資産規模が小さいうちのETF購入
株式投資の選択肢として有力なもののひとつがETFです。
ETFとは、証券取引所に上場している投資信託で、「Exchange Traded Funds」の頭文字をとった名称です。
・ひとつ購入するだけで分散投資ができる
・値動きがわかりやすい
・売買がしやすい
・ランニングコストが安い
このような特徴があるため、投資家に非常に人気のある金融商品のひとつと言ってよいですね。長期投資を前提としておられる方の中には、ETF1銘柄と現金だけといったポートフォリオを組んでおられる方も存在します。
そして、ETFは株式だけでなく、様々な金融商品に連動しており、種類が非常に豊富です。
・債券
・ゴールド
・暗号通貨
・不動産
このような金融商品を指数としているETFも数多くあるということです。そして、数多くあるということは、購入するのに迷いが生じるということでもあります。
特に、資産運用をはじめて資産規模が1,000万円ほどの小さいうちは様々な迷いが生じて、投資方針が定まらないことが往々にしてありますね。
・資産規模1,000万円までにETF購入時に抑えておきたいポイント
・資産規模1,000万円までのおすすめETF
今回はこの2点について考えてみたいと思います。
資産規模1,000万円までにETF購入時に抑えておきたいポイント
結論から言えば、「資産規模1,000万円までにETF購入時に抑えておきたいポイント」で最も大切なのは2点だけです。
・ランニングコスト
・手数料
この2点に尽きるということです。ETF購入時に多くの方が気にするポイントはそのETFの運用パフォーマンスや分配金利回りです。
もちろん、運用パフォーマンスや分配金利回りは非常に大切な要素であることに間違いはありませんが、資産規模が1,000万円までの場合は、それよりもランニングコストや手数料を強く意識する必要があるということです。
資産規模が小さい場合、運用パフォーマンスがよくとも、ランニングコストや手数料が割高であれば結果として自身が思ったような資産増加の実感が得られないからですね。
SBI証券のETF買付手数料を例に出して触れてみます。
ETFは買付手数料がネック
ETFを投資対象とした場合、ネックとなるのが買付手数料です。月多くの金額を使ってETFを購入される投資家であれば、買付手数料は微々たるものです。
しかし、資産規模がそれほど大きくない投資家にとっては、ETFの買付手数料負担は非常に大きく、運用パフォーマンスに大きな影響を及ぼすこことも少なからずあるというほどの金額です。
SBI証券の米国ETFの場合、買付手数料は約定代金の0.495%が基本となります。そして、上限が22ドルです。この手数料でVHT(バンガード米国ヘルスケアセクター)を購入した場合で考えてみます。
2022年12月1日時点でのVHTの株価は254.35ドルです。
・254.35ドル×2口=508.7ドル
・508.7ドル×0.495%=2.33ドル
VHTを2口購入した場合、2.33ドルの購入手数料がかかることになるということです。1回あたりで見れば小さな金額ですが、VHTを毎月2口定期買付した場合、年間で27.6ドルが手数料としてかかることになります。
・27.6ドル×137円=3,808円
日本円換算すると、年間約3,800円が買付手数料としてかかるということです。これは少なくない金額ですね。
・22ドル÷0.495%=4,444ドル(61.3万円)
買付手数料上限の22ドルに達するには、1回の取引でETFを4,444ドル購入(61.3万円)する必要があります。これ以上の金額でETFを購入する場合は手数料はお得ということになります。
しかし、日本円にして61.3万円のETFを定期購入するのは、資産規模が大きくない投資家には難しいですね。そして、年間27.6ドル(3,800円)という手数料は小さな金額ではありません。
VHTの分配金利回りは1.26%です。VHTを毎月2口ずつ購入した場合、1年間で24口(6096ドル)保有することになります。
・6096×1.26%=76.8ドル(年間分配金)
・76.8ドル-27.6ドル=49.2ドル(買付手数料を引いた取り分)
このように、買付手数料を加味すると、分配金は35%減少します。このように、実際の分配金で得ることのできるパフォーマンスはかなり目減りしてしまうということです。
