インデックス投資
今、株式投資で人気があるのがインデックス投資です。その人気の理由のひとつが国からの後押しですね。
・iDeCo
・つみたてNISA
この2つの金融制度は、長期分散投資のために作られた制度で、貯蓄から投資へのお金の流れを作ることに非常に適しています。
・高配当株投資
・株主優待投資
このような投資手法も非常に魅力的ですが、株式投資をはじめるのであればまずは、iDeCoとつみたてNISAの年間投資額を使い切ることからはじめるのが、公務員や会社員にとって最もよいとされています。
しかし、一般的な年収の公務員や会社員がiDeCoとつみたてNISAの年間投資額を使い切ることは簡単ではありません。
・iDeCo 年間14.4万円(月1.2万円)
・つみたてNISA 年間40万円(月3.3万円)
・合計54.4万円(月4.5万円)
公務員であればこれだけの金額を株式投資に資産投下する必要があるということです。株式投資の鉄則は「余裕資金でする」ということですが、日々の生活を送りつつ、貯蓄やこどもの学費を工面しながら年間54.4万円を捻出することはどの世帯でもできることではないのですね。
・iDeCoやつみたてNISA制度は使わないと損
・しかし、日々の生活で余裕資金がない
こういった方で考えるのが、貯蓄の代わりにインデックス投資をしてはどうだろうか、ということです。
・インデックス投資は15年以上の期間を取れば元本毀損する可能性が著しく低い
・iDeCoやつみたてNISAは税制優遇されている
このようなインデックス投資やiDeCoやつみたてNISAの特性を活かして、貯蓄の代用として株式投資を行うということですね。
今回はインデックス投資を貯蓄の代わりとして使うことについて考えてみたいと思います。
貯蓄の代わりにインデックス投資をすることは基本的には無し
結論から先に言えば、貯蓄の代わりにインデックス投資をすることは基本的には無し、というのが私の考えです。その一番の理由は、数字の変動があるからですね。
貯蓄と言うのは引き出さない限り、積み立てた金額が減少することはありません。
月3万円を1年間積み立てたのであれば、確実に36万円増えることになります。しかし、実際にお金の価値というのは日々変動しています。
・インフレ
・円安
このようなことがあると、積み立てた金銭的価値というのは減ってしまうということです。
積み立てた36万円で購入できるものが少なくなれば、実際には36万円は30万円の価値しかない、ということになるということです。
しかし、貯蓄のよいところはそういった実際の実質的な金銭的価値の目減りを感じないことにあります。
・積み立てた36万円は何があろうと36万円という金額として保有することができる
これが精神的な安定をもたらすことは間違いないのですね。しかし、インデックス投資ではそうはいかないということです。
・積み立てた金額が短いスパンで変動する
・指数が下落した時は評価額が減っている
これはわかっていても気持ちの良いものではないということです。
貯蓄の代わりにインデックス投資をしてもよいケース
貯蓄の代わりにインデックス投資をすることは基本的によいことだとは思いませんが、してもよいケースもあります。それは、「貯蓄額を月々増加させることができる」場合ですね。
・iDeCo 月0.5万円
・つみたてNISA 月1万円
・貯蓄 月1万円
このように月々貯蓄をすることができて、iDeCoやつみたてNISAに取り組むことができるというような場合は、貯蓄の代わりとしてインデックス投資をすることは、非常にバランスがよい資産形成をすることができるということです。
・国が用意した非課税制度を使いつつ
・目減りしない貯蓄を増やすことができる
この2つを両立させることが可能だからですね。これならば、貯蓄を月2.5万円するよりも株式の利回りや国が用意した非課税制度の恩恵をしっかりと受けることができるということです。
YOHの考え
私はiDeCoとNISA制度はフルに活用しており、世帯でインデックス投資を中心に資産形成をしています。しかし、貯蓄とインデックス投資のどちらを優先させるべきかと考えれば、間違いなく貯蓄だということです。
・元本毀損しない
・使わない限り減ることがない
・精神的な安定につながる
・社会的信用が高まる
貯蓄によって着実な資産形成ができるというのは、このようなメリットがあるからですね。残念ながらインデックス投資にはこのようなメリットはありません。その代わりに貯蓄よりの資産増加させることができる可能性があるということです。
・長期的に見れば貯蓄よりも高利回りが期待できる
・iDeCoは税制優遇による節税効果が高い
・つみたてNISAは商品が厳選されており、ほぼ負けることが無い超長期投資が前提
iDeCoやつみたてNISAを使ったインデックス投資にはこのようなメリットがあり、これには非常に大きな魅力があることも事実です。しかし、ここに手を付けるのは、しっかりとした貯蓄や貯蓄できる家計管理ができてからでよいということです。
・貯蓄をしないでiDeCoを満額拠出
・貯蓄をしないでつみたてNISAに年間40万円資産投下
このようなことは公務員や会社員の投資手法としては適切ではないということです。
・何かあった時に困らないだけの貯蓄を持つ(独身なら100万円ほど)
・それとは別に資産形成としての貯蓄を進めていく(月々一定額を積立)
この2つの土台が揃ってはじめてiDeCoやつみたてNISAに手を付ければよいということです。iDeCoやつみたてNISAは満額することが理想ですが、出来なくとも問題ありません。
・給料が増加した分、iDeCoの積立額を増加させる
・家計を見直して捻出したお金をつみたてNISAの積立に充てる
このようにして徐々に積立額を増やしていけばよいということです。しかし、貯蓄額を減らしてiDeCoやつみたてNISAをすることはしてはいけないということです。(貯蓄額が2,000万円ほどになれば、場合によっては貯蓄の積立はストップしてもよいですね)
資産形成が十分に出来ていない公務員や会社員世帯が最初に取り組むのは貯蓄です。資産形成が十分にできていない場合に貯蓄の代わりにインデックス投資をすることはなしだというのが私の考えです。
ご覧いただきありがとうございました。
インデックス投資も下がる時は大きく資産を減らします。それに耐えるには貯蓄が必要ですね。
資産運用の成功の秘訣は貯蓄があるということです。
つみたてNISAとiDeCoどちらを先にすべきかは属性によって異なりますが、公務員や会社員ではある程度の答えは出ていますね。