複利の力
資産運用をする上で欠かすことができないのが複利の力です。
・平均的な年収
・平均的な支出
このような世帯であっても、資産形成が順調な世帯というのは上手に複利の力を味方にしているということです。
一方で、収入に恵まれており、支出にある程度気を使っている世帯であっても、資産形成が順調に進んでいない世帯というのも珍しくはないですね。
・金融資産は貯蓄しか保有していない
・得た利息はその都度使っている
このような世帯は資産形成において、複利の力を上手に使えていない可能性があるということです。
そして、複利の力を使わなくても資産形成は可能ですが、最もしてはいけないことは、複利の力を敵に回してしまうことです。
複利を敵に回してしまうと、働いて節約生活を心がけていても金融資産が増えることがない、というような状況に陥る可能性があります。
・複利を味方にした資産形成
・複利を敵に回してしまうこととは
今回は資産形成の複利について、この2点を中心に考えてみたいと思います。
複利を味方にした資産形成
まず現実的な話として、一般的な年収でそれなりに支出がある場合、金融資産を5,000万円以上にしようと考えるのであれば、複利の力を使わないとどうしようもありません。
・年間100万円を貯金
・これを毎年続けていく
このような方法で金融資産5,000万円作ろうと思えば、50年間かかることになります。
22歳から働くのであれば、72歳まで働いて毎年100万円を貯金してようやく金融資産5,000万円に到達することになります。
定年退職年齢が引き上げられていることを考えても、50年間毎年100万円を貯金して金融資産5,000万円に到達するということは現実的ではないですね。
しかし、複利の力を味方にすれば、期間を短くすることができますね。
例を挙げると、年間96万円(月々8万円)であっても年利4%で複利の力を使うことができれば、28年2カ月で金融資産5,000万円に到達することができます。
元本2,700万円に対して、運用益が2,300万円になります。
これならば、貯金だけの資産形成よりも22年間早く、金融資産5,000万円に到達することができるということです。
日々貯金を積み上げていくよりも、複利の力を味方にすることによって、遥かに効率的に資産を増加させることができるということです。
もちろん、このグラフのようなきれいな右肩上がりで資産が増加していくわけではありません。
・暴落
・横ばい
このような耐える時期を乗り越える必要があります。
しかし、複利を敵に回してしまうと何十年かけても金融資産が増加しないことになってしまいます。
複利を敵に回してしまうこととは
複利の力を敵に回す、というのはずばり言ってしまえば、「借金をする」ということです。
複利の力というのは、保有している金融資産に対してはプラスに働きますが、保有している借金に対してはマイナスに働きます。
・身の丈に合わない住宅ローン
・リボ払い
例を挙げるなら、このようなものが複利の力を敵に回してしまうものだということです。
・借入金額 100万円
・月々返済額 0.5万円
このような設定でリボ払いを行った場合、返済額と返済期間はとんでもないことになります。
・総返済金額 225.4万円
・返済期間 16年間
このようになるということです。年数経過とともに、複利の力によって元本が大きくなるのため、いつまで経っても元本返済ができないことになるということです。
このようなリボ払いの例は極端ですが、身の丈に合わない住宅ローンなども本質的には同じだということです。
YOHの考え
今回は複利の力を使った資産形成について考えてみました。
複利の力を味方にすれば、金融資産を効率よく増加させることができます。
しかし、複利の力を使った資産形成が誰にとっても素晴らしいものかと言えば、そうではないですね。
複利の力を使った資産形成で最も取り組みやすいのは株式のインデックス投資などですが、毎年のように複利の力を上手に使うことができるわけではありません。
これは、S&P500のパフォーマンスグラフですが、チャートは小刻みな波線で一定していないことがわかります。
複利の力によって、年によって大きな恩恵を受ける時もあれば、大きな損失を被ることもあるということです。
・一時的な資産の減少に目をつむる必要がある
・時には大きな損失を被ることがある
インデックス投資などの複利の力を充てにした資産運用で資産を増やすのであれば、このようなデメリットを受け入れる必要があるということです。
そして、複利の力によって資産増加を実感するには非常に長い時間がかかります。
・最低でも15年
・超長期的に見るのであれば30年
これぐらいの期間を考えておく必要があるということです。人によっては、このようなデメリットがメリットを上回るケースがあるということです。
そのため、誰しもが株式投資などの複利の力を味方にした資産形成をすればよいのかと言えば、そうではないということです。
しかし、複利の力を敵に回すことは誰しもが避ける必要がありますね。
先述したリボ払いのように、複利の力というのは考えている以上に強力で一度敵に回してしまうと、リカバリーすることが非常に難しくなってしまう可能性があるということです。
・味方にできるのであればした方がよい
・味方にできないのであれば、絶対に敵には回さない
複利については、このようなスタンスで向き合うことが大切だと私は考えています。
ご覧いただきありがとうございました。
複利の力を使って資産形成すれば、多くの人が金融資産5000万円に到達できると私は考えています。
複利の力を使う方法として国が用意してくれているのが新しいNISAですね。投資元本1800万円が5億円になるポテンシャルがあるのが新しいNISAです。
新しいNISAの投資手法による比較はこちらで記事にしています。