- 株式投資の評価額
- 長期投資家はインカムゲインを育てていく方がよい理由
- 資産投下額が多くなれば、得ることのできる利益が増加していく
- 手間をかけずに利益を得ることができる
- 安全性と確実性が高い金融商品を選びやすい
- YOHの考え
株式投資の評価額
株式投資をする場合、投資家が求めているものは2つの利益です。
・キャピタルゲイン・・・資産の売買益によって得ることのできる利益
・インカムゲイン・・・資産を保有していることによって得ることのできる利益
株式投資はこの2つによって、利益を出して資産を増やしていくことになります。それぞれ利益を得るという面においては同じですが、性質は大きく異なっています。短期間に大きく資産を増やすことに向いているのはキャピタルゲインです。
・100万円で購入した株式が1年で500万円になった
このようなケースはネット上を見てもありふれているからですね。しかし、誰しもがこのようなキャピタルゲインを得ることができるわけではありません。
・100万円で購入した株式が50万円になった
むしろ、このようなケースの方が多いということです。リスクを高くすればするほどリターンを得ることが難しくなるということです。
一方で、インカムゲインはそのような爆発力はありません。平均的なリターンを狙うのであれば2~5%、超高配当のカバードコールETFなどでも10~12%ほどの利回りですね。
キャピタルゲインとインカムゲインはどちらがより優れているということはありませんが、長期投資前提であれば、どちらが相性がよいかというのはある程度の答えは出ています。
資産を保有しておくだけで利益を得ることができるインカムゲインの方が向いているということです。
・長期投資家はインカムゲインを育てていく方がよい理由
今回はこの点について考えてみたいと思います。
長期投資家はインカムゲインを育てていく方がよい理由
前提条件として、長期投資家が資産形成において求めているものは、「安全性と確実性」です。
・安全性・・・元本毀損をしないように資産を増加させていく
・確実性・・・積み上げた資産が確実にリターンをもたらしてくれる
長期投資家はこの2点を求めているということです。
もちろん、株式投資である以上、それ相応のリスクはありますが、その中でもより安全性と確実性の高いもので資産形成していくということです。
そして、安全性と確実性を高めるということは時間を犠牲にするということでもあります。
・短期間で資産1億円に到達
・短期間で資産を倍増させる
このような可能性を諦める必要があるということです。
そして、安全性と確実性の高く資産を増加させていく方法として好まれるのが、インカムゲインを育てていくという投資手法です。
・資産投下額が多くなれば、得ることのできる利益が増加していく
・手間をかけずに利益を得ることができる
・安全性と確実性が高い金融商品を選びやすい
インカムゲインを育てていくのはこのようなメリットがあります。順番に触れていきます。
資産投下額が多くなれば、得ることのできる利益が増加していく
インカムゲインを育てていくメリットのひとつ目は「資産投下額が多くなれば、得ることのできる利益が増加していく」ということです。
インカムゲインを多く得るために大切なのは、パーセンテージではなく投下資産額の大きさです。投下資産額が少額の間は、数パーセントの差は誤差と言ってよいほど資産形成に影響を与えません。
・100万円を年利10%で運用 → 1年間で10万円のリターン
・1億円を年利2%で運用 → 1年間で200万円にリターン
この例はやや極端ですが、言いたいのは、投下資産を増やす方がリターンを得る方法としては適切だということです。
・利回りが数パーセントの差の金融商品を見比べる
・0.01%の手数料の差によって金融商品を乗り換える
インカムゲインを育てていく上でこのようなことはそれほど重要ではないということです。それよりも、投下資産額を増加させることに力を注ぐ方が結果としてリターンが大きくなるということです。
手間をかけずに利益を得ることができる
インカムゲインを育てていくメリットの2つ目は「手間をかけずに利益を得ることができる」ということです。
キャピタルゲインとインカムゲインの大きな違いは利益を得るためのプロセスです。
