ETFとは
ETFとは(Extra Trade Fund)の頭文字を取った造語で、日本語では上場投資信託と言われています。投資信託と株式の性質を持った金融商品と捉えることが一般的ですね。
そして、ETFは投資家にとって非常に人気があります。長期投資を前提に資産運用をしている方の中にもETFを中心に資産形成されている方も数多くおられます。
・分散効果がある
・経費率が安い
・商品が豊富にある
・自動買付ができる
・銘柄によっては、買い付け手数料がかからない
このようなことからETFは優れた金融商品と捉えられています。しかし、ETFといっても、種類は様々です。
・株式
・債券
・コモディティ
・暗号通貨
このようなもの投資対象としているETFがあり、株式ひとつを見ても数限りない種類があります。その中で最も優れたETFのひとつがVOO(バンガードS&P500ETF)です。
・VOOの基本データ
・VOOの優れている点
今回は、この2点を中心に、なぜVOOが最も優れたETFであるかについて、触れてみたいと思います。
VOOの基本データ
VOOが最も優れたETFと考えられる理由は以下の3つの理由からです。
・分配金が安定して供給される
・成長性がある
・十分な銘柄分散ができている
この3つを兼ね備えているETFだからですね。そして、この3つを兼ね備えているETFは数多くあるETFの中でも数えるほどしかありません。理由解説の前に、VOOについて軽く触れておきます。
・VOO(バンガードS&P500ETF)
・ベンチマークはS&P500
・上場市場 米国 NYSE Arca
・構成銘柄は米国大型株
・設定日 2010年9月
・時価総額 40兆円
・株価 367ドル(2023年3月23日時点)
・配当利回り 1.64%
・直近5年トータルリターン 9.98%
構成上位10銘柄で約30%を占めていることがわかります。
直近5年間の株価の推移はきれいな右肩上がりですね。5年間で株価が約2倍に成長しています。VOOの基本的なデータが分かったところで、VOOの優れている点についてみて行きます。
分配金が安定して供給される
VOOが最も優れたETFのひとつである理由のひとつ目は「分配金が安定して供給される」ということです。
VOOは設定開始の2010年から安定して分配金を出し続けています。率にして1.2%~2.5%です。高配当とは言い難いですが、悪くない分配金率です。
安定して分配金が出るということは、インカムの計算が非常にしやすいということです。個別株であれば、このようなことは非常に難しいですね。
・業績によっては分配金が無い
・分配金の増減が激しい
このようなことでは、インカムゲインの計算がし難く、年度によって投資運用成績が安定しないということが起こるということです。
成長性がある
VOOが最も優れたETFのひとつである理由のふたつ目は「成長性がある」ということです。
これは、ベンチマークをS&P500としていることが大きな理由ですね。
オレンジがVOO、赤がVYM、緑がHDV、青がSPYDの成長率のグラフです。VYM、HDV、SPYDなどは高配当ETFとして非常に人気がありますが、成長性の面ではVOOに大きく遅れをとっていることがわかります。
長期投資において大切なのは配当金よりも成長性です。その点でVOOは長期投資において優位性があるのですね。
十分な銘柄分散ができている
VOOが最も優れたETFのひとつである理由の三つ目は「十分な銘柄分散ができている」ということです。
こちらはオレンジがVOO、青色はQQQの成長率のグラフです。成長性においては、QQQがVOOをアウトパフォームしていることが分かります。それならば、QQQの方がETFとして優れているのかと言えばそうではありません。
・VOO 500銘柄
・QQQ 100銘柄
長期投資において大切なことは銘柄分散です。利回りや成長性が同一ならより多く分散投資されている方が、値動きがマイルドになり、安定性が増すからです。
値動きが少ないということは、精神的な安定につながります。
・1週間で10%株価が下落
・下落した株価がなかなか戻らない
いずれは株価が元通りになるとしても、このようなことは気持ちのよいものではありません。
最近一カ月の値動きを見ても、QQQは大きく株価を下げていることがわかります。これは、ハイテク株が中心で値動き幅が大きいということです。
十分な銘柄分散ができていることは、精神的な安定につながるということです。
YOHの考え
・分配金が安定して供給される
・成長性がある
・十分な銘柄分散ができている
VOOが優れている点は、この3つを兼ね備えていることです。
・分配金が安定して供給される → ◎
・成長性がある → △
・十分な銘柄分散ができている → ×
高配当ETFとして非常に人気のSPYDを評価するとこのようになります。特に銘柄分散という点では不安が残るのですね。
・分配金が安定して供給される → △
・成長性がある → ◎
・十分な銘柄分散ができている → △
成長性から非常に人気のあるETFのQQQを評価するとこのようになります。ひとつひとつの点で見れば、VOOよりも優れた点はあるのですが、3つを兼ね備えているわけではないということです。
投資期間が20年以上取れるのであれば、配当金よりも成長性を重視して株式を購入する必要があります。そして、資産形成が進んで年を重ねていけば、成長性よりも配当金を重視した資産形成をする必要がありますね。
・QQQを積立て → SPYDに買い替え
成長性だけを重視して株式投資していると、配当金が欲しくなったフェーズで配当金が出るETFに乗り換え必要が出てくるということです。しかし、VOOならその必要はありません。
・VOOを積立て → 積立額が増えれば配当金も増える
高配当ETFには見劣りしますが、1.5~2%の配当金が出ることは配当金が必要なフェーズでも大きなアドバンテージになるということです。極端ですが、VOOだけを積立てていても、株式投資としては十分だと私は考えています。
・分配金が安定して供給される
・成長性がある
・十分な銘柄分散ができている
この3つを高いレベルで兼ね備えているETFがVOOだということです。ご覧いただきありがとうございました。
投資信託とETFの優位性については、こちらで記事にしています。
S&P500をベンチマークとしている投資信託でおすすめなのはSBI・Vシリーズです。
日本のETFについてはこちらで記事にしています。