資産形成
資産形成というのは誰しもが取り組むべきものです。資産形成と言えば株式投資やFX取引などリスクの高いことを思い浮かべがちですが、そうではありません。
・貯金
・節約
このような堅実なお金の貯め方も立派な資産形成方法のひとつです。
しかし、このような堅実な方法だけで資産形成できる方というのは極めて限られているというのが私の考えです。
・貯金や節約だけで資産形成することのデメリット
・貯金や節約だけで資産形成できる人とは
今回はこの2点を中心に資産形成について触れてみたいと思います。
貯金や節約だけで資産形成することのデメリット
貯金や節約だけで資産形成することの最も大きなデメリットとしては「資産規模に応じた速度がつかない」ということです。
・0円を100万円にする
・1,000万円を1,100万円にする
このような資産形成の速度が同じであるということです。
・労働収入
・節約
このような資産形成方法には限界があるということです。そして、多くの会社員や公務員の労働収入というのは限界があり、短期間で飛躍的に増加することはありません。
厚生労働省の資料によると、給与所得者の平均給与は450万円ほどです。ここからざっくりと社会保険料や所得税、住民税を引くと手取りは330万円ほどになります。
家族構成や居住地域にもよりますが、年間330万円で生活していくことは可能です。しかし、十分な貯蓄をできるかと考えると、難しいということです。
・一人暮らしであれば年間100~150万円は貯蓄ができる
・夫婦2人暮らしであれば、年間50~80万円貯蓄ができる
・夫婦とこども1人であれば貯蓄はできない
節約を意識しつつ慎ましい生活を送るのであれば、これぐらいの貯蓄ができるというのが450万円という年収であると私は考えています。
このようなことから考えると、貯金や節約で資産を増加させるというのは、資産規模がそれほど大きくない場合は一定の効果があるのですが、資産規模が大きくなればなるほど、貯金や節約のみで資産形成方法は効果が小さくなるということです。
そのため、資産規模がある程度大きくなり、そこからさらに資産を増加させようとするのであれば、貯金や節約といった方法では速度がつきにくいということです。
貯金や節約だけで資産形成できる人とは
しかし、貯金や節約だけで資産形成していくことが不可能であるかと言えばそうではありません。
・給与所得が平均を逸脱している
・過剰な節約が苦にならない
この2つの両方を兼ね備えているのであれば、貯金や節約だけで資産形成していくことは可能です。
しかし、この2つを兼ね備えることができる方というのは非常に限られているということです。
・世帯の所得1,500万円
・収入の30%以上を貯金できる
これぐらいの世帯というのが、貯金や節約だけで資産形成をしていくことが可能な世帯です。
令和3年度の厚生労働省の資料によると、世帯の所得金額の平均は564万円、中央値は440万円となっています。
※所得金額とは手取りとは異なり、収入から必要経費を差し引いた金額です。
これは労働収入のみではないので、一概に比較することはできませんが、所得金額が1,500万円を超えている世帯というのは、非常に少ないことがわかります。
・1,500万円~2,000万円 2.3%
・2,000万円以上 1.4%
・合計 3.7%
このように世帯の所得金額が1,500万円以上というのは、非常に限られた世帯のみが到達できる領域であることがわかります。
そして、所得金額が高くなれば、生活水準が上がり、支出が大きくなるというのが一般的です。
そのように考えると、世帯所得が1,500万円以上あり、かつ収入の30%以上を貯金できる世帯というのは非常に稀で誰しもが到達できる領域ではないということです。
YOHの考え
今回は貯金や節約といった堅実な方法だけで資産形成することについて考えてみました。
貯金や節約だけで資産形成をしていくことは可能です。しかし、その手法を取ることができる世帯というのは非常に限られている、というのが私の考えです。
・世帯の所得1,500万円
・収入の30%以上を貯金できる
この2つの条件を満たしているのであれば、株式投資などのリスクを取ることなく資産形成をしていくことができると考えています。
しかし、この2つの条件を満たすことができる世帯がどれほどあるのかと考えると、多くの人にとっては到達することが極めて難しい領域であるということです。
多くの世帯というのは、世帯の所得が1,000万円に届くことなく、生活費の余った金額を貯金しているというのが現状です。
そのため、平均的な収入で資産を大きくするためには、ある程度のリスクを取る必要があるということです。
・年収は平均的
・株式投資などのリスク資産は持ちたくない
・老後に困らないだけの資産を形成しておきたい
このようなことは難しい時代になってきているということです。
私の親世代であれば、真面目に定年退職まで働いて堅実に貯金をしていれば、老後の面倒は年金が見てくれる、という時代でした。
しかし、すでにこのようなことは通用しない時代になっているということです。
そして、金銭的に困らない人生を送るためには、このような時代変化について行く必要があるということです。
・貯金
・節約
この2つだけで資産形成する、ということは贅沢なものになっているのですね。
自分自身である程度のリスクを許容しながら資産を構築していくことが求められる時代になってきていると、私は考えています。
ご覧いただきありがとうございました。
貯金だけで資産形成することは難しいですが、資産形成で最も大切なことのひとつは100万円の貯金を作ることです。これができなければ資産形成のスタートラインに立つことすらできないですね。
漫然と生活しているだけでは金銭的に苦しくなるのが今の時代です。お金を受け取れるポジションに自分を持っていく必要があります。
平均的な年収で平均的なポートフォリオを組むとどのようになるのか、ということについてはこちらで記事にしています。