現物不動産投資
貯金、株式投資などのペーパーアセットによる資産形成が順調に進んでくると、興味を持つのがハードアセット、現物資産への投資です。
・ゴールド
・太陽光発電
このような現物に資産投下して利益を生み出すのがハードアセットによる資産形成です。
そして、ハードアセットによる資産形成で最も人気のあるもののひとつが不動産投資です。
・株式や債券などのペーパーアセット
・現物不動産によるハードアセット
この2つによって資産形成することによって、複数の収入源を作り、自身の資産をより盤石なものにする、というのが資産規模が大きくなってきた時の対処法だということです。
しかし、現物不動産投資というのは資産規模が大きくなれば誰しもが取り組めばよいものかと言えば、そうではないというのが私の考えです。
・現物不動産投資をする理由
・REITと現物不動産投資の違い
今回はこの2点を中心に現物不動産投資について考えてみたいと思います。
現物不動産投資をする理由
現物不動産投資をする際に最も抑えておかなければならないのは、「ハードアセットからのストック収入を得たい」という明確な目的意識です。
・ポートフォリオに不動産セクターを入れたい
・分散投資の一角として不動産を持っておきたい
このようなケースの場合、REITに資産投下した方がよいケースが往々にしてあるということです。
REITとは不動産投資信託と言われる金融商品で、出資者から集めたお金で不動産の売買を行い、賃料や売買益を資金源として、出資者へ配当金を出す金融商品です。
図にすると非常にわかりやすいですね。REITは株式と不動産投資を掛け合わせたような金融商品です。
・安定した配当
・流動性が高い
・分散効果
現物不動産投資と異なり、このようなメリットがREITにはあります。
REITは収益の90%以上を分配するなど、一定の条件を満たせば法人税がかからないので、資金を内部保留せずに、ガンガン投資家に配当金を出す傾向にあります。
また、投資信託という性質を持つため、不動産に投資しながらも、流動性が非常に高いのもポイントの1つです。現物不動産は売却して現金化するのに非常に手間がかかります。
自分が売りたいと思っても買ってくれる人がいなければ売買が成り立たない相対取引だからですね。
そのため、ポートフォリオに不動産セクターを入れたいのであれば、REITの方がよいケースがあるということです。
REITと不動産投資の違い
そして、抑えておきたいのは、REITと現物不動産投資は投資対象ことは不動産と同じですが、投資手法としては非なるものであるということです。
・融資が引けない
・利回りのコントロールができない
・節税できない
REITを現物不動産投資と比較して明らかに下回っているのは、私はこの3点だと考えています。
現物不動産投資の最大のメリットは融資が引ける、自分の手持ち資金を大きく上回るスケールですることができることです。
不動産投資に限らず、投資は多くの資金を持つ投資家は圧倒的に有利な立場です。スケールが大きければ、ローリスクローリターンでも、十分なリターンがあるからですね。
株式投資で融資を受けることはできませんが、不動産投資なら融資を受けてすることができるのです。1,000万円の資金があれば、5,000万円の物件を購入することができる。これが不動産投資最大のメリットですが、REITはそれができないのです。
また、現物不動産投資は自分で利回りをコントロールできるのもポイントです。
・セルフリフォーム
・お宝物件
・価格交渉
このように自分の工夫次第で利回りをコントロールできるのですね。しかし、これは、ある程度の経験や知識、工夫が必要とされ、時間もかかりますね。
さらに、REITは現物不動産と異なり、節税として利用できません。
・青色申告
・各種控除
・事業経費
不動産投資を事業規模で行うなら、このような節税を比較的容易に行うことができます。REITは手間がかからず、安定した配当がありますが、節税道具としては全く機能しないということです。
YOHの考え
今回は現物不動産投資について考えてみました。
現物不動産投資というのは、資産規模が大きくなった方であれば誰しもが一度は考える投資手法です。
・ハードアセットを保有しておきたい
・分散投資をしておきたい
・株式投資以外の投資手法を経験しておきたい
現物不動産投資にはこのような魅力があるからですね。しかし、現物不動産投資をする際に抑えておきたいのは、「ハードアセットからのストック収入を得たい」という明確な目的意識です。
そうではない場合はREITや不動産セクターETFで事足りるケースがあるからですね。
私自身は現物不動産投資を検討したことはありましたが、現在のところ、その熱量は下がり気味ですね。
・ある程度の知識が必要
・初期費用が大きい
・手間暇がかかる
このようなことがネックになっているということです。そして、現在のところ、株式投資だけで特に不満がないというのも取り組むことができていない理由のひとつですね。
いずれにせよ、現物不動産投資というのは会社員や公務員にとってはそれなりにハードルが高いものであるということです。
・ポートフォリオに不動産セクターを組み込みたいのか
・現物不動産投資でなければいかないのか
現物不動産投資については、自分の考えやおかれている状況がこの2つの内どちらかなのかをしっかりと考えて取り組む必要があると、私は考えています。
ご覧いただきありがとうございました。
不動産ETFとしてはIYRなどが有名ですね。SBI証券であれば買い付け手数料と買いやすいのもよいですね。
マイホーム購入は不動産投資に偏ったポートフォリオを組むことになる可能性がありますね。
YOHがフラット35でブラック入りしそうになったことはこちらで記事にしています。