YOH消防士の資産運用・株式投資

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オルカンやS&P500が右肩上がりであることと資産が増加することは別問題

オルカンとS&P500に投資しておけばよい

 新NISAで言われていることは、オルカン、S&P500に投資をしておけばよい、ということです。

 その大きな理由は、オルカンとS&P500の基準価格は過去30年間右肩上がりに推移しているからですね。

出典 Googlefinance

 VTとVOOのチャートを確認すると、大きな暴落を何度か経験していますが、時間とともに回復して、長期的には大きく成長をしていることがわかります。

 そのため、オルカンやS&P500に長期的に投資さえしていれば必ず資産が増加するということです。

 しかし、注意しておきたいのは、オルカンやS&P500の長期的なチャートが右肩上がりであることと、自身の資産が増加することは全くの別問題であるということです。

 ・オルカンやS&P500に投資をしても資産が増えないケース

 ・資産形成において最も大切なこと

 今回はオルカンやS&P500に投資することと自身の資産が増加することについて、この2点を中心に触れてみたいと思います。

オルカンやS&P500に投資をしても資産が増えないケース

 オルカンやS&P500の長期的なチャートが右肩上がりであることは、過去のチャートから見ても明らかです。

 しかし、オルカンやS&P500のチャートが右肩上がりであることと、自身の資産が増加することはイコールではありません。

 オルカンやS&P500に投資をしていても資産が増加しない、それどころか減少するケースも往々にしてあるということです。

 ・タイミングを見て売買する

 ・無理のある入金をしている

 ・手数料の高い金融商品を選定している

 このようなケースに当てはまる場合、オルカンやS&P500に投資をしていても資産が増加しないことはあるということです。

 それぞれについて触れていきます。

タイミングを見て売買する

 オルカンやS&P500に投資をしていても資産が増加しないケースとして挙げられるひとつ目は「タイミングを見て売買する」場合です。

 株式投資というのは、安い時に購入して高い時に売る、この損益差で利益を出す資産形成方法です。

 そのため、入口に関しては、誰もが安い時に購入することを考えます。

出典 Googlefinance

 このチャートで言えば、赤丸のあたりで購入したいということです。

 しかし、このようなタイミングを見て投資をすることは資産が増加しない要因となることがあります。

 自身が下がったと判断したタイミングが必ずしも正しいわけではないからですね。

 ・下がった価格のまま長期間上昇しない

 ・さらに基準価格が下がる

 このようなことが往々にしてあるということです。このようなことがあれば、オルカンやS&P500を保有すること自体が難しくなり、投資自体を続けることが難しくなるということです。

無理のある入金をしている

 オルカンやS&P500に投資をしていても資産が増加しないケースとして挙げられる2つ目は「無理のある入金をしている」場合です。

 ・貯蓄が全くない状況で月10万円の積立投資

 ・生活費を切り詰めて月20万円の積立投資

 無理のある入金をしているというのはこのようなケースですね。

 長期の積立投資でよく言われることは、早いうちに多くのお金を投資に充てたほうがよいということです。

 投資運用期間と投資元本が大きいほど、複利の効果を大きくすることができるからですね。

 新NISAの非課税保有限度額1,800万円をできるだけ早く埋めたほうがよいというのは、正にこの複利効果を最大限生かすことに繋がるということです。

 しかし、無理のある入金というのは長期的に継続できるものではありません。

 ・暴落時に自身のキャパシティを超えた値動きがある

 ・日常生活に支障をきたす

 無理のある入金をすることは、このような結果になる可能性があるということです。

手数料の高い金融商品を選定している

 オルカンやS&P500に投資をしていても資産が増加しないケースとして挙げられる3つ目は「手数料の高い金融商品を選定している」場合です。

 オルカンやS&P500に投資をして資産形成するには、ある程度金融商品の目利きが必要です。

 ただただ、オルカンやS&P500という言葉が入っている金融商品を選べばよいということではありません。

 オルカンやS&P500をベンチマークとしている金融商品は数多く存在します。

 その中には、手数料などのランニングコストが高い金融商品は数多く存在します。

 その典型的なものは保険会社が取り扱っている投資型保険商品です。

出典 

プラチナドリーム | 日本生命保険相互会社

 上の表は日本生命保険相互会社(ニッセイ)が取り扱っているS&P500に投資をする投資型保険商品「プラチナドリーム」の各手数料です。

 契約内容によって手数料は異なりますが、4.2%~8.6%の手数料がかかります。さらに、受取時には支払い金額に対して1%の手数料がかかります。

 これは、非常に高額といってよいですね。

 投資期間中のS&P500の運用成績が優れていたとしても手数料によって利益が大きく減少してしまう可能性が高いほどの手数料です。

そして、このような金融商品を選んで投資をしていると、資産を増加させることが難しいものになるということです。

間違った使い方をしていては効果を発揮しない。

YOHの考え

 今回は、オルカンやS&P500に投資することと自身の資産が増加することは別問題ということについて考えてみました。

 ・タイミングを見て売買する

 ・無理のある入金をしている

 ・手数料の高い金融商品を選定している

 オルカンやS&P500が優れていても、このような使い方をしていては、資産が増加しない可能性があるということです。

 2024年から新NISAがはじまり、日経平均株価が4万円を突破したこともあり、現在はかつてないほど投資熱は高まっています。

 私が先日郵便局に行った際、窓口で中年女性が新NISAの勧誘を受けていました。その時にも「全世界に投資する株式が・・・S&P500というアメリカの企業が・・・」といった言葉が聞こえてきたのを覚えています。

 このようなことは、私が資産形成に取り組んではじめてのことです。これまで株式投資に縁がなかった層にもオルカンやS&P500というものが浸透していると感じます。

 そして、このような投資熱は極端な意見を生むことになります。

 ・オルカンやS&P500は長期的に右肩上がり

 ・だからオルカンやS&P500に投資をしておけばよい

 極端な意見とはこのような意見です。このような意見は誤解を生む可能性がありますね。

 オルカンやS&P500は非常に優れた指数ですが、それに投資をしているだけで資産が増加するという簡単なものではありません。

 そこに正しい判断が伴ってはじめてオルカンやS&P500で資産を増加させることができるということです。

 ・オルカンやS&P500に投資に投資をしているだけで資産が増える

 このようなことは決してなく、オルカンやS&P500が右肩上がりであることと、自身の資産が増加することは別問題であるというのが私の考えです。

 ご覧いただきありがとうございました。

 長期投資で最も大切なことはコツコツとした入金を継続することです。

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