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【わかりやすく解説】1億円の壁と配当控除について

1億円の壁

 金融所得課税には主に2つの種類があります。

 ・譲渡益

 ・配当金

 細かく定義するとまだあるのでしょうが、大きく分けるとこの2つで、現在のこの税率は20.315%です。

 過去には累進課税が適応されていたり、非課税であった時期もありましたが、現在は20.315%に設定されており、これを30%にすると言ったことが議論されています。

 この大きな要因は1億円の壁と言われるものですね。

 ・所得が年間1億円の人

 ・所得が年間500万円の人

 この2者は所得税率は大きく異なっていますが、金融所得課税は同率の20.315%です。そのことから、金融所得課税はお金持ちに有利な税金だと言われています。

出典 日経新聞2021年11月5日「「1億円の壁」のグラフを疑え 十字路」

 このグラフのように、所得1億円をピークに所得税の負担率が下がっていることを1億円の壁と呼んでいます。

 ・富裕層は累進課税だと所得税率が高い(40%を超える)

 ・金融所得はどれだけあっても税率は一定(20.315%)

 このことから、金融所得課税は収入の低い方にとっては税負担が大きいということになります。その解消策のひとつとして用いられるのが、配当控除です。

配当控除

 国内株式の配当金には金融所得課税の20.315%の税金がかかります。

 ・所得税 15%

 ・住民税 5%

 ・復興特別所得税 0.315%

 企業が年間10,000円の配当金を出しても、株主が受け取るのは約8,000円になります。この税金は株主の所得に関係なく20.315%かかります。年収100万円でも年収1,000万円でも等しく20.315%かかるということですね。

 しかし、所得の少ない投資家は、この配当金にかかる税金は確定申告で配当控除を申告することによって、還付を受けることができます。

 ・所得の低い人にとっては金融所得課税は高いので、いくらか還付する

 配当控除はこのような控除だということです。

 会社員や公務員の中には国内株式を保有されている方はおられますが、配当控除を申告されている方は少ないというのが私の印象です。これは非常にもったいないですね。会社員や公務員なら、大多数がある程度の金額の還付対象になります。

配当金は2重課税

 国内企業から株主に還元される配当金は2重課税されています。

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 企業と株主が2重で税金を納めてた後の金額が株主に還元されています。企業は法人税、株主は所得税と住民税を納めているわけですね。

 この仕組みを嫌う株主は数多くおられます。税制上、配当金は売買益に劣後しています。売買益を狙う投資家がいるのはこのためですね。

 この2重課税を解消するのが配当控除です。

配当控除

 源泉徴収を行った配当所得については、確定申告すれば、年末調整で所得税、住民税の課税控除を受けることができます。

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 株主に課税される税金の一部を取り戻すことができるのですね。課税所得が低ければ低いほど、配当控除の恩恵を受けることができます。

 配当控除で課税控除を受けることができるのは課税所得900万円の方までです。(他の所得が絡むとややこしくなるので、今回は収入が給料のみで考えています)

 会社員や公務員で課税所得900万円というのは非常に高属性で一般的ではありません。課税所得900万円を年収にすると1,200万円~1,300万円になります。

 これほどの給料をもらっている会社員や公務員は見ても非常に限られています。国内株式を保有している会社員や公務員の多くは配当控除を受けて税の還付を受けれるということです。

分離課税と総合課税

 配当による所得の確定申告方法は2つあります。

 ・総合課税

 ・分離課税

 このどちらかを選択して申告する必要があるのですが、会社員や公務員は総合課税を選択した場合に配当控除が受けられます。

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 課税所得が330万円以下なら、配当にかかる所得は7.2%になります。課税所得695万円~900万円以下であれば、微々たる割合ですが、確定申告した方が税率は抑えられます。

 【課税所得が330万円以下で配当金が年間10万円ある場合】

 ・確定申告なし 10万円-(10万×20%)=8万円(もらえる配当金)

 ・総合課税で申告 10万円-(10万円×7.2%)=92,800円(もらえる配当金)

 課税所得330万円以下であれば、約12,000円還付されることになりますね。(実際には所得税0.21%が課税されますが、今回は割愛しています)

 課税所得330万円以下というのは、少ないと思われがちですが、公務員・消防士には非常に多いです。独身なら年収600万円であれば、課税所得330万円付近となります。結婚していて扶養家族がおられる家庭であれば、年収700万円以上でも課税所得330万円以下というのは珍しくありません。

住民税申告不要制度

 総合課税で確定申告すれば、所得税は控除によって税率が抑えられるのですが、住民税は高くなってしまいます。

 ・配当金に掛かる税金の税金は5%

 ・総合課税にすることによって、10%から2.8%控除され、7.2%になる

 住民税については、総合課税を選択することによって、2.2%税金が高くなるのです。

 その2.2%あがった住民税は「住民税申告不要制度」を使うことで納める必要がなくなります。住民税申告不要制度は「住民税については、5%で計算して欲しい」ということを自治体に申し出る必要があります。

 この申告不要制度は自治体によってやり方が異なります。住民税は地方公共団体が管理しているからですね。自治体ごとの決まった様式の申告書を納税課に提出するのが一般的です。

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 住民税申告不要を使うことによって、課税所得330万円以下なら、配当金の税金を20.315%から5%にすることができるのです。(この制度はあと2年ほどで使えなくなることが税制大綱で触れられています。)

壁をいくらか低くするのが配当控除。

YOHの考え

 会社員や公務員で国内株の配当金を受け取っている場合は、総合課税で確定申告した方が還付を受けられます。

 ・国内株の売却損がある

 ・他の控除がある

 このような場合は、配当金を分離課税した方が納税額を抑えることができる場合があります。

 大切なことは制度を知っておくことです。会社員や公務員は年末調整で書類を出せば納税が完了します。大半の方にとっては、確定申告は縁のないものなのですね。

 しかし、制度については理解しておいて損はありません。制度を知らないだけで思わぬ損をしてしまうことがあるからですね。

 会社員や公務員で資産運用を効率よくするためには、ある程度の税に関する知識は必要だと私は考えています。ご覧いただきありがとうございました。

 所得が少なければ、課税される金額も少なくなりますね。そのため、少ない所得で暮らしていくことは十分に可能です。

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 金融所得課税を上げることはとりあえず見送られていますが、将来的に上がることは避けられないと思っておいてよいですね。

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 節税として会社員や公務員が使えるのは生命保険料控除です。しかし、控除を使うから生命保険料に加入するというのは避けた方がよいですね。

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