・キャピタルゲイン・・・安く購入、高く売却するための時期を見極め判断して行動して利益を得る
・インカムゲイン・・・半自動的に利益を手にすることができる
キャピタルゲインとインカムゲインにはこのような違いがあるということです。どちらが手間がかからないかと言えば、インカムゲインを得るであることは明らかです。
キャピタルゲインというのは、買った後や売った後にも必ずといってよいほど後悔が出てきます。
・あと数日待って購入すればさらに安く購入することができた
・もっと早くに売っておけばさらに大きな利益を得ることができた
キャピタルゲインを得るのであれば、このような後悔に日々向き合う必要があります。
これは精神的にも非常に負荷がかかる行為です。
そして、精神的負荷というのは、長期投資においては少なくしておいた方がよいということです。
・日々、株式相場の動きを気にする
・仕事中も株式のことが気になる
このようなことは日常生活、資産形成においてもよいことが無いということです。
安全性と確実性が高い金融商品を選びやすい
インカムゲインを育てていくメリットの3つ目は「安全性と確実性が高い金融商品を選びやすい」ということです。
インカムゲインを得るために資産投下する金融商品は安全性と確実性の高いものを選ぶ必要があります。
そして、そのような金融商品というのは多くはありませんが、誰にでも見つけて購入することができます。
・優良な指数をベンチマークとしており、手数料が安い投資信託やETF
・毎年着実に成長して配当金を出している企業
・財務優良で安定した経営方針を取っている企業
このようなものは少しの手間をかけるだけで誰しもが簡単に見つけることが可能です。そして、そういった金融商品や企業に資産投下することもまた、簡単にすることができます。
そして、それを続けているだけでインカムゲインを得ることができるということです。
YOHの考え
長期投資家であれば、インカムゲインを育てていく方がよい理由について触れてみました。
・資産投下額が多くなれば、得ることのできる利益が増加していく
・手間をかけずに利益を得ることができる
・安全性と確実性が高い金融商品を選びやすい
私は3つの理由から、キャピタルゲインよりもインカムゲインを得る方が長期投資においては大切だと考えています。
インカムゲインがキャピタルゲインよりも優れている点は、手間のかからなさと誰にでもできるという再現性の高さです。
冒頭でも触れましたが、元手の少ない状態で、短期間で大きく資産を増やすには資本を売買することによって利益を生み出すキャピタルゲインを得ることが向いています。
しかし、この手法は誰にでもできる方法ではありません。そして、時間をかけた分だけ成果が上がるかと言えばそうではありません。また、投下資産を大きくした分だけ利益が大きくなるわけでもありません。
・時間をかけて選定した銘柄が思うような値動きをしない
・投下資産を大きくしたが、思うような利益を得ることができない
キャピタルゲインを得る際に、このようなことはありふれています。
もちろん、インカムゲインを得る際にもこのようなことは起こり得得ますが、よりどちらに安全性と確実性があるかと言えば、インカムゲインだということです。
私はインカムゲインの最も優れているところは時間と共に育てていくことができるところだと考えています。
・キャピタルゲイン・・・一度売って利益を得ればそれで終わり
・インカムゲイン・・・保有して大きくしていけば得ることができる利益が大きくなる
この違いがキャピタルゲインとインカムゲインの大きな違いで、多くの長期投資家にとっては、インカムゲインを育てていく方が向いているということです。
時間をかけてインカムゲインを得ることができる金融資本を大きくしていく。長期投資とは、このようなものだと私は考えています。
ご覧いただきありがとうございました。
実際には、キャピタルとインカムの両方を狙うことができる金融商品が好まれていますね。全世界株式インデックスファンドなどがそうですね。
インカムゲインを育てていても思うように育たない停滞期というのは必ず訪れます。そんな時は基本に立ち返る必要がありますね。
インカムゲインを育てつつ、キャピタルゲインを狙うようなコアサテライト戦略は有効な投資手法のひとつです。