長期投資の誤解
現在、資産形成において人気のある投資手法のひとつが長期投資です。
・長期
・分散
・低コスト
私自身、投資で資産形成するのに大切なことを挙げるのであればこの3つを挙げるようにしています。
投資において長期が何故大切なのかと言えば、自分の資産を経済活動に参加させる時間を長く取ることができるからですね。
自分の資産を経済活動に参加させることによって、自分の資産に働いてもらってお金を稼いでもらうことができるということです。
その期間が長ければ長いほど、大きなリターンが期待できるということです。
しかし、長期投資で誤解してはいけないのは長期投資をしたからといって、リスクが軽減されるわけではないということです。
・長期投資においてリスクが軽減しない理由
・長期投資は安全確実に資産を増やす方法ではない
今回は長期投資においてこの2点を中心に触れてみたいと思います。
長期投資においてリスクが軽減しない理由
長期投資をしているケースで誤解されることがあるのが「長期投資はリスクが軽減される」ということです。
・短期投資よりもリスクが少ない
・投資期間を長く取るほどリスクが軽減される
このような誤解が長期投資において少なからずあるということです。
しかし、これは誤解といってよいですね。投資というのは期間が延びるほど、経済活動にさらしている資産の振れ幅は拡大するからです。
この振れ幅は大きくなればなるほど、投資家が負うことになる不確実性は大きなものとなります。
この図のように、投資期間が短ければ上下の振れ幅はそれほどではありませんが、投資期間が長くなればなるほど、上下の振れ幅の差は広がっていくということです。
そのため、投資期間を長く取ることは上振れのリターンが拡大するリスクがある代わりに、下振れのリターンが縮小するリスクも同じだけあるということです。
YOHの考え
今回は長期投資における誤解のひとつである「長期投資はリスクも軽減される」ということについて考えてみました。
長期的に投資を行うというのは、資産形成における原則のひとつですが、長期投資をしているからといって、リスクが軽減されるわけではありません。
時間経過によってリターンが拡大する可能性があるリスクと同じだけ、リターンが縮小するリスクもあるということです。
しかし、私自身はしっかりとした長期投資をすればかなり高い確率で資産を増やすことができると考えています。
その理由は「平均的なリターンも長期で投資をすればそれだけ大きくなる」からですね。
・S&P500
・全世界株式インデックス
このような指数をベンチマークとしている金融商品であっても長期的に見て上下の振れ幅を無くすことはできませんが、平均的なリターンに収束することによって、資産を増やしてくれる可能性が高いからですね。
しかし、このような指数をベンチマークにしている金融商品に長期で投資をしても短期で投資をしても有利不利が働くことはないということです。
・短期的に価値が大きく上昇した
・長期的に価値が減少している
このようなことはどのような金融商品であってもありふれているということです。
そのため、投資期間が長くなればなるほどリスクが軽減するわけではないということです。
投資でお金を増やすリスクについて投資期間の優劣はありません。
・ローリスクハイリターン
・リスクなしで資産を増やすことができる
このようなことは投資ではありえないということです。リターンが増えるのであれば、それだけリスクも増える。
安全確実に資産を増やすことができる方法などは投資においては存在しないということです。
ご覧いただきありがとうございました。
投資におけるリスクとリターンは表裏一体です。都合のよい投資は存在しません。
長期で資産形成することと、将来の資産を守ることはイコールではありません。
長期投資はオルカンだけでよい、というのは違和感がありますね。その理由についてはこちらで記事にしています。