YOH消防士の資産運用・株式投資

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【前回の続き】退職金のよくない使い方

退職金の有効な使い方

 昨日の記事で退職金の有効な使い方について触れてみました。

 ・年金受給までの生活費とする

 ・浪費に使う

 退職時の資産形成状況によって考えた方は異なりますが、本質的には今までできなかったことをするということです。

 ・年金受給までの生活費とする → 60歳以降は働かないという選択

 ・浪費に使う → 高額で買えなかったものや体験に使う

 このようなことは、公務員や会社員として現役で働いている間はできないことだからですね。それが、退職金をもらうことができれば可能になるということです。

 そして、退職金を有効に使うことができなければ、20年以上続く第二の人生で金銭的に困窮したことになってしまいます。

 退職金を有効に使うためには、退職金をもらう以前から綿密に使い方を考えておく必要があります。その上で、有効活用する必要があるのですね。しかし、誰しもが上手に退職金を使うことができるわけではありません。

 ・自分が第二の人生をどのように過ごしていくか計画していない

 ・自身の資産状況を把握できていない

 このようなことであれば、退職金を有効に使うことができないといってよいですね。そして、よくない退職金の使い方というのはある程度決まっているのですね。今回は、悪い退職金の使い方について考えてみたいと思います。

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出典 ZAi ONLINE

悪い退職金の使い方

 ・株式投資

 ・住宅ローン返済

 ・こどもに分け与える

 私が考える悪い退職金の使い方はこの3つになります。順番に掘り下げてみます。

株式投資

 私が考える悪い退職金の使い方の1つ目は「株式投資に使う」ということです。退職時には銀行に大きな金額が振り込まれるため、様々な勧誘があります。

 ・退職金で投資家デビューしませんか

 ・ラップファンドで運用してみませんか

 ・配当金を老後生活の足しにしませんか

 このような勧誘がありますが、このようなことに退職金を使うことはおすすめしません。退職して60歳を迎えるころになると、資産形成をする段階ではなく、保有している資産を守る段階になっているからですね。

 ・退職までに順調に資産形成ができている世帯

 ・退職までに資産形成してこなかった世帯

 このどちらにおいても、退職金を株式投資に使う必要はないということです。順調に資産形成ができている世帯であれば、資産を増やすのではなく、取り崩すことを考える必要があり、資産形成できていない世帯では虎の子とも言える退職金を守り抜く必要があるのです。

 そのため、株式投資などのリスクのある運用を行う必要はないということです。現在もてはやされているインデックス投資にしても、10年スパンで見れば含み損を抱えることは少なくないのですね。

住宅ローン返済

 私が考える悪い退職金の使い方の2つ目は「住宅ローン返済に使う」ということです。

 住宅ローン返済自体に使うことが悪いということではなく、退職金をあてにした住宅ローンを組むことがよくないということです。

 住宅は人生最大の買い物と言われるだけあって、その金額は非常に大きいものです。公務員や会社員であれば、年収の6~8倍の住宅ローンを組むことがスタンダートで、具体的な金額で言えば、3000~4000万円の住宅ローンを組むことになります。

 例えば、30歳時点でフラット35で住宅ローンを組んだ場合、ローン完済年齢は65歳となるので、退職金を見越して住宅ローンを組んでいるということです。これは非常に危険な考えと言ってよいですね。

 ・退職金の減額

 ・リストラ

 退職金にはこのようなリスクがあるからですね。そして、退職金は年々減少しています。

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出典 マネービバ

 このようなことを加味すると、人生で最も大きい買い物である住宅は不確定な要素を排除して、自分に何があろうと対応できるだけの金額にしておく必要があるということです。

こどもに分け与える

 私が考える悪い退職金の使い方の3つ目は「こどもに分け与える」ということです。

 ・こどもが結婚式の費用

 ・こどもが住宅購入の頭金

 ・こどもに生活資金を援助したい

 このような気持ちは親であれば誰しもが持っているものですが、このようなことに退職金を使うことはよくないということです。

 ※退職金に限らず、このような使い方はよくないお金の使い方だと私は考えています。

 このようなことに退職金を使うことは、こどもを経済的にも精神的にも弱くするからですね。一度このようなことをしてしまうと、こどもは親のお金をあてにすることを覚えてしまう可能性があります。そうなると、資金援助に歯止めがききません。

 ・車を買いたい

 ・リフォームしたい

 ・海外旅行に行きたい

 人の欲求というのは限りがないもので、特にこどもが親に対して抱く欲求であればなおさら強いのですね。そのため、一度でも大きく金銭的な援助をしてしまえば、このような欲求を出してくることがあるということです。

 このようなことになれば、お金は急速に減少していきます。1,000万円などは貯めることは非常に難しいですが、使うこととなれば非常に簡単です。そして、自分のお金でないのであればなおさら使いやすいのですね。

 こどもに金銭的に援助することは、必ずしもよいことではないということです。

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退職金は第二の人生を良くも悪くもしてくれる。

YOHの考え

 退職金のよくない使い方について考えてみました。

 ・株式投資

 ・住宅ローン返済

 ・こどもに分け与える

 私はこの3つがよくない退職金の使い方だと考えています。ここから考えられることは、退職金を有効に使うためには、退職以前に十分な資産形成をしておく必要があるということです。

 ・資産を増やさなくても老後生活に心配がない

 ・住宅ローンは完済している

 ・こどもは経済的に自立できている

 自分の人生についてしっかりと向き合って人生設計することができていれば、このようなことは定年退職前に準備することができるということです。その時間が十分にあるからですね。

 ※こどもの経済的自立だけは不確定要素が大きいですが・・・

 そして、老後生活について金銭的な用意ができていれば、退職金は自然とよい使い方ができるのではないか、というのが私の考えです。

 お金というのは誰にでも使うことができますが、よいお金の使い方というのは、誰もができることではありません。よいお金の使い方というのは、個々の属性や価値観によって変わるのは当たり前で、自分にとってよいお金の使い方をするには、考えて練習する必要があります。

 そして、お金の使い方を練習するには、ある程度のお金が必要で、人生の中で常にお金に困窮していれば、よいお金の使い方を学習することは非常に難しいのですね。

 人生において金銭的に困窮しないために大切なことは、しっかりとした人生設計をすることです。

 ・自分にとって何が大切なのか

 ・自分はどこにお金をかけることに幸せを感じるのか

 このようなことに向き合って、自分自身の年収などを考慮して、それに見合うだけのお金を用意すればよいのですね。そのために必要なことが、倹約や資産運用だと私は考えています。

 ・自分の収入だけで満足する生活が送れており、老後の心配もない

 このような方であれば、人生において倹約や資産運用は不要なのですね。倹約や資産運用は誰しもに必要なものではなく、人生を豊かにするためのツールのひとつに過ぎないということです。

 ご覧いただきありがとうございました。

 公務員や会社員の資産形成で大切なのは順番です。株式投資だけしていれば資産が増えるということはありません。

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