日本政府の政策
今年に入ってから政府は様々な社会保障制度の見直しや少子化対策、子育て支援政策を打ち出しています。
その中でも特に目を惹くのが少子化対策ですね。
岸田総理は年頭に「異次元の少子化対策」という言葉を使い、少子化対策に力を入れていくことを表明しました。
・児童手当を中心とした経済的支援
・幼児教育や保育サービスの充実
・育児休業制度の強化を含めた働き方改革
基本的に政府としてはこの3つのことを中心に少子化対策に取り組み姿勢を見せています。
そして、先日自民党の少子化対策調査会から提出された要望書に記載されていたのが、児童手当の拡充と支給年齢の延長です。
・支給年齢を18歳まで延長する
・第1子には月1.5万円、第2子には月3万円、第3子以降は月6万円
このような要望書を提出したことが大きな関心を寄せています。
特に、児童手当の第3子以降が月6万円というのは非常に大きな金額で子育て支援としては非常に大きなものですね。
実際に第3子以降に月6万円が支給されるとなると、こどもを多く持とうと考える方が増加することは十分に考えられます。
そして、考えておかなければならないのが、今回の児童手当の変更によってどれだけ金銭的な恩恵を受けることができるかということです。
それについては、現在の児童手当の状況と比較する必要があるということです。
・現在の児童手当の総額
・拡充された児童手当の総額
・児童手当の拡充で第3子以降をもつことができるのか
今回はこの3点について考えてみたいと思います。
現在の児童手当の総額
こどもが3人いる場合、現在の児童手当で支給される総額は648万円になります。
内訳としては、第1子、第2子でそれぞれ198万円、第3子以降は252万円ですね。
※誕生日によって数万円の差が出ます。
この総額について確認するため、現在の児童手当について軽く触れておきます。
・中学校卒業まで(15歳の誕生日後の最初の3月31日まで)支給
・3歳未満が1.5万円/月、3歳~中学校卒業までが1万円/月
・第3子以降は小学校卒業までが1.5万円/月、それ以降は1万円/月
・高所得者の場合は0.5万円/月
児童手当の大まかな概要はこのようになっています。支給は年間3回(6月、10月、2月)に4カ月分が銀行口座に振り込まれることになります。
【第1子・第2子】
・3歳未満 1.5万円×36カ月=54万円
・3歳~中学校卒業 1万円×144カ月=144万円
・合計 198万円
【第3子以降】
・小学校卒業まで 1.5万円×144カ月=216万円
・中学校卒業まで 1万円×36カ月=36万円
・合計 252万円
このようになり、児童手当の総額は1人あたり198万円になります(第3子以降は252万円)。
こどもが3人いる場合は総額で648万円給付されることになります。
子育ては非常にお金がかかるので、国がそれを支援してくれる制度ということです。しかし、一定の所得水準以上の方は支給額が減額されてしまいます。
収入額はあくまでも目安ですが、課税所得が622万円以上ならば児童手当は月0.5万円に減額される可能性があるということです。さらに、2022年10月からは夫婦いずれかの年収が1,200万円以上であれば、児童手当は支給対象外となります。
・夫 年収1,200万円 妻 専業主婦 → 児童手当給付対象外
・夫 年収800万円 妻 年収600万円 → 児童手当給付対象
世帯年収ではなく、収入が多い方が1,200万円を超えている場合なので、共働きで世帯年収が1,200万円以上でも支給対象となる場合があります。
拡充された場合の児童手当
次に、拡充された場合の児童手当の総支給額を確認していきます。
・支給が18歳まで
・第1子が月1.5万円
・第2子が月3万円
・第3子が月6万円
この金額を基に確認していくと以下のようになります。
・第1子 1.5万円×216カ月=324万円
・第2子 3万円×216カ月=648万円
・第3子 6万円×216カ月=1,296万円
・合計2,268万円
これから3人こどもを育てるケースであればこれだけの金額が支給されることになります。
これは非常に大きな金額です。現在の児童手当の総額648万円の3.5倍の金額が支給されることになるということです。
さらに、独自に児童手当の金額を上乗せをする自治体もありますね。
東京都などは小池知事が月5,000円の上乗せを考えていることを公表しています。
・月5000円
・年間6万円
・総額108万円(0歳~18歳)
これだけが児童手当に上乗せされるということです。このように考えると、児童手当の拡充は子育て支援として非常に大きなものになるということです。
YOHの考え
今回は現在政府が検討している少子化対策の児童手当の拡充について触れてみました。
・第1子 324万円
・第2子 648万円
・第3子 1,296万円
・合計2,268万円
要望書に盛り込まれているとおりの児童手当の支給が開始されることになれば、こども3人を育てている場合、18年間の総額でこれだけの金額が支給されることになります。
現在の児童手当の総額がこども3人で648万円であることを考えるとこの金額というのは非常に大きいですね。
18年間で2,268万円なので、年平均すると126万円になります。非課税でこれだけの金額が支給さえるのであれば、こども3人を育てることは可能だろうというのが私の印象です。
しかし、児童手当の拡充だけでこどもを複数人持つということはそれなりにリスクのあることだと私は考えています。
・児童手当の金額の変更
・制度設計自体の変更
このようなことは十分に考えられるからですね。
特に、第3子からの月6万円というのは持続可能なんだろうか、というのが私の印象です。
※ニュースソースによっては最大6万円とも書かれています。
そして、このようなことは多くの方が考えていることだということです。
そのため、第3子以降に月6万円支給されるからといって、楽観的にこどもの人数を増やす画期的な少子化対策とはならないというのが私の印象です。
仮に、この児童手当の拡充が全て要望通りになるのであれば、ビックダディのようなこどもが極端に多い世帯は働かなくても生活が成り立つ可能性があります。
・こども10人
・児童手当総額 1億1,340万円
ビックダディのような世帯であれば総額でこれだけの金額が児童手当として支給されることになります。
そして、ビックダディのこどもが大きくなって、孫を多く持てば、それだけでビックダディのような家族は生活費の全てをまかなうことが可能になるということです。
※実際に詳細なシミュレーションをしたわけではないで確実ではありませんが・・・
このように考えると、実際にはもう少し少額になる、もしくは途中での制度変更があるのでは、というのが私の印象です。
しかし、ベースとしては児童手当が拡充されることは確実だと考えておいてよいですね。
私は現在3人のこどもを育てていますが、子育てを金銭的な面から見て考えることは、「自分の収入だけで養育費と教育費を賄おう」ということです。
・児童手当
・給付金
・奨学金
このようなものをありきで、こどもの養育費や教育費を考えることは危険だということです。
とはいえ、家計にとって小さな金額ではないことは確かですね。
今回の児童手当の拡充はどのようになるのかは分かりませんが、こどもを3人育てるのであれば、合計2,268万円、現在の3.5倍の金額が支給されるというのは非常に大きなことだと私は考えています。
ご覧いただきありがとうございました。
年収300万円でこども4人を余裕で育てているという世帯もあります。しかし、実際には、ミスリードを招きやすい形になっていますね。
私の世帯では児童手当は全てインデックス投資に充てています。こどもが大きくなれば渡してあげればよいという考えですね。
子育て世帯にとって非常に悩ましいのが教育資金ですね。どれだけの金額になるのかが読めないので、高額になった場合は対処のしようがないということです。