- 暗号通貨とは
- 暗号通貨のデメリット
- 値動きが激しすぎる
- 税金が高すぎる
- 損益通算、繰越控除できない
- 法整備されていない
- 公務員・消防士が暗号通貨で資産形成することは難しい
- 結局はS&P500でよいということ
暗号通貨とは
暗号通貨が世間的に認知され始めたのは2010年ごろからです。ビットコインやイーサリアムなどがその代表ですね。
・代金の支払いができて、法定通貨と交換できる
・電子的に記録され、移管することができる
・法定通貨法定通貨建ての資産(プリペイドカードなど)ではない
暗号通貨はこのような性質を持っています。法定通貨と異なり、銀行などの第3者機関を介することなく、資産をやりとりすることができる仕組みとして注目を集めました。
現在では、仕組みよりも投資対象として大変人気があり、一定の市民権を得ていますね。公務員・消防士にも暗号通貨に興味がある方、実際に購入されている方は一定数おられます。
暗号通貨のデメリット
大変人気のある暗号通貨ですが、資産形成においてのデメリットが存在します。
・値動きが激しすぎる
・税金が高すぎる
・損益通算、繰越控除できない
・法整備されていない
株式や債券といった伝統的な資産とは異なり、資産運用の面から見れば、このようなデメリットがありますね。
値動きが激しすぎる
暗号通貨は値動きが大変激しい金融商品です。
1ヶ月単位で見ても非常にボラティリティが高いですね。そして、一貫性が無いのも特徴です。暗号通貨は利息や複利を生むことがないので、価値の上下を捉えて売買することによって、儲けを得るのが一般的な使い方です。
株式のように保有していれば、配当を生んでくれる、というものではないのですね。この激しいボラティリティの中で値動きの波を捉えるのは非常に困難です。
税金が高すぎる
暗号通貨の所得は雑所得に分類されます。新しい仕組みの金融商品なので、国税庁もあれでもない、これでもないと悩んだ末に、どれにも当てはまらないと判断して雑所得に分類したのでしょう。
雑所得の特徴としては、総合課税になり利益が大きくなると納税額が非常に大きくなるのが特徴です。
これに住民税10%を足したものが課税される仕組みです。
・課税所得 500万円
・暗号通貨で利益1,300万円
1年間でこれらの収入を得ていた場合、住民税と合わせて50%課税されます。
(500万円+1,300万円)×40%-2,796,000=4,404,000円
約440万円が課税されることになるわけですね。(非常にザックリとした計算です)
さらに、取引ごとに課税される仕組みなので、かかる税金の計算は非常に複雑です。
得ることのできた利益の多くが税金として納める必要があるのです。
損益通算、繰越控除できない
暗号通貨は株式と異なり、損益通算、繰越控除の対象ではありません。株式は売買によって出た損失を配当所得と相殺することができます。
・売買損益 -10万円
・配当所得 +10万円
この場合、損益通算することによって、配当所得に税金がかからないようにすることができるのですが、暗号通貨はこれをすることができないのですね。株式の場合、3年間、譲渡損失を繰り越すことができるのです。
1年目 -100万円
2年目 -100万円
3年目 +200万円
株式投資の場合、このケースで税金はかかりませんが、暗号通貨は単年ごとに課税されるので、損失が出ている1.2年目は課税されませんが、3年目には課税されるのです。
税金面で暗号通貨は非常に不利なのですね。
法整備されていない
暗号通貨は新しい金融商品なので、普及のスピードに法整備が追い付いていません。後からどんどんと法律が追加されています。そして、その多くが暗号通貨で利益を出している投資家にとって、難しいものです。
・暗号通貨同士の交換でも税金がかかる
・仮想通貨で商品購入した場合、税金がかかる
このようなことは、暗号通貨が世間に認知されはじめてから、整備された法律です。多くの場合、暗号通貨保有者によって厳しいものですね。
今後、どのように法改正されるかは不透明ですが、伝統的な資産とは異なり、ひとつのことで風向きが大きく変わってしまう恐れがあることは、知っておくべきことですね。
公務員・消防士が暗号通貨で資産形成することは難しい
公務員・消防士が暗号通貨を購入されている方もおられますが、資産形成していくことは非常に難しいですね。
・株式投資と比較して税金面で不利
・値動きが激しすぎる
株式投資と比較して税金が高くなるように法整備されているということは、国は暗号通貨の普及に消極的だということです。とはいえ、一定の市民権を得ていることは間違いありません。
激しい上下動を繰り返しながらも、価値がゼロになることはない。私はこのように考えています。しかし、株式の大暴落や新興国のハイパーインフレによる貨幣価値の大暴落から見てわかるとおり、価値がゼロに限りなく近くなることは十分に考えられます。そして、価値が爆発的に上昇する。この可能性も同じようにあるのです。
大暴落、大暴騰、この波を捉えるのが非常に難しいのが暗号通貨なのですね。
結局はS&P500でよいということ
私は、暗号通貨そのものに投資する必要はないと考えています。暗号通貨に間接的に投資すればよいのです。間接的に投資すれば、大暴騰した時に利益を享受できるからですね。
そして、暗号通貨に間接的に投資する方法で最も効率がいいのがS&P500です。S&P500の企業の中には暗号通貨に一定の価値を見出して資産投下している企業があります。暗号通貨の価値が上がれば、その企業の利益も上がる。結果として、S&P500へ投資していた投資家も利益を得ることができるのです。
わざわざ直接買い付けて高い税金を支払う必要はありません。暗号通貨の値動きに対してある程度の利益を享受できるスタンスを取っていればいいのです。