YOH消防士の資産運用・株式投資

消防士の資産運用、株式投資、仕事について紹介しています。

重症度と緊急度から考える資産運用

救急活動における緊急度と重症度について

 救急活動で重要なことは数多くありますが、最も重要なことの1つが傷病者の容態把握です。

 ・緊急度

 ・重症度

 この2つを的確に判断しなければなりません。この2つの按排を誤ってしまうと、傷病者が適切な医療を受ける病院に搬送できなくなってしまう恐れがあります。緊急度と重症度は相関関係があるように思われがちですが、そんなことはありません。

重症度

 重症度とは、傷病者の生命予後や機能予後を表す言葉です。

 わかりやすく言えば、どれだけ長く治療を受ける必要があるか、ということです。重症度が高いものとして骨折が挙げられます。骨折は完治するのに早くて1カ月、長いと半年はかかります。

緊急度

 緊急度とは、重症度を時間的に定義した概念と言われています。

 どれだけ早く医療介入させる必要があるか、ということです。緊急度が高いものとして窒息が挙げられます。ものを喉に詰めてしまうと、3分間経てば意識を失い心停止に至ります。緊急度が高い傷病者には素早い医療処置が必要なのです。

重症度と緊急度は相関関係ではない

 重症度と緊急度は相関関係ではありません。

 足の骨折は重症度は高いのですが、緊急度はそれほど高くありません。治るのに時間はかかりますが、10分早く病院についても治る時間は変わりません。

 逆に窒息は重症度は低いのですが、緊急度は非常に高いのです。早く処置をしなければ心肺停止してしまいますが、素早く処置すれば、その場で治ります。

 重症度、緊急度ともに高いのは心肺停止です。

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救急隊は重症度、緊急度を判断している

 救急隊は傷病者の意識状態、バイタルサインなどから重症度と緊急度を判断して適切に病院搬送する必要があります。

 足を骨折している傷病者であれば、すぐに病院搬送するよりも、しっかりと骨折部位を固定して、搬送時に痛みがないようにします。時間をかけて丁寧に傷病者を搬送するということですね。その方が予後がよく治りが早いからです。

 ものを喉に詰めて窒息している傷病者は、気道内異物を除去するのと同時にいち早く病院搬送するように活動を行うのです。搬送に時間をかけている余裕は全くありません。

株式投資でも重症度、緊急度を判断しなければならない

 この重症度と緊急度判定は投資についても同じです。

 投資における重症度とは、その金融商品に資産投下して含み損が出た場合、取り返すのにどれだけの時間がかかるかということ。つまりはリスクです。また、投資における緊急度とは、資産増加のスピードです。

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投資においてリスクが少なく早く資産増加するものは存在しない

 資産運用においては、自分の金融資産の状況(現金、預金、株式、債券、不動産、借金・・・)と属性の状況(年齢、家族構成、年収、生活費・・・)に合わせて適切に重症度と緊急度を考える必要があります。

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資産運用で大切なのはリスクとスピードの管理

消防士の資産運用で失敗する人は自分の状況を把握できていない

 資産運用で大切なことは自分にあった適切なリスクとスピードを取ることです。短期間で多くの資産が必要な時に先物取引をして失敗することは悪いことではありません。結果的に失敗していますが、目的と手段が一致しているからです。

 しかし、消防士の給料状況でリスクを取ることなく、預金だけで資産形成をしていく。これは資産運用の方法として正しいものではありません。老後資金が枯渇してしまう可能性が高いからですね。預金だけで資産形成していくことは本質的ではありません。

 消防士にとってインデックス投資が最も適しているのは、給料状況を鑑みると重症度(リスク)と緊急度(スピード)の判断が適切だからです。

 もちろん、年齢を重ねるにつれてリスクをコントロールしていくことは重要です。そのためには、自分の状況をしっかりと把握することが大切です。