消防士・公務員は一生安泰ではない
公務員になれば、給料は安定しており一生安泰。
これは半分正解で半分は誤っています。
公務員は給料は安定していますが、一生安泰ではありません。
公務員は国民全体の奉仕者として様々な義務が課せられ、労働が制限されている代わりに身分保障がされています。
具体的に言えば、争議権、団体交渉権が制限されています。
消防、警察、自衛隊などは団体交渉権も適応されません。
これは、当然のことですね。
もし、消防が賃上げ交渉をしてストライキしてしまえば大変なことになります。
ストライキ中に家が火事になっても消防車は来ない、急病になり119番通報しても繋がらない。
これでは世間は大混乱してしまいます。
消防士は国民全体の奉仕者として、24時間365日等しく行政サービスを提供しなければならないのです。
給料交渉はできない
消防は労働三権が適応されないので、給料の交渉をすることができません。
どんな状況になっても、決まったとおりの給料額で働くしかありません。
人件費のコストカットは言われるがままに受け入れるしかないのですね。
働いている自治体が財政破綻すれば、人件費は大幅にコストカットされます。
給料が減った際に取るべき手段は受け入れるか退職するかの2択しかないのです。
財政破綻するとどうなるか
働いている自治体が破綻するとどうなるのでしょうか。
ずばり言ってしまえば、公務員・消防はリストラされることはありません。
身分保障がされているからです。
しかし、給料は大幅にカットされます。
- 基本給の4割減
- 手当の徹底的な廃止
- 退職金は8割減
破綻状況にもよりますが、これらの事項は避けられません。
言われるがままの給料で働くのが嫌ならば、退職するということになります。
消防士は潰しがきかない
消防士は潰しがきかない、と言われます。
消防士から営利企業に転職ケースはほとんどないように思われます。
それは、公務員・消防士の仕事の専門性によるものです。
消防士は火事、救急といった行政サービスに特化した仕事です。
これを営利企業として行うことはできません。
なぜなら、利益を出すことができないからです。
ビジネスモデルとしては旨みのあるものではありません。
その特化した行政サービスで身に付けた知識や仕事スキル、資格は営利企業には求められていないのです。
- 消防車を運転できます
- ホースを早く伸ばして、素早い消火作業ができます
- 救急資器材の扱いに長けています
- 予防技術検定有資格者です
これらのことは、消防でのみ輝く能力であり、営利企業で求められることはまずありません。
- プログラミングができる
- TOEICで900点
- 日商簿記1級
- MOS
このようなスキルはどこの企業でも等しく評価されるスキルです。
消防に求められるスキルは、消防の世界から一歩でも出てしまうと役に立たないのです。
給料は保障されるけど、一生安泰は保障されない
公務員・消防士は給料が安定していることに間違いありません。
しかし、右肩上がりの給料が保障されているわけではないのです。
支給されることが安定しているだけで、額は大きく下がることは十分考えられるのです。
一生の安泰は公務員・消防士という職業が作るのではなく、自分自身で作り出すものです。
そこをはき違えてしまうと、人生を豊かにすることは難しくなってしまいます。
- ボーナスや退職金をあてにした人生設計をする
- 貯金をしない
- 大きな借金をする
公務員・消防士は一生安泰だからと勘違いして、このようなことをするのは非常に危険なのです。