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【超基本】消防士の生命保険の考え方について

 

消防士の生命保険事情

 消防士で生命保険に加入されている方は非常に多いです。加入するケースとしては、民間の生命保険営業マンの影響によるところが非常に大きいですね。

 今はコロナ禍で営業マンが消防署に出入りすることがありませんが、以前は昼休みには多くの保険会社の営業マンが来ていました。営業マンが来署されている理由は、新規加入者を獲得するためです。

 さすがに今はしていないでしょうが、私が消防組織に就職した当時は、新規採用者を集めたオリエンテーションの最中に、保険の営業マンが保険の勧誘をしていました。

 保険の内容を詳しく説明せずに、消防士になれば保険に加入しなければならないと説明し、書類にハンコを押させようとする。

 今では考えられないでしょうが、そのようなことが当たり前に行われていたのですね。

 今でこそ、営業方法にそれほどの強引さはなくなりましたが、消防士に対する保険勧誘は大変熱心です。そして、保険の営業マンは保険を販売するプロなだけあって、営業に関しては非常に優秀です。

 ・消防士は危険な職業

 ・消防士は災害でけがをしたら長期間働けなくなる

 ・なにかあった時のお守りになる

 ・両親を安心させることができる

 このようなことを強調するわけですね。

 消防士は保険の営業マンにとって、非常に勧誘がしやすい属性ということです。私の同僚の中にも、就職してから何十年と同じ保険を更新し続けている方は少なからずおられます。

高額医療費制度・一時負担金

 消防士に民間保険は必要なのでしょうか。答えは人それぞれです。自分に合った生命保険というのは、その人の属性によって決まります。

 ・家族構成

 ・年齢

 ・借入金の有無

 属性が変化すれば自分に合った生命保険も変わります。その中でも押さえておくべきポイントがあります。

 ・高額医療費制度

 ・一時負担金払戻制度

 消防士はこの2点を押さえつつ、生命保険を考える必要があります。

高額医療費制度

 消防士は健康保険に加入しています。その保険の中に高額医療費制度があります。高額医療費制度とは、ひと月の医療費が上限を超えた場合、超えた医療費を支給する制度です。

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出典 厚生労働省

 まず、医療費が月に100万円かかった場合、健康保険によって医療費は3割負担になります。そこから負担の上限額の計算式を当てはめて計算した金額を差し引いた金額が差し引かれて支給されるのです。70歳以上は後期高齢者医療保険になりますが、実体は変わりません。

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出典 厚生労働省

 多くの消防士はウに該当します。そうすると、医療費の上限額はおよそ80,000円です。

 仮に、交通事故で手術に200万円、ICUに半年間入院すれば、保険適応外なら500万円はかかりますが、高額医療費制度があるので、50万円ほどの負担で済むわけですね。

一部負担金払戻制度

 医療費については、消防士は地方共済組合に加入しているため、一部負担金払戻制度があります。この一部負担金払戻制度は大変便利な制度です。

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出典 地方共済組合ホームページ

 この一部負担金払戻制度により、高額医療費制度よりもさらに医療費の自己負担分が軽減されます。

 医療費がひと月100万円かかった場合、高額医療費制度によって87,000円ほどになり、さらに、一部負担金払戻制度によって、62,000円が払戻しされます。

 これによって、最終的な自己負担額は25,000円になります。

 仮に、交通事故で手術に200万円、その後、ICUに半年間入院すれば、保険適応外なら500万円はかかりますが、高額医療費制度なら50万円。一部負担金払戻制度によって、支払い合計は15万円ほどにすることができるのです。

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一部負担金払戻制度があれば民間の生命保険の意味は薄れる

消防士が生命保険加入は慎重に

 消防士は高額医療費制度、一部負担金払戻制度によって大病にかかった時でも医療費の自己負担額は軽減することができます。

 収入によって個人差はありますが、ひと月で25,000円ほどで済むのです。自分自身への生命保険加入はこの金額をベースに考える必要があります。私は消防士は入院医療に対する生命保険加入はほとんど必要ないと感じています。

 ・よほどの大病を患っても入院は1年ほどが最長(年間30万円、2年で60万円)

 ・がんの平均入院日数は30日

 ・共済組合から貸付を受けることができる

 消防士は共済組合から無条件で貸付を受けることができるので、入院医療に対するお金の心配はないということになるからですね。

 消防士は保険貧乏になっている方が少なからずいます。月に10,000円の生命保険を30年間かけ続けると、掛金は360万円になります。これを配偶者にかけると倍になります。

 生命保険を損得で考えるのは本質的ではありませんが、この掛金を受給できる方はどれだけいるかということです。民間の生命保険料は様々なものが添加されています。

 ・営業マンの給料

 ・生命保険会社の建物賃料

 ・加入者へのプレゼント代

 これらは無料ではありません。全てが保険料に添加されているのです。