外貨預金
外貨預金は会社員や公務員の資産運用として一定の人気があります。
人気の理由としては、保険営業の方の影響力が非常に強いですね。はじめる場合の大半のケースは、生命保険や傷害保険に加入後にさらに進められて資産投下するケースです。
外貨預金の仕組みをザックリと言ってしまえば、自国と他国の金利差の為替差益によって、利益を生み出すようになっています。
預金という名称が付いていますが、実際のところ外貨預金は株式などと同じようなリスクがそれなりにある金融商品と捉えておいてよいですね。
私たち日本人は基軸通貨が日本円なので、他国のとの為替関係が円安に触れれば利益を出すことができますが、円高に振れれば損益を出す金融商品ということです。
仕組み自体はそれほど悪いものではないので、外貨預金には様々なメリットが存在します。そのため、保険営業の方は外貨預金の勧誘では様々な言葉を使ってきます。
・日本の銀行金利よりも利率がよい
・金利を確実に受け取ることができる
・手間がかからない
勧誘理由としてはこのような理由からですね。これだけ聞くと、魅力的な金融商品と考えることができます。しかし、外貨預金で一定の資産を築いていくことは多くの方にとっては、非常に難しいですね。
外貨預金で資産を増やすことが難しい理由は少なからずありますが、主な理由は以下の3つです。
・為替リスク
・利率が高いのは新興国
・インフレリスク
注意点として非常に大切なのがこの3点です。順番に触れていきます。
為替リスク
外貨預金で資産形成が難しい理由の1つ目は「為替リスク」です。
外貨預金は現地通貨で預金をしている性質上、必ず為替リスクが存在します。
為替は上がることや下がることがありますが、長期的な上下動に一貫性はありません。ずばり言ってしまえば、為替の予測はすることができないということです。
そのため、預金を使おうと円建てにした場合、預金の利息が年間5%ついて、現地通貨ベースでは資産増加していても、円建てでは評価額を大きく落としている、というリスクが存在します。(当然、大きく増えていることもあります)
この利率はあくまでも、現地通貨の利率を表したもので、円建てで考えることはできないということです。
利率が高いのは新興国
外貨預金で資産形成が難しい理由の2つ目は「利率が高いのは新興国」だということです。
例を挙げるなら、南アフリカランドなら年利36%(税引後28.68%)と非常に高い利回りです。しかし、新興国の銀行は日本をはじめとする先進国の銀行と比較すると、安全性が大きく劣っています。
銀行は預金を他の人や企業に貸し出して儲けることをしています。
その貸付と預金利息の差額で儲けているということです。そして、新興国では、銀行が企業に対する貸付金利が先進国よりも遥かに高いため、外貨預金の利率も高くなるのです。
しかし、高い金利で企業に貸し付けているということは、それだけ貸し倒れのリスクがあるということです。
日本の銀行は企業に対する貸付は非常に慎重です。綿密に決算書などを読み込み、確実に回収できる金額しか貸付を行いません。メガバンクなどは、その傾向は徹底しています。
日本をはじめとする先進国の銀行は、預金者の財産保護が高い水準で担保されているのですね。銀行といっても、先進国の銀行と新興国の銀行を同じと考えることはできないのですね。
インフレリスク
外貨預金で資産形成が難しい理由の3つ目は「インフレリスク」です。
外貨預金には多くの場合、インフレリスクが伴います。高金利の国はインフレが進んでおり、通貨の価値は年々下がっていきます。新興国では年間インフレ率が5%を超えている国々もあります。
外貨預金によって、預金が現地通貨ベースで3%上昇していても、5%のインフレが進んでいれば、預金の価値は目減りしてしまっているのですね。
資産運用をしていて、インフレリスクは避けることはできません。世界的にはインフレが進んでいるからですね。
・経済成長
・貧富の格差解消
・技術革新
これらのことは世界中で起こっており、物の価値が上昇していくことは当たり前だからです。インフレリスクは避けることはできませんが、ある程度の対策は可能です。その一番の対応策は海外株式への投資です。
YOHの考え
外貨預金はメリットとして利回りが高いことが挙げられますが、デメリットもあります。そして、メリットとデメリットを比較した場合、デメリットが上回っているというのが私の印象です。
・為替リスク
・利率が高いのは新興国
・インフレリスク
大きなデメリットとして挙げられるのはこの3つです。この3つのデメリットがあるため、外貨預金では資産形成が難しいということです。
私自身は外貨預金を資産形成の一部として検討したことがあります。その主な理由はインフレリスクに備えるためです。
・外貨
・不動産
・株式
・コモディティ
インフレに備えるには、このようなものが一般的だと考えられています。
通貨の価値が下がるのであれば、モノを持っていればよい、という考えですね。通貨の価値が下がると言っても、国別で見て行けば、通貨の価値が長期的に見て上昇していく国を見つけ出すことは比較的容易です。
その国の通貨を保有していれば、インフレリスクにはある程度対応できるからですね。しかし、外貨預金のメリット、デメリットを比較した場合、デメリットが上回っていると考えました。
・為替リスク
・手数料
・手間
これらのデメリットを考えると、私の資産運用規模では割に合わないというのが、外貨預金の感想です。
平均的な年収から逸脱しないような公務員・会社員がインフレに備えるには、外貨預金は適していないというのが私の考えです。
自国のインフレに備えるのであれば、海外株式へのインデックス投資で十分に対応可能だということです。
・手間がかからない
・長期的に見ればほぼ確実に資産が増える
・世界中の成長を享受できる
・お金の流動性が高い
・インフレ、デフレに対応できる
このような面で海外株式へのインデックス投資は大変優れています。外貨預金は資産を大きく増やすことができる可能性がありますが、安定せず、長期投資には向いてないと私は考えています。
多くの人は着実に資産を増やしていけばよいのということです。
外貨預金自体はそれほど悪い仕組みというわけではありません。しかし、保険商品としてパッケージ化されているものには注意が必要です。金融商品として非常に癖があるということです。
外貨預金の仕組み自体がしっかりしていても、手数料負けする可能性が高くなってしまうからです。
・自分自身で手間をかけて行う
・自分自身で商品選定を行う
このような考えてするのであれば、リスクに見合ったリターンを得ることができる可能性がある金融商品でだということです。
ご覧いただきありがとうございました。
海外株式へのインデックス投資はこちらの記事でまとめています。
海外株式投資の中心は米国株投資だと考えています。それについては、こちらをご覧ください。
バランスファンドへの投資については、こちらをご覧ください。