資産規模1,000万円までのおすすめETF
ETFの買付手数料というのは、そのつど払う分には大きな金額ではありませんが、これが長期間かかるとなると、運用パフォーマンス自体に与える影響は小さいものではありません。
資産規模が大きい投資家で、一度の買付で何百万円と使うのであれば手数料分が気にならないほどのパフォーマンスを期待できるのでしょうが、資産規模が大きくない投資家はそうではないということです。
そのため、資産規模1,000万円までの投資家におすすめするETFは、買付手数料がかからないETFということになります。
・買付手数料がかからない
・ランニングコストが安い
・ベンチマークがしっかりとしている
このような条件を満たしているのが、「SBI ETFコレクション」です。
SBI ETFコレクションにラインナップされているのは2022年12月時点でこの10銘柄です。
・全世界株式
・米国株式
・S&P500
・Nasdaq100
・ゴールド
・米国債券
・米国情報技術セクター
・米国不動産
10銘柄と聞くと選択肢が少ないように思われるかもしれませんが、この10銘柄でこのような幅広い金融資産クラスに資産投下することができます。
資産規模がそれほど大きくない投資家にとっては、この10銘柄の中から選択することで十分な分散投資が可能で、これ以上はETFでの投資の幅を広げる必要性はほとんどないということです。
YOHの考え
資産規模が大きくない投資家におすすめのETFについて考えてみました。私がおすすめするのは「SBI ETFコレクション」にラインナップされているETFですね。
・VT
・VTI
・VOO
その中でもさらに絞り込めばこの3つになります。ETFに資産投下しようと考えた投資家であれば誰もが知っているようなETFですが、それでよいということです。
資産規模が1,000万円に満たない投資家であれば、奇をてらったような資産運用は全く必要無いと私は考えています。
・知る人ぞ知る銘柄
・仕組みが複雑なETF
このような金融商品に資産投下するよりも、王道と言えるようなETFを選択するのがよいということです。
そして、「SBI ETFコレクション」の最も優れている点のひとつが買付手数料がかからないというところです。
例を出したように、資産規模が小さいうちは手数料がパフォーマンスに占める比率が大きく、運用パフォーマンス自体が良くとも、割高な手数料がかかっていれば、手数料負けするような運用をしてしまうことになるということです。
資産規模に関わらず、手数料というのはできるだけ安い方が運用パフォーマンスが上がるのは当然です。
特に長期投資においては手数料をできるだけ安くするというのは投資の前提条件と言ってもよいほど大切なことだということです。
その手数料問題を簡単にしてくれるのが「SBI ETFコレクション」です。「SBI ETFコレクション」は資産規模が大きくない投資家だけではなく、資産規模に関わらずおすすめできるETFだということです。
私自身、株式投資の資産規模は1,000万円を大きく上回っていますが、ETFを購入するのであれば、「SBI ETFコレクション」の中から選択するだけで十分だと考えています。
繰り返しになりますが、資産規模が小さいうちは奇をてらうような投資手法というのは必要ありません。
そして、資産規模が大きくなっても、誰もが実践できるような王道の資産運用を続けていくことで資産形成することは十分に可能です。
資産規模が1,000万円までの投資家におすすめできるETFはそれほど多くはありません。その需要を満たしてくれるのが「SBI ETFコレクション」だと私は考えています。
ご覧いただきありがとうございました。
SBI ETFコレクション以外で選択肢として挙げるとするなら、2558などの東証上場ETFも選択肢として知っておくのはよいですね。
資産規模が大きくないうちは投資信託の方が優位性があると私は考えています。ランニングコストはETFよりも高いですが、それに見合ったメリットがあるからですね。
カバードコール戦略を用いてるETFなどは、資産規模が大きくない間は特段の理由がなければ不要ですね。資産規模が大きくなればサテライト的に資産投下するのにはよいかもしれません。