るんです」の注意点のひとつ目として挙げられるのが「保険料が割高」という点です。
同様の保障内容の掛け捨て生命保険であれば、月々の保険料は1,500円~2,500円といったとところがボリュームゾーンです。
保障内容が全く同じ内容ではありませんが、ライフネット生命の掛け捨て保険であれば、月々の保険料は2121円になります。
そのように比較すると月額6,000円の「スーパー医療保険戻るんです」はかなり割高な保険商品であると考えておく必要がありますね。
長く付き合う必要がある
「スーパー医療保険戻るんです」の注意点の2つ目として挙げられるのが「長く付き合う必要がある」という点です。
「スーパー医療保険戻るんです」の最大のセールスポイントは基準年齢に達した場合、それまで払い込んでいた保険料が還付されるということです。
これを違った形で見れば、基準年齢まで保険加入を継続する必要があるということです。途中で解約をした場合、それまでに払い込んでいた保険料は全額還付されません。
解約した場合の払戻金はどれぐらいの金額になるかは、保険加入期間や払込保険料、受取保険料によって個々によって異なるため、一概に言うことはできませんが、かなり少なくなると考えておく方がよいですね。
YOHの考え
今回は楽天生命から販売されている「スーパー医療保険戻るんです」について考えてみました。
・最大のセールスポイントは基準年齢になれば払込保険料が全額戻ってくること
・保障内容はある程度充実している
・月々の保険料はかなり割高
私としてはこのような印象を受ける保険商品です。この「スーパー医療保険戻るんです」が得かどうかというのは一概に言うことはできません。
しかし、老後にまとまったお金を受け取りたいという理由でこの保険に加入することはおすすめできません。
・保険に加入して何もなければ払込保険料が返ってくる
・入院や手術で保険金還付を受けても、使わなかった払込保険料が戻ってくる
・保険と貯蓄の2重の備えができる
このような観点でこの「スーパー医療保険戻るんです」を見てはいけないということです。ずばり言ってしまえば、この保険に加入するよりも、株式投資をした方がよいということです。
・同じような保障内容の掛け捨て保険に加入する(月々2000円)
・4000円をインデックス投資する
このように保険と投資を分けて使うのであれば、同じ保障を受けつつ、老後により大くのお金を用意することができる可能性が高いということです。
実際に、月々4,000円を30年間年利4%で運用した場合、元本144万円に対して積立金額は277万円になります。
・「スーパー医療保険戻るんです」・・・197万円
・掛け捨て保険とインデックス投資・・・277万円
このように、80万円の差がつくことになります。そのため、保険を受けつつ、貯蓄もするという考えで「スーパー医療保険戻るんです」に加入するのであれば、得ではないというのが私の印象です。
インデックス投資の元本割れのリスクを考えても、割に合わないということですね。
生命保険の基本は掛け捨て保険です。人生において保険をかけておくべきフェーズというのは異なっています。
・こどもが大きくなって働いている
・資産形成が十分にできて病気やケガがあっても貯蓄で対応できる
若い時に保障の厚い生命保険に加入していても、このような状況になれば、生命保険は不要になります。
そのような状況に対応するのに最も向いているのが掛け捨て保険だということです。
そして、老後の貯えを作りたいのであれば、保険で作るよりも自分で株式投資をして作った方がよいですね。
・保険会社の取り分
・ランニングコスト
自分で株式投資をすればこのようなコストを削減することができるからです。これが、保険と貯蓄を分けて考えた方がよいという理由です。
貯蓄としても保険としても楽天生命の「スーパー医療保険戻るんです」は万人におすすめできる保険商品とは言いにくい、というのが私の考えです。
ご覧いただきありがとうございました。
保険商品を選ぶ際に抑えておきたいのはリスクフリーレートです。保険商品だから資産投下に値しないと考えるのは、投資家としてはイマイチですね。
生命保険加入で考えておく必要があるのが生命保険料控除です。
明治安田生命から販売されている「自分の積立」は保険機能は全くありませんが、生命保険料控除目的で加入することは考えてもよい保険です。