iDeCoとつみたてNISA
公務員や会社員が株式投資をはじめれば最初にすることは、iDeCoとNISA制度の枠を使い切るようにすることだと言われています。
・iDeCo 月1.2万円~2.3万円(年間14.4万円~27.6万円)
・一般NISA 年間120万円
・つみたてNISA 年間40万円
一般NISAとつみたてNISAは同時にすることができないので、どちらかになりますが、公務員や会社員にはつみたてNISAの方が相性がよい場合が多いですね。
一般NISAは年間拠出額や商品選定に幅があり、積立期間がつみたてNISAよりも短いことから、万人向けではないということです。短期投資をする方にとっては、つみたてNISAよりも一般NISAの方が使い勝手がよいですね。
しかし、iDeCoとつみたてNISAの枠を使い切るには毎月少なくない金額を積立てし続ける必要があります。そして、積立金額が順調に積みあがっていくわけではありません。
・資産投下している金融商品の価格が下がれば、積立金も減少する
・年間積立額以上の含み損が出ることもある
このようなことは当たり前に起こるということです。そして、これらのことがあってもiDeCoとつみたてNISAを続けるには公務員や会社員が行う資産運用についての理解が必要不可欠だということです。
私は公務員や会社員の資産形成にiDeCoとつみたてNISAほど相性がよい金融制度は無いと考えています。今回はiDeCoとつみたてNISAが何故公務員や会社員の資産形成と相性がよいのかについて考えてみたいと思います。
公務員や会社員の資産形成の基本
公務員や会社員の資産形成の基本は以下の3つの原則を実践することです。
・長期
・分散
・積立
この3つを同時に行うことによって資産形成を行うことが、公務員や会社員にとって最も手軽で多くの方が実践しやすい方法だということです。
長期
公務員や会社員の資産形成の基本は長期間行うことです。
1年~5年というのではなく、少なくとも15年以上を資産形成の期間として見ておく必要があります。この資産形成期間は長ければ長いほどよいですね。期間を長く取れば期待している平均的なリターンに収束していくからですね。
長期投資の大前提としては長期的に右肩上がりの金融商品に資産投下することです。しか
し、長期的に右肩上がりの指数であっても単年で見ればプラスマイナスで大きな差が出ることは当たり前ということです。株式市場というのは単年で見ればボラティリティが非常に大きいからですね。
しかし、そのボラティリティの大きさも長期的に見れば収束していくことがわかります。
この図では25年で上下10%ほどの差が出ていますが、30年以上で考えれば、平均的な11%ほどに収束されることは自然な流れと捉えることができますね。
公務員や会社員の資産形成は短期的に利益を求めるのではなく、長期的に安定した利益を求める方が勝ちやすいということです。
分散
公務員や会社員の資産形成の基本2つ目は資産投下対象に分散性を求めることです。投資の格言で言えば「卵をひとつの籠に盛るな」ということです。
・リスクが同じ場合はリターンが高い方を選択する
・リターンが同じであればより分散されているものを投資対象とする
これがモダンポートフォリオ理論の原則です。このことから考えても、少ない銘柄に集中投資することは非常にリスクが高いことがわかります。
しかし、少ない銘柄に集中的に資産投下することは短期間で資産を大きく増やすことが可能というメリットがあります。
しかし、公務員や会社員は属性的に短期間で大きく資産を増やす必要性がないのですね。
公務員や会社員が優れているところは、給料という毎月のキャッシュフローがあることです。
そして、それが40年以上継続されることにあります。そのため、少ない銘柄に集中投資などの大きなリスクを取る必要がないということです。
積立
公務員や会社員の資産形成の基本3つ目は積立です。
公務員や会社員は毎月一定のキャッシュフローがありますが、そこから資産運用に充てることができる金額はそれほど多くはありません。
・月30万円以上
・年間300万円以上
このような金額を資産運用に充てることができる公務員や会社員は非常に稀だということです。
多くの世帯では月に数万円というのがスタンダートです。そして、大きな額を一括投資するよりも、毎月捻出できる金額を淡々と積み上げて行く方が勝ちやすいということです。
一括して株式を購入する場合、購入時期の見極めが非常に重要です。
安く買えた時点でその投資は成功しているといってよいですね。売るタイミングによって利益に差が出ますが、元本毀損して損をすることがないからです。しかし、この一括投資で成功することは非常に難易度が高いですね。
・株式の価格
・PEレシオ
・PBレシオ
このようなことから割安と判断しても株価が上がらないということはありふれているからですね。そのため、平均的な値段で購入するためには、定期的な積立で購入し続けることがよいということです。
・安い時は多くの口数が購入できた
・高い時は少ない口数しか購入できなかった
積立にはこのような特徴があり、高く購入した時は割高感がありますが、それでよいということです。定期的に積み立てることで安く買える時期を見逃さないようにできるからですね。
YOHの考え
公務員や会社員の資産形成の基本は「長期・分散・積立」です。
そして、その3つと相性がよいのがiDeCoとつみたてNISAだということです。iDeCoとつみたてNISAは制度設計上、この3つをすることができるようになっているということです。
・毎月の拠出額が決まっている(iDeCo)
・年間拠出額が決まっている(NISA)
・運用期間が長期になる
・選択できる金融商品が長期投資前提
iDeCoとつみたてNISAはこのような特徴があるからですね。「長期・分散・積立」が公務員や会社員の資産形成の基本だとしても、それを実践し続けることは簡単ではありません。
SNSをはじめとするインターネット空間には少ない元手で、短期的に多くの利益を上げておられる方が溢れています。そのような方を見ると、「長期・分散・積立」を継続することが正しいことなのかどうかわからなくなります。
そのような気持ちは誰しもが抱いてしまうものだということです。そのため、ある程度オートマチックに「長期・分散・積立」をできるシステムが必要だということです。
それが、iDeCoとつみたてNISAですね。これらは国が長期投資を促すために作った制度で、誰でも簡単に「長期・分散・積立」を実践することができます。
・毎月一定のキャッシュフローがある
・働いていれば安定したキャッシュフローが長期間ある
お金の流れに関してこの2つの特性を持っている公務員や会社員の資産形成と相性がよいのが「長期・分散・積立」です。そして、それを簡単に継続させてくれるのがiDeCoとつみたてNISAだということです。
ご覧いただきありがとうございました。
iDeCoとつみたてNISAをするだけでは老後2,000万円問題は解決しません。お金を作る仕組みを持つ必要がありますね。
iDeCoは選択できる金融商品が複数あります。選ぶ際のポイントについて記事にしています。
つみたてNISAは投資期間20年、運用期間40年の長期投資前提の金融制度です。