YOH消防士の資産運用・株式投資

消防士の資産運用、株式投資、仕事について紹介しています。

再任用制度から見る消防士の金銭事情

 再任用制度

 公務員には再任用制度というものがあります。定年退職後も、一定の条件を満たして希望すれば消防組織で雇用される制度です。

 ・給料は退職前の30~40%

 ・地域手当や住居手当などの手当は支給されない

 ・消防副士長、消防士長の階級

 自治体によって待遇は異なりますが、概ねこのような条件で働くことになります。消防士だけでなく、営利企業にもこのような制度はありますね。

 年金の受給年齢が引き上げられていることにより、国や自治体が受け皿として働き口を確保しているわけです。

 消防副士長は下から2番目の階級、消防士長は下から3番目の階級です。個人差はありますが、20代~30代前半の職員がこの階級であることが多いです。

 再任用になると、例外を除いてこの階級で再雇用されることになります。消防副士長、消防士長の役割は車両の運転や消火活動の人員となって活動することです。

 定年までは部隊の指揮をしていた消防司令の方でも、再任用になれば隊員となって現場活動することを求められます。

 消防士には再任用希望者が多い

 この再任用制度ですが、定年退職を迎えた消防士の多くが利用します。私の自治体では80~95%は再任用職員として働くことを希望します。

 ・老後資金はあるが、まだまだ働けるので消防組織で働きたい

 ・年金受給まで働かないと生活することができない

 再任用を希望される方はこの2つのどちらかです。

 老後資金はあるが、消防組織で働きたい。

 このような方は非常に稀です。

 再任用を希望される多くの方は「働かないと生活することができない」という方です。

 お金がない理由

 消防士は60歳で退職を迎えます。退職前の消防士の年収は800~1,000万円です。

 階級が上位であれば年収は増加しますが、営利企業ほどの差はありません。60歳で消防組織の最も下の階級である消防士でも年収は800万円、消防正監などの消防長クラスでも年収は1,000万円前後です。

 地方自治体の消防組織は役職による給料加算は営利企業のそれと比較しても驚くほど少ないのです。そして、年収800万円と言えばかなりの高給です。それでもお金が無い方が非常に多いのです。

 ・住宅ローン

 ・マイカー維持費

 ・浪費

 お金が無い方の多くがこのようなことにお金をつぎ込んでいます。

 なぜこのようなことにお金をつぎ込むのか

 なぜ、消防士はこのようなことにお金をつぎ込むのでしょうか。

 それはずばり、周りの人の普通に合わせているからです。

 

fire-money.hatenablog.com

 

 消防士の給料は安定しているので、高額な住宅ローンを組んでも日々の生活が破綻することはありません。そして、年功序列によって給料が増加していくのに合わせて生活も豊かになっていきます。

 ・数年ごとに車を買い替える

 ・高価な服飾品

 ・贅沢な娯楽費

 これらに日々お金を使ってしまうのです。その結果、日々にお金をかけることはできるし、住宅ローンも問題なく返済できている。しかし、預金や株式などの資産が全くない。

 このような方が非常に多いのです。給料が安定していて年功序列による右肩上がりだからこそ、資産が無い状態に陥ってしまうのです。

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全てのものを手に入れることはできない

 人生設計をしっかりとしよう

 再任用職員として働くことは悪いことではありません。しかし、再任用職員として働くしかないという状況になってはいけません。

 選択肢が限られていることは、人生を豊かにする可能性を狭めてしまいます。30歳で35年の住宅ローンを組む。

 それは、再任用として働くことを見越して住宅ローンを組むということです。それが本当に人生を豊かにすることなのかを立ち止まって考える必要があります。

 マイホームや住宅ローンは使い方を間違えなければ、人生を豊かにしてくれることに間違いはありません。消防士の給料は安定していますが、爆発力はありません。

 給料収入だけで一気に資産が増加することはないのです。それならば、消防士の給料で全てを手に入れることはできません。

 何かを手に入れたいのなら、何かを諦める必要があります。それが、消防士の金銭事情です。もちろん、お金があるからとって、全てのものは手にはいりません。

 人間の欲は限りないからですね。自分の人生において何が必要で何が不必要か。しっかりとした人生設計を行い、それを考えなければいけない時代になっているのです。