YOH消防士の資産運用・株式投資

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【リスクとリターンの考え方】投資のリスクと不安を混ぜてはいけないということ

投資のリスク

 株式投資には必ずリスクが存在します。ここで言うリスクとは株式投資で言うところの上下の振れ幅ではなく、一般的な意味でのリスクです。単純に危険と言ってよいですね。

 しかし、この株式投資のリスクについて誤った認識をされている方というのは少なくありません。

 ・資産が0円になるかもしれない

 ・投資に充てたお金が無駄になるかもしれない

 誤った認識とは、具体的に言えばこのような考えですね。もちろん、株式投資にはそれなりにリスクがあることは間違いないでしょうし、人生の進路を決めるほどの重大な選択を迫られる可能性もある行為です。

 しかし、そのリスクと混同されがちなのが「自分自身の不安」です。例に挙げたような「資産が0円になるかもしれない」というような認識は株式投資のリスクではなく、自分自身の不安だということです。

 ・リスクと不安の違い

 ・株式投資の不安を解消する方法

 今回はこの2点について考えてみたいと思います。

リスクと不安の違い(リスクについて)

 株式投資においてリスクと不安は混同されがちですが、それぞれを解消するためのアプローチ方法は全く異なっています。

 リスクとは危険度や失敗する可能性を指すもので、それ自体はただの数字や文字の羅列に過ぎません。

 ・50%の確率で成功するけど、50%の確率で失敗する

 ・10人チャレンジして2人が成功している

 このような事柄の場合、前者であれば「50%の確率で失敗する」ことをリスクと捉えてよいでしょうし、後者であれば「80%は失敗している」と考えてよいですね。

 しかし、これをどのように捉えるかは個人の考えによるということです。

 ・50%の確率で成功しているなら高確率

 ・50%の確率で成功しているのは低確率

 このどちらの考えも正しいものだということです。そして、ここに付加条件が加わるとさらに印象は変わってきます。

 ・50%の確率で1,000万円もらえるけど、失敗すれば500万円失う

 ・50%の確率で1億円もらえるけど、失敗すれば500万円失う

 このような場合、500万円失うリスクだけで判断するなら同じ50%ですが、成功報酬が異なります。誰しもが1億円もらえる方はお得だと感じます。

 このように、リスクとはただただそこにある数字や文字の羅列であって、それをどのように判断するのかはその人の考え方や価値観によって大きく変わるということです。

 そして、株式投資のリスクとは基本的にコントロールすることができません。

 ・利回り

 ・株価

 このようなことは個人の力ではどうしようもないからですね。唯一できるとすれば、投下資産の金額をコントロールすることですが、これも明確なリスクマネジメントとは分けて考える必要があるということです。

リスクと不安の違い(不安について)

株式投資における不安の大部分は資産が減少することです。

 ・暴落によって評価額が減るかもしれない

 ・株価の下落で年間を通して積み立てている金額が吹き飛ぶ

 このようなことが株式投資における最も多い不安といってよいですね。そして、このような不安には特徴があります。

 ・明確な根拠

 ・明確な対象

 このようなことが定まっていないため、資産減少のみにただただ漠然とした恐怖を抱いているということです。

 ・リスク・・・数字や文字で表すことができる。そこからどのように考えるかは個人次第

 ・不安・・・根拠や対象が明確でない。資産が減少するということに恐怖を抱く

 株式投資におけるリスクと不安にはこのような違いがあるということです。

株式投資の不安を解消する方法

 株式投資と上手に付き合う方法として最も好ましいのは「不安を解消する」ということです。

 株式投資におけるリスクは投資家がコントロールすることができませんが、不安は自分の取り組み方によって解消することができるからですね。そして、最もよい不安解消方法のひとつは「現金を厚めに持つ」ことです。

 ・現金 90% 株式10%

 具体的にはこのようなポートフォリオを組むということです。株式投資の不安は資産減少することなので、その動きが小さい現金部分の比率を多くすれば、株式投資の不安は非常に小さいものになるということです。

 しかし、このようなポートフォリオは裏を返せば取り逃がすリターンも大きいものとなります。

 ・株式部分を厚くしておけば資産増加が早かったのでは

 ・株式部分が少なかったので、暴騰が起きてもそれほど恩恵を受けることができなかった

 現金を厚めに持っているということは、このようなリスクも抱えることになるということです。しかし、多くの人にとって、株式投資派それでよいのですね。

 ・時間をかけてコツコツを資産形成していく

 株式投資はこのためのツールのひとつに過ぎないということです。

株式投資ではリスクと不安は分けて考える必要がある。

YOHの考え

 株式投資におけるリスクと不安について触れてみました。

 ・リスク・・・数字や文字で表すことができる。どのように考えるかは個人次第でコントロールできない。

 ・不安・・・根拠や対象が明確でない。自分でコントロールできる。

 私は株式投資におけるリスクと不安はこのようなものだと解釈しています。そして、投資手法に限らず、株式投資で上手に資産を増やしている方の多くはリスクと不安に対する付き合い方が上手いということです。

 ・リスクは数字としてしっかりと受け入れる

 ・それに対する自分が持つ不安を分析する

 ・その不安が解消できるのであれば取り組む

 このようにして、リスクと不安に対して付き合っているということです。これができるのであれば、リスクの高い個別株の短期売買やスイングトレードなどでも資産形成することが可能です。

 株式投資で資産形成できない場合の多くは、リスクを取り過ぎて自分自身の不安を解消できていないことから、適切な行動を起こせないことにあります。

 ・長期投資しているのに、評価額の値下がりに耐えきれずに売却する

 ・つみたて投資をしているのに、下落相場で積み立てを中断する

 このようなことは株式投資のリスクの問題ではなく、自分自身の問題であるということです。

 そして、このような自分自身の問題を解消する方法は様々ありますが、最も良い方法のひとつは現金を厚めに持つことです。

 私自身はある程度の貯金を持った状態で株式投資をスタートさせました。そこから貯金部分は取り崩さずに株式部分を徐々に増やしていく形で資産形成に取り組んでいますが、非常によい選択だったと思っています。

 ・はっきりとして上昇相場

 ・底からの値上がり

 このような場面ではそれほど利益を上げることはできていませんが、それよりも不安解消された状態で株式投資と付き合っていくことができていることのメリットが非常に大きいということです。

 もちろん、リスクを取ることを否定しているわけではありません。リスクに対する不安の抱き方は人それぞれ違っており、並外れてリスク耐性が高い方もおられます。そういった方は、長所を生かしてリスクを取った株式投資をした方が上手くいくことも多々あります。

 大切なのはリスクと不安を混ぜて考えないことです。リスクとは数字や文字の羅列に過ぎず、それをどのように受け取るかは個人の価値観に左右されます。そのリスクと個人の価値観的要素が強い不安を混ぜると、株式投資における資産形成は難しいものになってしまいます。

 ・リスクをしっかりと評価する

 ・リスクに対する不安を解消する

 株式投資で資産形成するには、この2つは欠かすことができないと私は考えています。ご覧いただきありがとうございました。

 長期投資はゼロサムゲームではなく、プラスサムゲームにすることができます。しかし、プラスサムゲームにするには、不安を解消しておく必要がありますね。

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