仕事としての消防士とは
公務員は職業として一定の人気があります。
・身分保障
・雇用形態
・給料水準
このようなことを民間企業と比較すると、平均的な民間企業よりも優れていると考える方が多いからですね。そして、消防職も公務員の中で一定の人気がある職業と言われています。
・災害従事
・公益性のある仕事
・仕事内容の特殊性
・地域密着型
私は主にこのような理由から消防士という職業に就きたいと考える方が少なからずいるのではないかと考えています。人気がある一番の理由は「仕事の特殊性」ですね。
・火災の消火活動
・救急車に乗って活動する
・人命救助
このようなことは、民間企業ですることはほぼ不可能といってよいですね。災害の数と比較して、コストがかかり過ぎているからです。なので、こういったことを仕事としてしたいのであれば、消防士になる以外に選択肢がないのです。そして、消防士にあることはそれほど難しいことではありません。
東京消防庁の消防官採用試験の倍率は19.9倍ですが、しっかりと試験対策して受験している方は半分以下です。そして、自治体を選り好みしなければ、多くの自治体の採用試験を受験することができます。そう考えると、なることが非常に難しいという職業ではないのですね。
ブログをはじめて、消防士の仕事について問い合わせやコメントをいただくことが増えました。
そのため、今回は、経済的な面から見て、私が消防士になってよかったと感じたことについて紹介したいと思います。
消防士になってよかったこと
・給料水準が高い(手当関係)
・休みが多い
・自活できるようになる
私が経済的な面から見て、消防士になってよかったと感じたことはこの3点です。順番に掘り下げていきます。
給料水準が高い(手当関係)
私が消防士になってよかったと感じることの1つ目が「給料水準が高い」ということです。
公務員の給料は地方自治体の条例や規則によって定められています。その中で消防士の給料は特別高いわけではありませんが、災害従事活動や時間外勤務による手当が給料を高くしてくれています。
・火災業務 1回100円~300円
・救急業務 1回100円~200円
・災害運転業務 1回50円~150円
・その他の災害業務 1回100円~300円
自治体によって差があるでしょうが、災害手当については、概ねこのような金額です。世間で言われているような救急出動すれば、1回5,000円もらえる、というようなことはどの自治体でもあり得ないといってよいですね。
・時間外手当 月30~60時間(月7万円~12万円)
・救急業務 月100件(月1万円~2万円)
・災害運転業務 月100件(月5,000円~1万円)
忙しい部署の救急隊員で月にこれぐらいの手当が給料に加算されることになります。合計で月8.5万円~15万円、年間で102万円~180万円です。これは、大変大きい金額で、この手当が給料水準を引き上げています。
休みが多い
私が消防士になってよかったと感じることの2つ目が「休みが多い」ということです。
消防士の仕事形態は24時間勤務の交代制です。朝9時から翌朝9時まで職場に拘束され、仕事をすることになります。休憩時間を除くと、24時間の内16時間働いていることになるため、1日仕事に行くと、2日分働いていることになります。
・仕事 → 非番 → 休み → 仕事
3交代制の場合、このように1日仕事に行けば2日間仕事に行かなくてもよいのですね。そのため、仕事に出勤する日は年間で110日ほどになります。
働いている合計時間は普通の会社員と同じなのですが、出勤する日が少ないというのは大きなメリットです。
・朝の身支度
・通勤時間
・帰宅時間
仕事に行く日が少ないということは、このような時間が少なくなるからですね。これは非常に大きなメリットです。
自活できるようになる
私が消防士になってよかったと感じることの3つ目が「自活できるようになる」ということです。
・掃除
・洗濯
・料理
・整理整頓
・身だしなみ
消防士になってはじめに上司や先輩方から注意されることは、このようなことです。
・現場活動のスキル
・運転技術
・事務処理
このようなことよりも自活する能力をつけるように指導されます。これは普通の公務員や会社員では考えられないことですね。
しかし、消防士の仕事は24時間、複数の人間が同じ庁舎内で過ごす必要があります。
・食事
・洗濯
・入浴
・睡眠
・着替え
このようなことを共有の設備を使って行う必要があるので、自宅と同じように使うことはできません。全員が気持ちよく過ごすため、ある程度のルールが必要と言うことです。そのため、自活する能力を身に付ける必要があるのです。
私は、消防士として働きはじめてから、自活する能力が非常に高まりました。自活するための家事能力はひとり暮らしの際に非常に役に立ちましたし、結婚してからも、妻には褒められっぱなしです(^^)/(妻が褒め上手なだけかもしれませんが・・・)
YOHの考え
私が消防士になったのは、就職先として魅力を感じたからです。
・火災の被害をなくしたい
・困っている人を助けたい
・救急車で病気の人を救命したい
就職時にはこのような気持ちは人並み程度にしか持ち合わせていませんでした。そして、今も特別高い志があるか、と聞かれれば、「はい!」と即答できるわけではありません。
しかし、仕事に関しては手を抜くことなく、真面目にコツコツとこなしています。それはやはり、消防士になってよかったと思えることが多々あるからですね。
・給料水準が高い(手当関係)
・休みが多い
・自活できるようになる
今回は、経済的な面から見てこの3つを挙げましたが、他にもよかったことは数えきれないほどあります。
・救急搬送した方から感謝の手紙を頂いた
・救急搬送した方が元気になって消防署を訪れてくれた
このようなことは、よかったことのほんの一部ですが、他の仕事をしていれば決して体験できなかったことです。そして、このような体験はいくらお金を得てもすることができないのですね。
消防士の仕事は誰にとっても素晴らしく、やりがいのある仕事、というわけでは決してありません。よい面と同様に悪い面も多々あるからですね。
よい面と悪い面を勘案した場合、私にはよい面が上回っているため、消防士の仕事を続けていられるのだなと思っています。そして、それには、周囲の方々の助けが多々あります。
・上司
・先輩
・後輩
・両親
・家族
・市民
様々な人に助けられて成り立っているのが、消防士の仕事だと私は考えています。ご覧いただきありがとうございました。よいお年をお過ごしください。
消防士の給料事情についてはこちらでも記事にしています。
消防組織を就職先として考えると・・・という記事です。
消防組織も時代と共に変化しています。