米国株式投資
2024年から新しいNISAがスタートし、ニュースになっているのが、2つの投資信託が多くの資金を集めていることです。
・e-MAXIS Slim 全世界株式インデックスファンド(オルカン) 約1,000億円
・e-MAXIS Slim 全世界株式米国株式(S&P500) 約700億円
新しいNISAがスタートしてわずか数日でこの2つの投資信託で1,700億円を集めたことになります。
資金流入の大きさを見れば、オルカンの方が上ですが、いずれの投資信託にも共通していることは、米国株式が中心に据えられているということです。
オルカンの地域別構成比率を確認すると、60%以上が米国株式となっています。
そして、米国株式はS&P500を中心に構成されています。
このことから、全世界株式を含む米国株式投資をどのように捉えればよいのか、ということを考えた場合、「S&P500の濃度をどのようにするのか」ということだと私は考えています。
・S&P500とは
・S&P500の濃度調整とは
今回は米国株式投資についてこの2点を中心に触れてみたいと思います。
S&P500とは
S&P500について軽く触れておきます。
S&P500は株式投資の世界で最も有名な指数の1つです。
ざっくりと言えば、アメリカのNY証券取引所、Nasdaqなどに上場している代表的な500銘柄を時価総額で加重平均して数値化したものです。
・アメリカ企業であること
・時価総額が53億ドル異常
・浮動株が50%以上
・4四半期連続で黒字利益を出していること
S&P500に組み込まれる銘柄の採用基準として、このようなことが言われていますが、該当しない銘柄も少なからず含まれています。
これは、セクター比率によるものですね。S&P500はアメリカ株式市場全体と同じようなセクター比率になるように意図的に調整されています。
東京証券取引所の上場基準で言えば、プライムで100億円以上、スタンダードで10億円以上が基準なので、S&P500の企業はいかにスケールが大きいかわかります。
S&P500の濃度調整とは
全世界株式投資を含む米国株式投資で大切なことは、S&P500の濃度をどのように調整するのかということです。
S&P500の濃度によって、リスク管理を行うということです。
そして、米国株式投資とは投資信託だけを指すものではありません。
・個別株
・ベンチマークの連動した投資信託・ETF
・アクティブファンドへの投資
大きく分けてもこれだけありますが、ミクロに見て行くと数限りない種類の投資手法があります。しかし、いずれの投資にも共通事項があります。それはS&P500だということです。
個別株にせよ、高配当ETFにせよ、全米株式投資信託にせよ、全ての米国株投資はS&P500の影響を避けることはできないからですね。
・VTI
・VOO
・SPYD
・VIG
・HDV
・QQQ
これらは大変人気のあるETFですが、構成銘柄がS&P500の影響を受けるものばかりです。全世界株式のVTもS&P500の影響を多分に受けますね。
米国株投資をしている投資家は、中心であるS&P500の濃度を調整することによって、リスクとリターンを調整することが、最も効率的で簡単だということです。
YOHの考え
米国株式投資の最もよい方法のひとつは、S&P500のみに資産投下することだと私は考えています。
濃度調節で言うと、S&P500の濃度を100%に近づけるとリターンが大きく上がりますが、そこは個人のリスクの取り方によるところが大きいですね。
・人口増加
・技術革新
・株主主体の法整備
これら米国市場の恩恵を最も享受できるのがS&P500だからですね。
・手間がかからない
・長期投資前提なら元本毀損の可能性が著しく低い
・リターンが十分ある
このことから考えても、バランスがとれており、長期的に確実に資産を増やしてくれるのがS&P500なのです。
しかし、S&P500の濃度が高いほうがよいとわかっていても、そこに全力で資産投下することは難しいですね。
それは人間の心理が働くからです。私はS&P500が投資の軸ですが、全振りしているわけではありません。
・全世界株式インデックスファンド
・全米株式インデックスファンド
このような投資信託も保有しているということです。
しかし、私のように複数の投資信託を持つということは管理が複雑になるというデメリットを抱えることになります。
管理が複雑になるということは、その分ポートフォリオやアセットアロケーションの構築に時間と手間を要することになります。
そして、ポートフォリオやアセットアロケーションの構成に時間をかける=利回りが上がる、ということは投資においては当てはまらないのですね。資産運用はシンプルに考えた方がうまく行くことが多々あります。
米国株式投資でものをいうのは資金力です。ある程度、資金投下しなければ利回りを高めてもリターンは薄いのが、S&P500をコアにした長期的な米国株式投資です。
会社員や公務員が米国株式投資を行うには、時間をかけて構成銘柄を選定して利回りを1%上げるよりも、資産投下できる金額を増やす方が遥かに効率がいいのですね。
・一風変わった投資手法
・多くの人が知らない個別銘柄
・革新的な投資手法
このような目新しいものは目を引きますが、時の流れを受けて洗練されていません。20年後、30年後に残っているか分からないということです。
・古くからあり厳しい時代を乗り越えて生き残ってきたもの
・伝統的なもの
このようなものの方が安全性や確実性が検証されていることは明らかです。その代表がS&P500のような米国株式です。
しかし、今後、S&P500が資産を安全確実に増やしてくれる保証はありません。あくまでも過去の数字を見て、長期的に見れば勝率が極めて高い、ということです。
・長期的に継続して資産投下し続ければ勝率は極めて高い
これが米国株式投資への考え方だと、私は考えています。
ご覧いただきありがとうございました。
S&P500だけで資産形成することはデメリットも少なからず存在します。デメリットについてはこちらで記事にしています。
長期投資において優れているETFのひとつがVOOですね。何故優れているのかについてはこちらで記事にしています。
全世界株式インデックスファンドだけで資産運用をすることのデメリットはこちらで記事にしています。