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【1%から0.7%】住宅ローン控除の改正・すまい給付金について

住宅ローン控除について

 住宅ローン控除の正式名称は「住宅借入金等特別控除」と言います。簡単に言えば、住宅ローンを組んだ方が所得税と住民税を免除するという制度です。

 住宅ローン控除の根幹は日本の不景気にあります。不景気の中でも住宅を持つことを促しているので、期間が決まっている時限立法として機能しています。

 ・永続的に持続するわけではない

 ・内容変更も頻繁にある

 時限立法にはこのような特性があります。そして、住宅ローン控除も例に漏れることはないですね。

 ・本来10年だが、期間延長で13年

 ・適応される借入金額の上限は4,000万円(一定の条件を満たせば5,000万円)

 ・返済期間が10年以上

 ・住民税と所得税の支払い総額か年末ローン残高の1%の小さい方

 ・中古戸建は築20年、マンションは築25年以内

 住宅ローン控除で公務員・会社員が抑えておくべきことはこのあたりですが、毎年のように内容が変更されています。そして、2022年度も変更されることが話題になっています。

住宅ローン控除の改正

 ここ数日メディア等で言われているのが住宅ローン控除の見直しです。非常に簡潔に言うと、控除率を現行の1%から、0.7%に引き下げるよ、というものですね。これについては、12月に発表される2022年度の税制大綱を待つ必要がありますが、まず間違いなく行われるでしょう。

 住宅ローン控除については、2021年の税制大綱で2022年に見直す必要があると触れられており、控除率を縮小することは既定路線だからですね。(2021年の税制大綱で2022年の住宅ローン控除に関することが記述されいることから、政府の本気度がわかります。)

住宅ローン控除は見直しが必要

 現在の住宅ローン控除は銀行金利との逆転現象が起きています。住宅ローン控除で1%の控除を受けている方の多くは1%以下の銀行金利で住宅ローンの借入を行って得をしているからですね。

 このような状況では、金銭的に余裕のある世帯でも住宅ローンを組むのがここ10年のスタンダードとなっています。これは、国として看過できることではないですね。

 ローン控除の財源は税金です。税金を使って一定の人だけが得をしているというのは、税金の使い方としては非常に不健全ですね。税金の使い方は常に公平感がもとめられます。

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出典 住宅の補助金・減税・優遇制度オールガイド

すまい給付金について

 住宅ローン控除とセットになっているのがすまい給付金制度です。すまい給付金制度は消費税増税に伴って、住宅取得の税負担を軽減するために作られた制度です。住宅ローン控除とセットで考える必要があります。

 住宅ローン控除について考えてみると、消費税は間接税で、納税者は事業者などを通じて納めますが、所得税は納税者自身が納める直接税です。消費税は所得の差に関係なく納税する必要がありますが、所得税は所得の多い人が多く納める必要があります。

 消費税・・・所得の低い人の負担が多い

 所得税・・・所得の高い人の負担が多い

 消費税増税に伴って拡充された住宅ローン控除ですが、間接税で増えた負担を直接税で返すという歪みが生じています。

 その歪みを解消しているのが住まい給付金です。

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出典 USUKO

 家を購入した方の収入によって、すまい給付金の支給額に差をつけることによって、消費税の増税分を所得税で還付する住宅ローン控除の歪みを解消しようとしているのですね。(実際には、都道府県民税の所得割額によって決まります)

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住宅ローン控除が変わったからといって、住宅購入を焦る必要はない

YOHの考え

 住宅ローン控除の控除率改正については、昨年に発表された税制大綱からも十分に予想できることで、大きな驚きはありません。重要なのは、12月に発表される2022年度の税制大綱です。住宅ローン控除については、さらに大きな改正について触れられていても、不思議ではありません。

 ・ローンの年間支払利息か借入残高1%のどちらか小さい方

 私は、住宅ローン控除については、このような措置が行われると考えています。住宅ローン控除で得をすることを見直す、という考えが国としての意見だからですね。

 住宅ローン控除は公務員・会社員が住宅取得する上では大きな制度です。3,500万円の住宅を購入すれば、結果的に約300万円はディスカウントされるからですね。住宅購入する上で、大きな追い風になることは間違いありません。

 しかし、住宅ローン控除はあくまでもおまけです。

 ・住宅ローン控除の控除額が小さくなるから焦って住宅購入する

 ・住宅ローン控除の知識がないままで住宅購入をする

 このようなことをしては人生設計は非常に難しいものになってしまいます。公務員・会社員にとって、住宅は生きて行くなかで一番高価な買い物です。ボリュームゾーンの3,000万円~4,000万円という金額は人生の方向性を決定づけるだけのインパクトがある金額です。

 ずばり言ってしまえば、住宅購入を失敗してしまうと、会社員・公務員は金銭的に浮上することが極めて難しい、ということです。

 住宅ローン控除の控除率が下がることは、住宅取得を考えている方にとっては大きなニュースです。しかし、制度を使えなかったからといって、人生の方向性に大きな変化はないのですね。

 会社員・公務員にとって、住宅購入は慎重に慎重を重ねて行うものなのです。

公務員・会社員の住宅購入についての考え方はこちらです。

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 公務員・会社員は優位性を使った住宅購入を考える必要があります。金利についての考え方はこちらです。

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