年齢と年収
日本企業の給与形態というのは、年齢とともに年収が上がっていくことがスタンダードです。
・完全出来高制
・能力に応じた年収増加
このような給与形態をとっている企業というのはマイノリティで、多くの企業は程度の差こそあれ、年功序列による給与形態を維持しています。民間企業の給与形態を踏襲する公務員などは特にその色合いが強いですね。
ずばり言ってしまえば、年功序列の給与形態を取っている組織に属しているのであれば、年収を上げるのに最もパフォーマンスに優れているのは、「年齢を上げること」です。
・最低限の労働力を組織に提供する
・何もアクションを起こさずに、組織に居づらくなるような失敗だけを避ける
このようなことをしていれば、時間とともに年収が増加していくので、これほどコストパフォーマンスに優れた方法は無いと言ってよいですね。
しかし、年齢を上げて給料が増加しても資産形成が上手くいくわけではありません。年を重ねることと、資産形成は全くの別物だということです。
・3つの年齢について
・資産形成に大切な年齢は鍛えることができる
今回はこの2点について触れてみたいと思います。
3つの年齢について
年齢を上げることは、年収を上げることにおいては非常に効果的ですが、資産形成においては、年齢を重ねることが必ずしもプラスになるわけではありません。
・20代で500万円の貯金がある
・50代で消費者金融から100万円借金をしている
同じ組織で働いていても、このような事例はありふれているからですね。この場合、50代の方が年収が高いのですが、資産形成は全くできていないということです。
これは、年収と資産形成においては考える年齢について違いがあるからですね。
・暦年齢
・精神年齢
・肉体年齢
年齢には様々なものがありますが、年収において重要視されるのは暦年齢であり、資産形成においては精神年齢が大きく関わってくるからです。
暦年齢と精神年齢
暦年齢とは、ここで説明するまでもなく一般的な広義の意味で用いられる年齢です。生まれてから暦の上での年齢です。生まれて10年経っていれば10歳ということになります。
・自身の努力で上げることができない
・自身の努力で下げることができない
暦年齢にはこのような特徴がありますね。一方で、精神年齢とは、辞書的に言えば、「知能検査で個人の知能の発達程度を、普通の人に何歳に相当するのかを数字で表したもの」となります。
・暦年齢10歳で精神年齢15歳
・暦年齢30歳で精神年齢15歳
やや極端な例ですが、暦年齢に20歳の差があっても、精神年齢に関しては同程度、というケースも存在するということです。そして、資産形成においては、精神年齢はある程度高い方がよいということです。
・先々を考えて行動することができる
・自分の置かれている状況について正しく認識することができる
精神年齢がある程度高ければこのようなことができるからですね。そして、このようなことは、資産形成していく上で欠かせないことだということです。
資産形成に大切な精神年齢は鍛えることができる
私は精神医学などに対しては全くの無知ですが、この精神年齢に関しては、自分の努力によって上げることができると考えています。「上げる」というよりも「鍛える」という表現の方が適切かもしれません。
・経験
・学習
精神年齢は大きく言ってこの2つによって鍛えることができるということです。
・お金について深く考ることのなかったAさん 50歳
・お金について失敗しながら学習してきたBさん 30歳
この場合、資産形成の精神年齢はBさんの方が高いことは間違いないということです。そして、この場合、年収はAさんの方が高いですが、資産形成が順調に進んでいるのはBさんであると考えるのが自然だといってよいですね。
YOHの考え
資産形成に大切なのは3つの年齢による違いを理解しておくことです。
・実年齢
・精神年齢
・肉体年齢
この3つを適切に把握して管理することが大切です。ずばり言ってしまえば、実年齢に合わせて精神年齢を重ねていき、肉体年齢は若く保つ方がよいということです。
資産形成においてはどれも大切ですが、私が最も意識しているのは精神年齢です。
救急の仕事をしていると、接する方の多くは高齢者です。70代~90代の方を救急搬送しない日は無いと言ってよいほど関わりを持つことになります。しかし、このような人生の先輩と言える方であっても、驚くほど精神年齢が低い方がおられます。
・救急車を要請した妻を怒鳴りつける
・訪問看護師に無理難題を言う
・介護施設職員に当たり散らす
このような方を見ると、人間は年を重ねるごとに成熟して魅力的になっていくわけではないのだな、と感じてしまいます。(身体の不調がある時は誰しもが横柄になることはありますが・・・)
そして、資産形成において最も大切なことのひとつが「お金に対する精神年齢が成熟している」ということです。
・親の遺産でいきなり大金を手に入れたが短期間で全て使ってしまった
・退職金をよくわからない投資話につぎ込んだ
このような話というのはありふれていますが、誰しもが陥る可能性のあることです。このようなことにならないためには、お金に対する精神年齢を上げることが対抗策として非常に効果的だということです。
お金に対する精神年齢というのは、すぐに上げることはできません。ある程度の時間がかかることはもちろん、日々出てくる新しい情報を元にアップデートしていく必要があります。
しかし、お金に対する精神年齢が高くすることに時間をかけることに慎重になりすぎる必要はないですね。
・基本的な部分を抑えておく
・資産形成をしながら学習していく
このようなことで経験や知識が身に付き、お金に対する精神年齢というのは確実に上昇していきます。
・暦年齢に伴って上がる年収だけに頼る
・暦年齢ばかりが挙がって精神年齢は低い
このような人生はお金の面から見れば、豊かな人生を送ることができるとは言い難いですね。自分自身でしっかりとお金に対する精神年齢を鍛えて資産形成していくことが大切だと、私は考えています。
ご覧いただきありがとうございました。
年齢においては、肉体年齢も非常に大切ですね。
お金に対する精神年齢が低ければ、生涯年収が十分であるにも関わらずお金に困ってしまいがちですね。
お金に対する考え方は浪費や消費に表れます。浪費とは必ずしも悪いものではありません。