TOPIX
日本を代表するインデックスのベンチマーク指数として、東証株価指数があります。一般的に、TOPIX(Tokyo Stock Price Index)として幅広く認知されています。
・1968年1月4日の時価総額を100としている
・東証一部に上場する国内普通株式全銘柄
・時価総額荷重型
TOPIXにはこのような特徴があります。2022年1月14日時点での指数は1977.66となっています。
TOPIXは1968年から20倍に成長していますが、東証株価が20倍成長しているかと言えばそうではありません。指数の算定に時価総額荷重型が用いられているからですね。
・トヨタ自動車 3.84%
・ソニーグループ 3.28%
・キーエンス 2.41%
・リクルートHD 1.93%
・三菱UFJ 1.44%
構成銘柄の上位5銘柄はこのようになっており、この5銘柄で12.89%を占めています。時価総額が大きいほど、構成比率が高くなっていることがわかります。実際に指数の推移だけを見れば、2009年からの12年間は右肩上がりで、近年では2000ポイントを上回る場面も見受けられます。
TOPIXは長期投資家から見向きもされていない
2009年から12年間に渡って右肩上がりを続けているTOPIXですが、国内外問わず、投資家からは人気がありません。
・TOPIXを投資のコアにして長期投資をしている
・つみたてNISAでTOPIXに連動する投資信託に資産投下している
このような投資家は非常に稀といってよいですね。その理由はずばり、TOPIXを構成する銘柄、東証一部上場銘柄に問題のある銘柄が多いことが挙げられます。
・東証二部やマザーズからの一部上場は40億円でよい(東証一部上場要件は時価総額250億円)
・一度東証一部に上場すると、上場廃止や二部に落とされる基準は非常に緩い
このようなことから、TOPIXは投資家から見向きもされないということが起こっています。東証一部全体に資産投下することに魅力を感じる投資家が非常に少ないということですね。
eMAXSIS TOPIXインデックス
TOPIXに連動する投資信託として、eMAXSIS TOPIXインデックスがあります。つみたてNISA採用の投資信託ということから、金融庁から長期投資に適しているとお墨付きをもらっています。
・純資産総額 150億円
・信託報酬 0.44%
・購入時手数料無し
・直近の暴騰率 10.7%
・つみたてNISA採用銘柄であること
・純資産総額100億円以上であること
・含み益を出せていること
このようなことから考えると、資産投下することを考慮する必要がある投資信託と考えてもよいですね。しかし、外国の機関投資家からはこのようなTOPIXに連動する投資信託やETFは見向きもされていません。
TOPIX関連銘柄のお得意様
TOPIX関連のETFに関して、最もお得意様であるのは日本銀行です。
2020年はTOPIX関連ETFだけで4.2兆円の買い入れを行っています。もし、海外の機関投資家がTOPIX関連の投資信託やETFを積極的に購入していれば、日本銀行はここまでの買い入れをする必要はありません。
TOPIXよりも有力な資産投下先があるということ
TOPIX関連の投資信託やETFが投資家から見向きもされない一番の理由は、他に優れた投資先があるということです。
・eMAXSIS Slim S&P500
・eMAXSIS Slim 全世界株式
このような投資信託はTOPIX関連の投資信託よりもパフォーマンスが優れているということです。
・純資産総額 3960億円
・信託報酬 0.09%
・直近の暴騰率 49.8%
eMAXSIS Slim S&P500の代表的な数値を確認するとこのようになっています。全ての面でTOPIX関連の投資信託のパフォーマンスを上回っているのですね。
eMAXSIS Slim S&P500、eMAXSIS Slim 全世界株式と比較しても、eMAXSIS TOPIXインデックスは同様の値動きをしているのですが、パフォーマンスは大きく劣後していることがわかります。
・S&P500と関連のない値動きをする
・全世界株式が落ち込んだ時、TOPIXの落ち込み幅が小さい
このような特徴があれば、資産投下を検討してもよいのでしょうが、そういったことはないということです。
YOHの考え
海外株式への投資環境が整っている現環境下では、TOPIX関連の投資信託やETFに資産投下する意味は薄れていると私は考えています。
・購入時手数料
・通貨交換の手間
・通貨交換の手数料
かつては外国株式に資産投下するには、このような手間がありましたが、今ではほぼ無いと言ってよいですね。今では円建てで米国ETFを購入する環境が整ってきており、ますます、外国株式への投資環境は整いつつあります。
ホームカントリーバイアスを加味しても、TOPIXというベンチマークに資産投下することはためらわれる、というのが私の考えです。しかし、日本株を個別に見て行くと、資産投下するに値する企業は数多くあります。
・ベンチマークに対するインデックス投資は外国株式中心
・個別株は日本株式
私はこのように株式投資をして資産形成をしています。日本全体に資産投下することはできないが、個別には投資する価値は十分にあると考えているからですね。
しかし、TOPIX関連の投資信託やETFが全く資産投下に値しないかと言えば、そうではありません。TOPIX関連銘柄がつみたてNISA採用銘柄であることからも、それは明らかです。
・日本全体はこれから米国と負けないぐらい経済発展していく
・世界的に見て日本企業は成長をしていく
このような前提を持っていれば、TOPIX関連銘柄を株式投資のコアに据えることは理にかなっています。
・米国の発展に日本は劣後する
・世界的に見て日本企業の勢いがない
しかし、このように考えているにも関わらず、TOPIX関連銘柄を株式投資のコアに据えることは一貫性がない株式投資をしていることになるということです。自分の信じる未来を軸に資産投下先を考えることが大切だと、私は考えています。
ご覧いただきありがとうございました。
東証市場再編についてはこちらで記事にしています。個別株は資産投下する価値があります。
私は株式投資のコアは米国株式だと考えています。
米国不動産に投資したいのなら、IYRを検討してもよいですね。