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【公務員の年金が恵まれていたのは過去の話】公務員の退職等給付年金について

年金制度

 日本は国民皆保険制度を掲げており、20歳以上になると、年金制度に加入することになります。自営業者なら国民年金、会社員、公務員なら厚生年金に加入することになりますね。

 会社員や公務員であれば掛金は社会保険料として、健康保険料と同様に給料から毎月天引きされるので、厚生年金加入者は年金を納めないという選択肢はできません。

 年金は基本的に65歳から支給が開始され、老後生活の柱としている方が大半です。厚生年金は現役世代の時に納めていた金額によって支給額は変わりますが、平均的に考えると65歳から受給開始をして16~18万円/月がボリュームゾーンとなります。

 ・夫 月17万円の厚生年金

 ・妻 月6.5万円の国民年金

 ・合計 月23.5万円の年金受給

 夫婦であればこれが年金受給のモデルケースとなります。

出典 厚生労働省 いっしょに検証!公的年金

公務員の年金制度が優遇されていたのは過去の話

 公務員の年金は恵まれている、というのは過去の話です。

 現在の公務員の年金は厚生年金に一元化されており、会社員との違いはありません。公務員の年金制度は「平成24年に成立した年金一元化の法律」によって大きく改革されることとなったからですね。

 ・公務員も厚生年金に加入、年金の2階部分は厚生年金に一元化

 ・公務員の保険料率の引き上げ

 ・職域部分の廃止

 これらの年金改革が平成27年10月から開始され、公務員の年金制度は会社員と同様の年金制度となりました。それを受けて、地方公務員独自の年金制度として「退職等年金給付制度」が作られることとなりました。

出典 平成27年10月から私たちの年金制度が変わります

退職等年金給付制度

 退職等年金給付制度は基本的に国民年金や厚生年金と同じ仕組みです。

 ・毎月の給料から掛金を拠出する

 ・拠出した掛金は利子が付く

 ・退職後に受け取ることができる

 このような仕組みとなっています。積立額は標準報酬月額と付与率をかけたものによって決まることになり、それを毎月積み立てていくことになります。自治体の共済組合の付与率によって異なりますが、積立額は標準報酬月額の1~2%ほどとなります。

 そして、積み立てたお金は年金資源とされて管理され、退職後に厚生年金にプラスして受け取れることになります。

 ・終身年金部分

 ・有期年金部分

 給付される年金はこの2つに半分ずつに分けられています。終身年金は原則65歳から受け取ることができ、有期年金は一時金、10年、20年を選択できるようになります。

退職等年金給付の注意点

 この退職等年金給付には注意しておくポイントがあります。

 ・積立金は元本割れする可能性がある

 ・利息はほとんどつかない

 ・法律改正によって仕組みが大きく変わる

 この3つを注意しておく必要があります。順番に触れていきます。

積立金は元本割れする可能性がある

 退職等年金給付の注意点ひとつ目は「積立金が元本割れする可能性がある」ということです。

 公務員として働いている間に拠出して積み立ている金額は年金資源として管理されるだけで、積み立てた金額をそのまま受給できるわけではありません。

 積み立てた金額と利息は「給付算定基準額」となるだけで、年金給付額決定の基準となるだけです。

 ・多く積み立てたから多く受給できる → 正解

 ・500万円積み立てたから500万円はもらえる → 不正解

 このように考えておく必要があるということです。

利息はほとんどつかない

 退職年金給付の注意点のふたつ目は「利息がほとんどつかない」ということです。退職等年金給付は厚生年金保険給付とともに地方公務員等共済組合法の長期給付として位置づけられています。

 そのため、利息などの給付水準は国債利回り等と連動する形となっています。そして、現在の国債利回りは0~0.05%です。退職年金給付の利息もこの水準で推移しているということです。

 私の自治体を例に挙げると、昨年の利息は0.06%、今年度の利息は0%となっています。

退職年金給付に過度な期待はできない。自分の年金は自分で作る必要がある。

YOHの考え

 地方公務員の年金制度として退職等年金給付がありますが、これに過度な期待をすることはしない方がよいですね。

 ・積立金はあくまでも給付の算定基準となるだけ

 ・利息はほとんどつかない

 過度な期待をしない方がよい理由は主にこの2つが挙げられます。

 ずばり言ってしまえば、自分が年金受給する時にどれだけの金額が受給できるかが全く分からないということです。

 どれだけの金額が受給できるかは厚生年金も同様ですが、おおよその金額を予測することはできます。

 しかし、厚生年金よりも読むことができないのがこの退職等給付だということです。そして、積立額から考えても、それほど大きな金額になることはありません。

 ・月10万円の終身年金

 ・月5万円の20年間有期年金

 このようなことにはならないということです。あくまでも厚生年金のおまけ程度と考えておく方がよいということです。

 今後も年金制度が見直されていくことは間違いありませんが、厚生年金の受給額が下がっていくことは避けることができません。

 ・国民年金(満額で月6.5万円)は大きく変わることはない

 ・厚生年金は減額されていく

 私は年金制度についてはこのように考えています。そして、今後は会社員や公務員が厚生年金受給だけで生活していくことが難しい時代になるということです。その難しい時代を乗り切るには退職等年金給付だけでは不十分だということです。

 ・貯蓄

 ・投資

 ・節約

 ・自分で稼げるスキル

 これらを現役労働者世代の時に身に付けて置かなければ、生き抜くことが難しい時代になると私は考えています。ご覧いただきありがとうございました。

 公務員の王道人生設計は過去のものとなりつつありますね。

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 今年の4月から年金法が改正されています。年金については法改正を確認しておく必要がありますね。

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 年金について考えるにはマクロ経済スライドを確認しておく必要があります。

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