YOH消防士の資産運用・株式投資

消防士の資産運用、株式投資、仕事について紹介しています。

新型コロナウイルス経済対策・予備費の使い方について

新型コロナウイルス経済対策

 11月10日に自民党の岸田文雄氏と公明党の山口那津男氏が会談を行い、給付対象を調整した結果、年収960万円以下で18歳未満のこどもがいる世帯に対して支援が行われることになりました。

 ・こども1人に対して5万円

 ・こども1人に対してクーポン券5万円

 さらに、他の支援も併せて打ち出されました。

 ・住民税非課税世帯へ現金10万円支給

 ・経済的に困窮している学生への経済的支援

 ・マイナンバーカード登録状況によって、最大2万円のポイント付与

 今回の経済対策の目玉はこどもへの実質10万円の支援ですね。年収960万円以下の世帯は1割しかなく、18歳以下のこどもがいる世帯のほぼ全てが給付対象となります。

年収960万円=児童手当

 今回の10万円給付が年収960万円で区切られたのかを考えると、児童手当の支給対象ラインだからですね。

 ・児童手当を受給しているので上乗せしやすい

 ・支給世帯の把握事務をしなくて済む

 行政にとって、新たに引かれたラインを支給対象とすると、把握事務が膨大になり、時間とコストがかかります。このような理由から、年収960万円で線引きすることが、合理的だったと言えますね。

f:id:fire-money:20211111105623p:plain

出典 内閣府

 児童手当は15歳以下のこどもに対して支給されています。誕生日によって差がありますが、総額で1人約200万円支給されることになります。多くの家庭にとって、小さな額ではないですね。教育資金として使うのが本質的な手当です。

 児童手当は扶養控除の見直しによって、拡充された手当です。

扶養控除の見直し

 扶養控除は平成24年から児童手当の開始によって、年少扶養親族(16歳未満)に係る扶養控除33万円が廃止になりました。

 これによって、児童手当が現金で支給されるようになりましたが、控除額が小さくなり、課税所得が増えるので、実質的には家計の負担は増加することになりました。

f:id:fire-money:20211111111144p:plain

出典 財務省

 控除が減る分、手当を支給する。分かりにくいマネーロンダリングによって、結果的に納める所得税、住民税は増えているのですね。

年収960万円世帯の生活費とは

 年収960万円世帯は間違いなく高所得世帯です。配偶者は専業主婦として生活するという選択肢ができる経済状態です。公務員・消防士ではほぼ届くことがない年収と言ってよいですね。

【夫年収960万円・妻専業主婦・こども1人】

 ・年収960万円

 ・手取り720万円

 ・社会保険料160万円

 ・所得税、住民税80万円

 非常にざっくりとした計算ですが、このような経済状態ですね。ボーナスを含んだ手取りが720万円なので、月に60万円支出しても生活が破綻しないことになります。一般的なお金の感覚から言えば、かなり余裕のある生活ができるのが年収960万円世帯です。

共働き世帯ならなお盤石

 今回の新型コロナウイルス経済対策の10万円支給は、夫婦のどちらかが年収960万円以上であれば、支給対象外となります。最大限で考えれば、世帯年収1,800万円以上でも支給対象となる得るということです。

 日本での税制上、1人で年収を上げるよりも夫婦で年収を上げて行く方が効率がよいのですね。

 ・基礎控除

 ・給与所得控除

 この2つが主な理由ですね。控除を2人で重複して使うことによって、手取りが増えるのが共働きの大きなメリットです。1人で年収1,000万円にするよりも、夫婦で年収500万円ずつの方が、年収の難易度も低く、世帯での手取りも多くなるのですね。

f:id:fire-money:20211111115622j:plain

予備費の金庫を簡単に開けてしまっていいのだろうか・・・

YOHの考え

 今回の新型コロナウイルス経済対策はこどもがいて、経済的に苦しい世帯にとっては、非常に大きな支援となります。

 しかし、重要なのは、経済対策で使ったお金はどこかで補填する必要があると言うことです。今回の給付は2021年度の予備費を使って支給することになります。

 予備費とは、予見し難い予算の不足に充てるための経費です。予算成立後において歳出に計上された既定経費に不足を生じたり、又は新規に経費が必要となった場合、その不足に充てるためのお金です。

 ・大きな自然災害

 ・伝染病の感染予防

 予備費とはこういったことに充てるための、とっておきの財源です。一般家庭においては、生活防衛費に類するものです。新型コロナウイルス関連とは言っても、経済支援に充てるとなると、腑落ちしないのが私の考えです。

 優良な家計管理をしている世帯はまず、生活防衛費に手をつけません。そこに手を付けるのは最後の手段と考えているからですね。追い込まれた状態で使うので、補填するのが非常に大変です。

 税金の場合、使ったお金は次世代で負担することになります。扶養控除の見直しのように、今後も税負担が増えて行くことはトレンドと言ってよいですね。

 今回の給付金の負担は、支給されたこどもが働く世代になった時に負担することになる、前借りと考えてよいですね。言い変えれば、親がこどもから前借りしているのです。こどもからの前借りのお金ならば、将来負担するこどものため以外には使ってはいけません。

 ・社会保険増加

 ・税金増加

 ・控除の減少

 ・年金の減少

 これらのことは今の30~40代は避けて通ることはできません。年収が高かろうと、老後は年金だけで安心ということは、難しい時代になっていく、ということです。少しでも、次世代を楽にするためには、今の現役労働者が豊かになる必要があります。豊かに生活するためには、労働の給料だけでは難しい世帯が大半で、何らかの資産運用をする必要があります。

 そして、今はかつてないほどに、個人が資産形成をしやすい環境が整っています。

 ・ネット証券

 ・ネットバンキング

 ・NISA

 ・iDeCo

 これらのものは資産形成を確実に助けてくれるものです。これらを活用して自分で資産形成して、豊かになっていかなければいけない時代になっているということです。