案ずるより産むが易し
案ずるより産むが易しという言葉があります。始める前はあれこれと心配するものだが、やってみると案外たやすくできるものだ、という意味です。
出産や子育てといったことを心配する女性に対してかけられていた言葉が慣用句になったものですね。
今回は、この慣用句と資産運用について触れてみます。
資産運用ははじめの一歩が難しい
資産運用で非常にエネルギーを使うのが最初の一歩を踏み出すことです。
・大きな損失が出たらどうしよう
・安全な人生に不確定要素を入れていいのか
・現金を持っておいた方がいい
資産運用については、様々な不安が付きまといます。この不安を抱いたまま、資産運用をしないという選択肢を取られる方は大変多いです。公務員・消防士には特にその傾向が顕著です。
・身分保障
・安定した給与
この2点があるからですね。
・4,000万円の新築一戸建マイホーム
・1,500万円~2,000万円の退職金
・月10万円以上の厚生年金
定年退職までたどり着けば、これらのものが手に入ることがほぼ確定しているからです。何かきっかけがないと、資産運用をはじめる第一歩を踏み出すことが難しいのです。
資産形成している人はどの年代も50%代ですが、これには貯蓄も含まれています。株式、不動産などの資産運用を積極的に行っている人はさらに少ないですね。
金融資産保有状況を見ても、現預金が43%、有価証券が24%ということを勘案すると、株式などで資産運用している人はマイノリティーといってよいでしょう。
はじめの一歩に必要なものとは
資産運用の最初の一歩を踏み出すために必要なものがあります。
・目標
・正しい知識
この2つがあれば、資産運用の第一歩を踏み出すことができます。逆に言ってしまえば、この2つが無い状態で資産運用の最初の一歩を踏み出せる人は非常に稀です。
目標
資産運用をはじめるために必要なのは目標です。
・老後資金を捻出したい
・不労所得が欲しい
・早く5,000万円貯めたい
・FIREしたい
物事には必ず目標があって手段があります。逆になることは考えにくいのです。
・今の状態では、目標を達成することができない。
・達成するための手段を取る必要がある。
この順番で物事を進めていくのが本質的です。現状維持のままで目標達成できるのならば、現状を変える必要はありません。そこに時間短縮の要素を入れるなら、別の手段を取る必要があるということです。
正しい知識
そして、資産運用をはじめるためにもうひとつ必要なのが正しい知識です。
・ブログ
・SNS
・書籍
現代においては様々な媒体から情報を得ることができます。しかし、その情報は玉石混交です。情報を自分自身で整理して、知識として習得する必要があります。
SNS < ブログ <超えられない壁< 書籍
私は情報の信頼度をこのように考えています。SNSやブログは速報性がありますが、情報媒体の信頼度としては、腑に落ちないことが多々あります。
書籍は一定の知識を有した人が経験に基づいて、いくつものチェックを受けて情報媒体として売り出されています。そして、過去の書籍を見てもその情報に裏打ちされた信頼度は明らかですね。伝統と実績ある情報媒体が書籍です。
しかし、書籍の内容だけでは知識を身に付けることは難しいですね。正しい知識を得るためには、内容を理解して自分の考えと照らし合わせる作業が必要です。
・資産運用はギャンブル
・働かずにお金を得るとロクなことにお金を使わない
・大きなお金を得ると、贅沢が慢性化して破滅する
資産運用について正しい知識をつければ、このような考えは合っているのか、という答えは自ずと導き出されますね。
最初の一歩を踏む出せばなんとかなる
目標、正しい知識があったとしても、資産運用の最初の一歩は難しいものです。誰にでも踏み出せるわけではありません。
しかし、資産運用に一歩踏み出してしまえば、見えてくるものがあります。
・手持ち資金でする限り資産がマイナスになることはない
・自分に合った方法を取ることができる
・お金の動きが思ったよりも緩やか
・資産運用で大きなお金を増やすことは難しい
方法にもよりますが、資産運用=ギャンブル、というイメージは薄れてきますね。
・無理なく付き合うことができる
・楽して儲けるのではなく、堅実な方法である
資産運用に対してのイメージはかなり違った印象になります。正に、案ずるより産むが易しといったことですね。
物事をはじめるのに難しいのが最初の一歩です。年齢を重ねれば重ねるほど、最初の一歩を踏み出すことに抵抗が強くなってきます。考え方が保守的になってしまうからですね。
事態を悪化させるのは何もしないということ
しかし、人生においては、突き進んで失敗する人よりも、何もせずに状況が悪化していく人の方が遥かに多いのです。
成功とは、数多くの失敗を乗り越えた先にしかありません。成功と失敗の2又の道があるのではなく、一本道に失敗という障害物があり、その先に成功があるのが人生です。進んで行かなければ、決して成功をつかむことはできません。
お金が多い=成功ではありませんが、お金は人生の選択肢を広げてくれるものであることに間違いはありません。人生の選択肢は多いほど、幸せになることができるのです。