YOH消防士の資産運用・株式投資

消防士の資産運用、株式投資、仕事について紹介しています。

分散投資としてバランスファンドを選択することについて

分散投資

 長期投資の基本は分散投資です。しかし、何でもかんでも分散させればよいということではありません。100銘柄保有しているから分散投資ができている、とは言えないということです。

 株式投資における分散とは、リスクが同じならより分散されているものに資産投下するということです。

 ・個別銘柄10銘柄で利回り4%

 ・国際分散投資で利回り4%

 この場合、長期投資で考えるのであれば国際分散投資を選択する必要があるということです。短期的な視点で見れば資産増加の期待ができるのは「個別銘柄10銘柄」の方ですが、そこは考えないということです。長期的な目線で見れば個別銘柄10銘柄というのは長期的な右肩上がりになるのかがわからないからですね。

 ・10銘柄のうち、1銘柄が上場廃止になった

 ・10銘柄のうち、5銘柄は順調に成長を続けていたが、5銘柄はマイナス成長

 このようになるとパフォーマンスに大きく影響するということです。しかし、広く分散された指数に資産投下していれば、1つの銘柄の落ち込みは他の銘柄で十分にカバーできるということです。

 そして、この分散投資は株式だけだと不十分と考える投資家はすくなくありません。他の金融商品を組み合わせることによって、さらに分散性を高めるということです。

 しかし、特性の異なる金融商品を複数所有することは非常に手間がかかります。

 ・株式

 ・債券

 ・RIET

 このような金融商品は、数が増えれば増えるほど管理やメンテナンスに時間がかかるということです。

 ・株式以外にも分散性が欲しい

 ・アセットアロケーションに債券やRIETを組み込みたい

 ・管理やメンテナンスに時間をかけたくない

 こんな投資家にとって資産投下対象となるのがバランス型ファンドです。

バランス型ファンドとは

 投資信託として大変人気があるのがバランス型ファンドです。

 バランスファンドとは国内外の株式、債券、不動産(REIT)などに資産を均等割りして投資しているファンドです。

 VTは全世界に投資していますが、投資対象は株式のみです。バランス型ファンドは他の金融商品も投資対象としているため、常に一定の人気がありますね。

 バランス型ファンドとしては、eMAXISSlim バランス(8資産均等型)などが有名です。

eMAXISSlim バランス(8資産均等型)

バランス型ファンドとして有名なのは、eMAXISSlim バランス(8資産均等型)です。

 ・国内株式

 ・先進国株式

 ・新興国株式

 ・国内債券

 ・先進国債券

 ・新興国債券

 ・国内REIT

 ・先進国REIT

 これら8つの金融商品に総資産額に対して均等に投資するファンドです。

 株式を見てみると、国内株式はTOPIX連動株式、先進国株式はMSCIコクサイインデックス、新興国株式はMSCIエマージングマーケットインデックスといったメジャーなインデックスファンドと連動しています。

 

f:id:fire-money:20210922124608p:plain

   

出典 eMAXSIS Slimバランス(8資産均等)目論見書


 純資産額の規模は1,207億円とそれほど大きいものではありません。

 運用手数料は0.154%です。

 8資産均等ファンドはSBI証券、楽天証券といったメジャーな証券会社なら購入することができます。iDeCoやつみたてNISAでも選択可能な金融商品となってることからも、長期投資適格商品と考えてよいですね。

バランス型ファンドの実際の特徴とは

 バランス型ファンドを購入する目的は分散投資のためです。

 株式一辺倒で資産運用して資産を増やしていくだけではなく、一定のリスク分散をするのにバランス型ファンドは適しています。

 しかし、バランス型ファンドには欠点もあります。それは、市場規模の大小に関係なく構成比率が同じということです。

 構成されている8つのファンドの資産総額は以下のとおりとなります。

 ・国内株式  401億円

 ・先進国株式 2400億円

 ・新興国株式 686億円

 ・国内債券  146億円 

 ・先進国債券 319億円

 ・新興国債券 58億円

 ・国内REIT  86億円

 ・先進国REIT   109億円

 非常にばらつきがありますね。時価総額が最も多い先進国株式と最も少ない新興国債券を比較すると、40倍以上のスケール差があるということです。

 バランス型ファンドは構成されている資産に対して、総資産額に対して均等に投資するファンドなので、時価総額の小さいファンドの銘柄の比率が高くなってしまうのです。

 実際には、新興国債券や国内REITの比率がかなり高い、というのが8資産均等ファンドであるということは知っておいてよいでしょう。

 株式、債券にバランスよく分散投資したいのであれば、4資産均等のバランス型ファンド(国内株式、先進国株式、国内債券、先進国債券に各25%ずつ)の方がおすすめです。(これも先進国株式の実際の比率が下がるのは避けられませんが・・・)

f:id:fire-money:20210922141012j:plain

自分が何に投資しているかを知ることは資産形成の第一歩

公務員・消防士がバランス型ファンドに投資することは適切か

 インデックス投資家でバランス型ファンドを好まれる方は少なからずおられます。

 ・分散がきいている

 ・株式のみの投資はリスクがある

 ・不動産に投資することができる

 このような複数の要望を1つのファンドで叶えてくれるからですね。しかし、公務員や会社員で長期的な資産形成をしている方がバランス型ファンドに投資するかは意見がわかれることろですね。

 ・給料が安定しており、時間分散をきかせることができる

 ・株式集中投資の利回りに劣る

 意見がわかれる理由はこの2点からです。iDeCoやつみたてNISAでバランス型ファンドを選択することも同様です。私自身は過去にバランスファンドに資産投下していましたが、現在はしていません。

 ・時間分散

 ・給料収入によるリスク分散

 ・現金保有によるリスク分散

 このような資産運用以外でのリスク分散で十分にリスクマネジメントができていると感じたからです。そして、iDeCoやつみたてNISAは長期投資前提なので、株式集中投資でも十分に時間分散でリスクが軽減されるています。

 時間分散によってリスクが軽減されるなら、ディフェンシブな債券をポートフォリオに組み込むのではなく、利回りを取りに行くべきなのが本質的だというのが私の考えです。

 しかし、ある程度資産規模が拡大してくれば、リスクヘッジの一部としてアセットに組み込むのは悪くはない。長期投資家がバランス型ファンドに向き合うのはこのぐらいの感覚でよいと考えています。ご覧いただきありがとうございました。

 長期的な資産運用でリターンを決めるのは金融商品選択ではなくアセットアロケーションによる部分が大きいですね。

fire-money.hatenablog.com

 資産運用で大切なのは規模の把握です。基本的には規模の大きいものに資産投下した方が長期的にリターンは得やすいですね。

fire-money.hatenablog.com

 分散投資としてディフェンシブなETFも候補に挙がることがありますね。

fire-money.hatenablog.com