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iFreeNEXTFANG+インデックスは限られた投資家向けの投資信託

iFreeNEXT FANG+インデックスについて

 新NISAが開始されて1ヶ月が経過していますが、その投資先として人気があるのが外国株式を中心としたインデックスファンドです。

 ・eMAXISSlim全世界株式

 ・eMAXISSlim米国株式(S&P500)

 この2つのインデックスファンドが多くの資金を集めており、どの証券会社の買付ランキングを見ても第1位、2位となっています。

 そして、第3位以降を確認していくと同じようなインデックスファンドが名前を連ねていますが、少し毛色の異なるファンドがランキングされていることがわかります。

 その毛色の違うファンドのひとつが「iFreeNEXTFANG+インデックス」です。

 このiFreeNEXTFANG+インデックスは名前にインデックスとついているとおり、特定の指数に連動する成果を出すことを目的とした投資信託ですが、その特色はS&P500インデックスファンドやオールカントリーインデックスファンドとは全く異なっています。

 そして、このiFreeNEXTFANG+インデックスを新NISAの投資対象としてよい投資家は極めて限られているというのが私の印象です。

 ・iFreeNEXTFANG+インデックスについて

 ・iFreeNEXTFANG+インデックを新NISAの投資対象としてよい投資家とは

 今回はこの2点について触れてみたいと思います。

iFreeNEXTFANG+インデックス

 iFreeNEXTFANG+インデックスは大和アセットマネジメントから2023年10月24日に使用開始された投資信託です。

 ファンドの目的は米国上場企業の株式に投資し、NYSE FANG+指数(配当込みで円ベース)の動きに連動する投資成果を目指すことです。

 指数としているNYSE FANG+は米国の情報技術大手4社であるフェイスブック(現在のメタ)、アマゾン、ネットフリックス、グーグル(アルファベット)の頭文字をつないだ「FANG」に6社を加えた計10社の銘柄で構成されています。

 ・アップル

 ・エヌビディア

 ・テスラ

 ・マイクロソフト

 ・ブロードコム

 ・スノーフレイク

 FANGにプラスされている6社については以上のようになっています。テスラなどは電気自動車メーカーですが、基本的に全ての企業が情報技術産業に大きく力を入れている企業であることがわかります。

 このNYSE FANG+が指数として優れているところは、そのパフォーマンスの高さです。

出典 Googlefinance

 直近5年のチャートをVOO(S&P500)と比較するとそのパフォーマンスの高さは明らかです。

 厳選した銘柄のみで指数を構成することによって、大きなパフォーマンスを維持していることがわかります。

 そして、NYSE FANG+指数をベンチマークとしているiFreeNEXTFANG+インデックスは投資信託としても多くの資金を集めており、管理費用も低コストと言ってよい水準です。

 ・時価総額 944億円(2024年2月時点)

 ・管理費用 0.7755%

 時価総額と管理費用はこのようになっています。

iFreeNEXTFANG+インデックを新NISAの投資対象としてよい投資家とは

 私はiFreeNEXTFANG+インデックスは非常に優秀で投資対象としての基準を満たしている投資信託であると考えています。

 しかし、新NISAで投資をする際に誰にとってもおすすめであるかと言えばそうではないですね。

 iFreeNEXTFANG+インデックスを新NISAの投資対象とできる投資家は非常に限られています。

 その限られた投資家とは「お金に余裕がある」投資家であるということです。

 ・新NISAの年間投資可能枠360万円がそれほど大きい金額と感じない

 ・安全資産(現金や債券等)を多く保有している

 ・年収が高く安定したキャッシュフローを維持することができる

 お金に余裕がある、というのを例に挙げるとこのような背景を持つ投資家です。

 iFreeNEXTFANG+インデックスを新NISAの投資対象とするために、このような条件を満たしておく必要がある理由は、指数としているNYSE FANG+の特徴にあります。

 ・構成銘柄が10銘柄と分散性に優れているとは言い難い

 ・特定のセクターに偏った銘柄構成である

 ・ボラティリティが高い

 NYSE FANG+にはこのような特徴があるからですね。特に注意をしておきたいのは、ボラティリティの高さです。

出典 Googlefinance

 直近6ヶ月のチャートを確認すると、VOOと同じような値動きをしていますが、その値動きはいずれもVOOと比較しても急激で大きいことがわかります。

 ・上がる時は大きく上がる

 ・下がる時は大きく下がる

 この動きを許容できるだけの投資家でなければiFreeNEXTFANG+インデックスを新NISAの投資対象とすることは難しいということです。

実質的には集中投資であると考えておいた方がよい

YOHの考え

 今回はiFreeNEXTFANG+インデックスを新NISAの投資対象とすることについて考えてみました。

 iFreeNEXTFANG+インデックスは非常に優秀な投資信託で投資をしていれば資産を増やすことができる可能性が高い、というのが私の考えです。

 iFreeNEXTFANG+インデックスは新NISAの成長投資枠だけではなく、積立投資枠でも買付ができることからも、制度設計が優れていることは明らかです。

 しかし、iFreeNEXTFANG+インデックスが誰にとっても新NISAの投資対象として適切であるかと言えば、そうではないですね。

 iFreeNEXTFANG+インデックスに投資をして資産を増やすことができる投資家というのは限られているということです。

 その限られた投資家というのは「お金に余裕がある」投資家です。

 ずばり言ってしまえば、iFreeNEXTFANG+インデックスは大きくリスクを取ることができる投資家にとって投資対象となる投資信託であるということです。

 そして、積立投資にも向いているとは言い難いですね。その理由はベンチマークとしているNYSE FANG+の構成銘柄が10銘柄と限定されていることにあります。

 ・月3万円の投資資金全てをiFreeNEXTFANG+インデックスに充てる

 ・iFreeNEXTFANG+インデックスを積立投資の軸にする

 このような投資手法とは相性が悪いということです。

 ・サテライト的に米国情報技術セクターの比率を上げたい

 ・割安な時に大きく買付をする

 iFreeNEXTFANG+インデックスはこのような投資手法が向いている投資信託であるというのが私の印象です。

 iFreeNEXTFANG+インデックスは新NISAの買付ランキングでも非常に人気があり、多くの証券会社でベスト10以内に入っています。

 そして、1月からの好調な相場と円安の影響もあり、パフォーマンスも非常に好調です。

 しかし、これが永続的に続くかと言えばそうではないですね。必ずパフォーマンスが大きく落ち込む時は来ます。

 そして、そのパフォーマンスの落ち幅はS&P500やオルカンと比較すると急激となる可能性が非常に大きくなるということです。

 その下落時に耐えることができるのであれば、iFreeNEXTFANG+インデックスは大きなリターンをもたらしてくれる可能性がありますが、資産状況に余裕がなければ耐えることは難しいものになります。

 iFreeNEXTFANG+インデックスは非常に優れた投資信託ですが、新NISAの投資対象となる投資家は限られています。

 ・暴落に耐えることができる

 ・株式の暴落を気にしないほどのリスク分散ができている

 このような投資家のみが投資対象とすることができるのがiFreeNEXTFANG+インデックスだと私は考えています。

 ご覧いただきありがとうございました。

 SBI・Vシリーズに加わったSBI・VYM(分配重視型)についてはこちらで記事にしています。

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