金融商品の乗り換え
長期投資家にとって大きな決断のひとつが金融商品の乗り換えです。
・現在積み立てている投資信託から別の投資信託へ乗り換える
・投資信託からETFに資産投下先を移す
具体的にはこのような決断です。長期投資を投資のコアに据えている投資家は金融商品を頻繁に乗り換えることはしません。
何十年というスパンで同じ金融商品を積み立て続けることが長期投資の基本だからですね。
しかし、他の金融商品に目移りしてしまうということは多々ありますね。
・〇〇という投資信託が非常に人気だ
・〇〇というETFのランニングコストが下がった
このような情報を入手すると、現在資産投下している金融商品を乗り換えたくなるということです。
・長期投資で金融商品を乗り換える際に抑えておくべきポイント
・長期投資で金融商品はどのような時に乗り換えるのがよいか
今回はこの2点について考えてみたいと思います。
長期投資で金融商品を乗り換える際に抑えておくべきポイント
長期投資で金融商品を乗り換える際に抑えておくべきポイントは以下の2点だと私は考えています。
・乗り換えた金融商品に何十年と資産投下することができるか
・金融商品を乗り換えた場合、明らかに得かどうか
この2点について順番に触れていきます。
乗り換えた金融商品に何十年と資産投下することができるか
長期投資で金融商品を乗り換える際に抑えておくべきポイントのひとつ目は「乗り換えた金融商品に何十年と資産投下することができるか」ということです。
先述していますが、長期投資では金融商品の乗り換えを頻繁に行う必要はありません。
・対象となる指数が右肩上がり
・その指数をベンチマークとしている
・手数料が割安であること
投資信託やETFなら、主にこの3点を抑えた金融商品を選定できているのであれば、自分の状況が変わらない限りは乗り換えというのは必要ありません。
・評価額が下がった
・指数が一時的に暴落している
このようなことがあっても、淡々と資産投下を続けることが長期投資においては何よりも大切だということです。
そのため、一度しっかりと金融商品を選定したのであれば、何十年と資産投下を続ける気持ちが必要だということです。
しかし、自身の状況が変われば金融商品の乗り換えを考えなければいけない場面というのは訪れます。
・キャピタルゲインよりもインカムゲインを重視する段階にきた
・対象としているベンチマークと自身の運用方針に根本的な違いが生じてきた
金融商品を乗り換えることを考えるのはこのような状況に置かれた場合ですね。このような場合は、資産投下対象を変更する必要があります。
・同じ指数をベンチマークとしている投資信託からETFに乗り換え
・一国集中の投資信託ではなく、複数の国や地域を含んでいる投資信託へ乗り換え
このようなことを考える必要があるということです。そして、このような乗り換えをする際に満たしておくべき条件は「乗り換えた金融商品は何十年と資産投下できる」ということです。
・乗り換えてすぐに暴落が起きた
・数年資産投下したけど、思ったようなパフォーマンスが出ない
このようなことがあっても、資産投下を続けることができる金融商品を選択する必要があるということです。
金融商品を乗り換えた場合、明らかに得かどうか
長期投資で金融商品を乗り換える際に抑えておくべきポイントの2つ目は「金融商品を乗り換えた場合、明らかに得かどうか」ということです。
この場合の明らかに得かどうか、というのは金銭的な部分だけではありません。金融商品を乗り換える際に多くの投資家が気にするのは利回りやパフォーマンスです。
・今は年利2%だが、年利3%ある乗り換え先が見つかった
・直近のパフォーマンスを確認すると乗り換えた方が得だ
株式投資をしているので、このような金銭的に直接影響のある情報を気にすることは避けることができませんが、金融商品というのは、気持ちとお金のトータルで考える必要があります。
・利回りは少し下げるけど、乗り換え先の方が分散効果が高い
・乗り換え先の方が自分の投資方針と合っている
このような気持ち部分でも損得を考える必要があるということです。特に、長期投資では長期的な精神的な安定というのは欠かすことができません。
・毎日チャートを確認しなければならないほど、ボラティリティが大きい
・上がる時はとことん上がるが、下げ相場になると目も当てられない
このようなことで行う長期投資は誰しもが続けることはできないということです。
・利回りやパフォーマンスといったお金の部分
・安定や安全といった精神的な部分
長期投資での金融商品の乗り換えは、この2つで損得を考える必要があるということです。
YOHの考え
長期投資で金融商品を乗り換える際に抑えておくべきポイントについて考えてみました。
・乗り換えた金融商品に何十年と資産投下することができるか
・金融商品を乗り換えた場合、明らかに得かどうか
長期投資で金融商品を乗り換える際に抑えておくのはこの2点だと私は考えています。
しかし、長期投資で最もよいのは金融商品を乗り換えることなく続けていくことです。
一生涯に渡って、同じ投資信託やETFを購入し続けることが長期投資の理想だということです。人生のフェーズに関係なく、利回りやパフォーマンスを気にすることなく続けていくことがよいということです。
しかし、このような同じ投資信託やETFを生涯に渡って購入し続けるというのは、誰にでもできることではありません。ずばり言ってしまえば、株式投資だけで資産形成をしていない投資家である必要があるということです。
・不動産
・太陽光
・アフィリエイト報酬
このような収入源があるような方は、株式投資だけで利回りやパフォーマンスを考える必要がないからですね。
・株式投資は資産形成の一部なので安定的なパフォーマンスが出ていればよい
このようなスタンスで株式投資を捉えることができるということです。しかし、多くの投資家はこの域まで到達することが難しいということです。
私の場合でも、資産形成のコアは株式投資なので、時期が来れば資産投下先の乗り換えをしなければいけないと考えています。
繰り返しになりますが、長期投資で大切なことは金融商品を頻繁に乗り換えないことです。はじめにしっかりとしたものを選択することができていれば、乗り換えというのはそれほど必要がありません。
しかし、乗り換えを考えなければならない時もあるということです。そのような時に適切な乗り換え先を選ぶことができるようにしておくことが大切だと、私は考えています。
ご覧いただきありがとうございました。
長期投資の損切判断は短期投資とは明確に異なります。その理由についてはこちらで記事にしています。
iDeCoは限られた中で金融商品を選択する必要がありますが、iDeCoについても頻繁に乗り換えをする必要はないですね。同じものに資産投下し続けることがよいということです。
私の場合は、何十年後かにはS&P500インデックスファンドから全世界株式インデックスファンドへ乗り換える必要性はあると考えています。